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19.ひめ神カード講座ベーシック ~アマテラスオオミカミ

役を与えることは、信頼すること。
役を与えられることは、信頼に応えること。

〈ひとりで頑張らず、相談する〉
〈信じて、役を与えることが、相手の力を引き出し、輝かせる〉
〈ひとりひとりの存在価値〉

〈世界が光り輝く〉というのは、〈人が輝く〉ということなのだと実感できた。

アマテラスが照らすのは、かけがえのない、魂の歓び。

まっすぐに、みよう。
目をそらさずに、受け取ろう。
愛されていることを。
かけがえのない存在であることを。

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アマテラスオオミカミは、12ひめ神の、2番目のひめ神だ。

1番~5番までのひめ神が表しているのは、一人の女性の中にある基本的な魅力のうち、自分の中から引き出していくもの。

アマテラスオオミカミのキーワードは、「祈り」と「(相手の成長のために)役を与えること」だ。

太陽神、高天原の最高神、皇室の祖神として、深い崇敬を受けている女神アマテラスオオミカミは、最初から、そのような威光を備えていたのではなく、苦悩し、悲嘆し、失意に沈む経験を経て、世界を照らす神となっていくことが、日本神話をひもとくとわかってくる。

古事記に描かれた神様たちの行い(神芝居)は、現代に生きる私たちに、智慧を授けてくれる成長の物語だ。
そのことを、山下弘司先生の神話講座で教えていただいた。

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黄泉から帰ったイザナギが、禊によって、左目を洗ったときに生まれたのが、アマテラス。
右目から生まれたのが、ツクヨミ。
鼻を洗ったときに生まれたのが、スサノオだ。

アマテラスは高天原を、ツクヨミは夜の国を、スサノオは海原を治めるよう、イザナギから言い渡されるが、死んだ母イザナミに会いたいと泣き喚き、いつまでたっても従わなかったスサノオは、イザナギの逆鱗にふれ、高天原を追放されてしまう。

別れの挨拶をするために、姉アマテラスが治める高天原を尋ねるスサノオだが、歩くだけで森が揺れ、川があふれ、大地が揺らぐ。
乱暴者のスサノオが、国を奪いに来たにちがいないと誤解したアマテラスは、武装して待ち構えた。

アマテラスに信じてもらえないスサノオは、身の潔白を証明するために、

〈互いの持ち物を交換して子どもを作る〉

という誓約を提案する。

これによって、スサノオの剣を三つに折って噛み砕いたアマテラスの息からは、三柱の女神が、アマテラスの勾玉を噛み砕いたスサノオの息から、五柱の男神が生まれる。

ところが、男女のどちらが生まれたら勝利になるかを、事前に決めていなかった!

本来であれば、誓約は成立しないにもかかわらず、スサノオは、「女神を産んだのは邪心がないからだ!」と、勝手に勝利宣言をし、アマテラスが申立てをしないのをいいことに、調子に乗って、さらに高天原で暴れまくった。

アマテラスは、そんなスサノヲを咎めもせず、擁護していたのだが、ついに、機織女が命を失ってしまう事故が起きた。

このことによって、深い悲しみと無力感で、意力を失ったアマテラスは、ひとり岩戸にとじこもる。
高天原と葦原中国は闇の世界になり、禍が蔓延しはじめた。

困った八百万の神々は、集まって相談し、高天原の知恵の神、オモイカネの発案により、「天岩戸開き」の壮大なプロジェクトが動き出した。
さまざまな神々が、それぞれの特技を持ちより、力をあわせて、アマテラスを岩戸から引き出すために、役割を担う。

暗闇のはずなのに、楽しそうなお祭り騒ぎの気配が伝わり、いったい何が起こっているのだろう? と不思議に思ったアマテラスが、戸を少し開け、すきまから外をのぞこうとすると……。

待ち構えていた神々たちの手によって、鏡がさしだされ、しめ縄がかけられ、岩戸は遠くに、飛ばされていった。

「もう二度と中に入らないでください」

世界に光が戻り、神々は歓喜し、アマテラスのかけがえのなさと素晴らしさを、以前にも増して、ほめたたえた。

このことによって、その後のアマテラスは、何をするときも、独断を避け、神々に相談し、役割を与え、最高神へと成長していく。

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この神話を、名前のことだま🄬的な読み解きによって、山下弘司先生から伺ったとき、平面的な活字で記憶にとどまっていた古事記の物語が、感情あふれる心の動きとともに、立体的に起ちあがってきた。

〈ひとりでがんばりすぎたアマテラスが、失意と哀しみの底で岩戸にひきこもった気持ち〉
〈自分がいないのに、岩戸の外で、暗闇の中なのに笑い声が聞こえてきたときの気持ち〉
〈鏡によって、自分と同じような、光り輝く神がいることを知ったときの気持ち〉
〈岩戸の外で繰り広げられていたことが、自分のために、神々たちが智慧と技を集結した一大プロジェクトだと知ったときの気持ち〉
〈八百万の神々すべてが、自分が岩戸から出ることを待ち望んでいたと知ったときの気持ち〉
〈必要とされ、歓喜に沸く神々たちと共に、光り輝く世界を目の当たりにしたときの気持ち〉

役を与えることは、信頼すること。
役を与えられることは、信頼に応えること。

〈ひとりで頑張らなくていい〉
〈みんなに相談し、役を与えるだけでいい〉
〈信じて、祈るだけでいい〉
〈いてくれるだけでいい〉

そのことを知ったアマテラスの、天岩戸ビフォーアフター。

〈ひとりで頑張らず、相談する〉
〈信じて、役を与えることが、相手の力を引き出し、輝かせる〉
〈ひとりひとりの存在価値〉

〈世界が光り輝く〉というのは、〈人が輝く〉ということなのだと実感できた。

アマテラスが照らすのは、かけがえのない、魂の歓び。

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〈大和田縁奈さんからのメッセージ〉

ひめ神カードの絵を描いてくださった大和田縁奈さんから、構図や、表情や、色や、描かれているアイテムにまつわる、作者ならではの想いを、聴かせていただいた。

12ひめ神のうち、アマテラスオオミカミだけが、真ん中で真正面を向いている構図なのだそうだ。
そして、アマテラスオオミカミは、鏡を向かい合う人に向けて捧げている。

このカードは、

「あなた自身をみましょう」

というメッセージがあるとおっしゃっていた。

そして、「なぜ、アマテラスオオミカミだけが真ん中で真正面を向いているのかは、ご自身で考えてください」と。

自分を認め、信頼できなければ、人を認め、信頼することはできない。
自分が輝いていなければ、人を輝かせることはできない。

まっすぐに、みよう。
目をそらさずに、受け取ろう。
愛されていることを。
かけがえのない存在であることを。

浜田えみな(初出 R2.9.3)


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