57.自分本来のエネルギーに包まれることは一番の癒し
「私はあなたの我が強くて負けず嫌いなところ、世界に私の足跡を刻んでやる! というような気概のあるところががいいなと思う」
と言われたことがある。
〈バレた〉
〈なぜわかるんだろう?〉
と思った。
大人になってからの私のことを、そんなふうに言う人はいなかったから、どうしてそんなふうに感じたのか、教えてほしいくらいだった。
〈我が強くて負けず嫌い〉
子どものころは、そのままがむき出しだったと思う。だけど、
〈世界に私の足あとを刻んでやる!〉!?
びっくりしたけど、嬉しかった。
ニヤニヤが止まらなかった。
刻んでやる! って思った。
2012年10月のことだ。
その後、その気概は消沈してしまい、世界どころか、世間にも、まったく踏み出していないまま、十年近くが過ぎ、本郷綜海さんのスピリチュアル・ブロフェッショナル養成コースに参加した。
〈自分のギフトと強みについて〉という課題を見たとき、すっかり忘れていたフレーズを思い出した。
今の私には、もう、そんな部分は消えてしまったと思っていた。
ところが。
その講座の最終日に、あるワークをした。
そのとき、私のプレゼンテーションを聴いたみなさんが感じて、伝えてくださったのは、私自身の〈マグマ〉についてだった。
情熱、喜び、楽しさ、自然、天然、怖れのない子ども、とめどなく湧き起こってくるパッション、などの言葉を聴いているうちに、自分の中に潜む、途方もないエネルギーの塊を思い出した。
自分にとっては普通なのに、誰もついてくることができない強いエネルギーの発動を、どうコントロールしたら、ちょうどよくなるのかがわからず、子どものころ、途方にくれていたことを。
いつのころからか、自分の質を「水」のように感じていたことを。
だから、いつだって、その場にふさわしい大きさの容れものを、探さなくてはならなかった。
エネルギーが過剰すぎて、洪水や、ダムの決壊にならないよう、注意しなければならなかった。
だけど、そのワークの中で、水について話してくださった仲間がいた。
〈すみずみまで届く〉
〈どんなかたちでも、ぴったりと包みこむことができる〉
それを聴いたとき、心の中で、堰が一つひらくのがわかった。
これまで、自分が水になって、容れ物の中に入ったり、必要なところまで沁みとおっていくというイメージは持っていたけれど、〈包みこむ〉という発想はなかったからだ。
また、別の仲間は、マグマと温泉の関係について、私がこれまでに思いもしなかったことを言ってくれた。
マグマのままだと、熱くてすごくて誰もさわれないけれど、それを温泉にすることで、誰もが気持ちよく入って癒される……というものだ。
そのことを聴いて、永年の課題だった、「エネルギーのコントロール問題」が、解決していることに気がついたのだ。
自分でも信じられない力や、自分では気がつかない魅力を教えてくれるのは、自分以外の人しかいないのに。
人と関わることを避けようとしていた。
***
「私はあなたの我が強くて負けず嫌いなところ、世界に私の足跡を刻んでやる! というような気概のあるところがいいなと思う」
という言葉を思い出していたからか、最初のブレイクアウトルームに入ると、海外在住の仲間が集結していた。
アメリカ、オランダ、メキシコ。そして、日本。
全員がちがう国にいる。
そして、画面からあふれ出してくる、その人のエネルギーに包まれ、共鳴している。
何よりも、自分本来のエネルギーに包まれることは、一番の癒し。
十分に癒えたら、温泉からあがろう。
浜田えみな
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