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73.ジャイアンリサイタル「あなたのことを私に書かせて」ep.4 ~井上美須加さん編~

吸って、吐く、というリズムの中で、

〈私は、私といっしょにいなかったことに気がつき〉
〈私は、私に一緒にいてほしいことに気がつき〉
〈私は、私と一緒にいようと思い〉
〈一緒にいることができた〉

呼吸とともに。

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井上美須加さんのことを知ったのは、zoomミーティングを利用して行われた、スピリチュアル・プロフェッショナル養成コース第10期の5回目の講座で、綜海さんへの質問で、スピーカービューに登場された時だ。

ターバンを巻いて、ニコニコされている美須加さんは、瞳がキラキラしていて、とてもまぶしかった。
ヨガとアートワークを教えていらっしゃること、28年(!)のあいだにつながった、大切なお客様たちとのコミュニティがあり、ようやくオリジナルメソッドができ、世界に向けて発信をしはじめたところだということを、伝えていらした。

継続して積み重ねてきたことへの自信と、お客様たちへの感謝と、充実されているセッションの様子が伝わってきて、綜海さんからも「素晴らしいー!」「おめでとー!」「オリジナルメソッドは、一つのゴールだね!」と言われて、嬉しそうにされていた美須加さんは、

(雲の上の人!)

という感じで、何も接点がないのに、こちらから友達申請するなど、とてもできないと感じた。

ところが、ある朝、通勤電車の中でFBを見ていると、「知り合いかも」というところに、女優みたいにきれいな女性の写真がすべりこんできた。
ローマ字の名前を読むと、「Mizuka Inoue」とあるので、

(もしかして?)

と思って、タイムラインに行くと……
ターバンを巻いて、ナチュラルな魅力がキラキラしていたスピーカービューの画面とはちがって、ほどかれた髪が躍動感に満ち、スーツを着て、華やかな美しさをまとった美須加さんがいた。

そして、初めて読む美須加さんの投稿は、ディズニーランドで、お誕生日を迎える娘さんと過ごしたスペシャルデーのエッセイだった。(お写真、投稿よりお借りしています)

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ブレイクアウトルームで一緒になったことがなくても、なんの接点がなくても、雲の上の人でも、ぜったいに友達申請しようと思って、電車を降りて会社に行った。

帰宅して、美須加さんに友達申請しようとパソコンを起ち上げると、美須加さんのほうから、リクエストが届いていた。
美須加さんの投稿に「いいね」をつけた私に、逆に申請をしてくださったのだった。
とても、ていねいなメッセージとともに。

そんな美須加さんが、5年前に創ったフォト歌集『手のような雨』を、みなさんのジャイアンリサイタルと交換して、その体験を文章にしたいという、私のさらなるジャイアンリサイタルに賛同してくださるという。
美須加さんが交歓してくださるのは、オリジナルメソッド「呼吸奏」のプライベートセッション。

プライベートセッションをするのは、初めてだという。
〈初めて〉になれるのは、とてもうれしい。

***

美須加さんとのセッションの朝がやってきた。

美須加さんは、スピプロ内の2つの分科会(「アーティスト部」、「SNS&動画研究会」)でもご一緒しているので、その活動を拝見してきた。
アート部会においては、絵画作品を。
動画研究会では、朝のお散歩に撮影された自然の恩恵のライブ配信を。

知れば知るほど、その才能や、美しさや、日々をていねいに過ごしていらっしゃるようすが伺えて、対極にいる自分のことを、少しくらいは、取り繕いたくなる。
部屋をきれいにし、グラウンディングで整えておくのはもちろんだが、それに加えて、何か特別なこと。

その日、大阪は、とても気持ちよく晴れた朝だった。
美須加さんは、きっと、早朝から、朝日の中で深呼吸されただろうと思い、私も庭に出た。
すると、つぼみだった盆栽の梅の花がひとつ、ひらいていた。

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写真を撮っている時点で、すでに開始1分前なのだが、大急ぎで、メッセンジャーで美須加さんに送った。
香りも届けばいいと思いつつ。

白梅の花言葉は、「気品」

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美須加さんのウェブページに掲載されているプロフィールを転載する。

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英国ITEC認定アロマセラピスト/アートセラピスト/インド政府公認Sivananda Yoga正式指導者/AFPティーチャー

1993年よりセラピストとして活動を始め、延べ8000人以上の方々とのセッションを重ね生まれたワークショップは、教育・街づくり・医療・音楽やスポーツなどのプロフェッショナルな方々の能力活性など、幅広い分野で役立てられている。

2019年「呼吸奏」「 Elegance quest 」として、2つのオリジナルメソッドを伝えるプロジェクトを開始。
*呼吸奏・Elegance questは、登録商標申請中です。

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セッションを始める前に、このプロフィールに目を通していなかった私は、美須加さんとのお話の中で、御経歴を伺った。
あらためて、どの資格にも、はかりしれない奥行と深さがあることを、実感する。
たとえば、どなたに師事したか。どこで修得したか。どのように道が拓かれたか。
そのようなことだ。

美須加さんが出逢って師事されたのは、その道のパイオニアともいえる、世界的にも著名なかたがただった。
どうすれば、そのような方たちと出逢えるのか、願っても叶うものではないことが想像できる。
美須加さんには、本物と出逢うことができる女神力、運命力のようなものが備わっているのだと感じた。

そもそも、私は、最初から美須加さんのファンなので、その声を聴いて、表情を受けとって、お話をしていただけるだけで、どきどき。

幼いころの美須加さんのこと。
思春期のころの美須加さんのこと。
色と対話されていた美須加さんのこと。

何時間でも伺いたいことは山盛りなので、いつまでたってもセッションが始まらない(笑)
だけど、この時間が、すでにセラピーだったのだということが、後にわかった。

美須加さんが言ったひとことが、私の中にある、ずっと閉じられていた扉をゆるめたと思う。

「ただ、いっしょにいてくれた」

と、美須加さんはおっしゃった。
いろんな先生から、知識や技術を教えていただいたけれど、ヨガの先生は、ただ、私と一緒にいてくれたのだと。

そのお話を伺ったとき、〈一緒にいる〉という感覚が、自分の中に流れこんできた。
だれかが自分と一緒にいてくれる、という感覚。

私は、それを、美須加さんの感覚に共鳴したのだと思っていた。

その、安心で安全で、満たされて、怖くなくて、守られて、大丈夫な感じ。
こんなふうに誰かがいっしょにいてくれて、それを自覚して、お話することができる美須加さんは、なんて、豊かで、幸せなのだろうと思った。

そんな、美須加さんから、誘導していただける「呼吸奏」
セッションが始まって、呼吸に意識を向けたとき、ふと思った。

(一緒にいるのに、気がつかないでいたものたちのこと)

(呼吸)
(鼓動)
(脈動)

心臓が動いていることも、ハートがふるえていることも、エネルギーが循環していることも。
いつもいっしょにいるのに、気にとめていなかったものたち。

その気配を感じようとしたとき、影のようだったものが、急にカタチになった。
それは、私だった。

(一緒にいるのに、気がつかないでいたもの……)

〈私だった!〉
〈私は、私と、いっしょにいなかった!〉

吸って、吐く、というリズムの中で、

〈私は、私といっしょにいなかったことに気がつき〉
〈私は、私に一緒にいてほしいことに気がつき〉
〈私は、私と一緒にいようと思い〉
〈一緒にいることができた〉

呼吸とともに。

〈私の隣にいた。ふれあうくらいの距離で〉
〈今の私と、おんなじくらいの、等身大の私の隣に〉

共鳴するということは、〈知っている〉ことだとわかった。
私は、私といっしょにいる感覚を、〈知っていた〉

セッションの後半で、誘導のことばの中に「会陰」というワードが聴こえた。
その瞬間、会陰から、帯のように、虹のように、ゆらめく何かが、するすると入ってくる感覚があった。
ごく自然に。草原のような場所で。

〈会陰から入ってくる虹の帯〉

私のさみしさと分離感は、出産のとき、自分から出て行った、あの、熱くて、激しくて、やみくもで、がむしゃらな、すごい、すごい、塊のせいかもしれないと思った。

その喪失感が、呼吸とともに、すべりこんできた、虹の帯のうねりで消えていく。

満たされて、からだのすみずみにまでとどいていく。
いっしょにいる、私と共に。

***

みずか1

美須加さんのオリジナルメソッド「呼吸奏」の個人セッション。
集団で行うものとはちがった、とてもパーソナルな体験が用意されていると感じる。

次の扉が、とても楽しみ。
私は、今やっと隣にいる私と、どんなふうに近づいていくのだろう。

浜田えみな

井上美須加さんのウェブページ


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