幾何学模様の方程式

一ヶ月以上の瞑想コース。概念としては長く感じるが、毎日が濃密なレッスンで暇な時なんて片時もなかった。毎日毎日、これでもかと課題が出てくる。それに直接触れ、向き合って解いていく。延々に続く長い方程式を解いているようだった。無数の星が頭上を通り過ぎるように多くのインスピレーションが降りそそぎ、明け方の空に薄らぎ通過していくようだった。それらは身体に蓄えたたくさんの記憶と結びつき、ヒントやメッセージとなり、解へと導いてくれた。コースが終わる数日前、ある長い方程式を解き切ったと感じた。もう泣きたい気持ちはなかったし、どこにも痛みを感じていなかった。過去に背負った感情を思い出そうにも、遠い過去に置いてきたみたいに、この身体の感覚として引き戻すことはもうできなさそうだった。宇宙はどこまでも優しい。今世でもう大きく悲しむことも喜ぶこともないだろうと、なんとなくそう思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?