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319.キャサリン・シェインバーグ博士の【形態学 ギリシアの神々Ⅲ (水星・火星・金星)


◆はじめに

スクールオブイメージを設立し、ニューヨークで活躍されているキャサリン・シェインバーグ博士の【形態学 ギリシアの神々Ⅲ (水星・火星・金星)】というワークショップを、2022.9.29~10.2の4日間、19:00~24:30というスケジュールで、オンラインで受講した。
 
「Ⅲ」とあるように、すでに、「ギリシアの神々Ⅰ(土星・木星)」「ギリシアの神々Ⅱ(太陽・地球・月)が開催されている。
私は、今回が初めての参加だ。
 
イメージの学びを始めてから、数か月しか経っていないので、「まだまだ無理」という気持ちがあったけれど、
 
「いつか学びたいと考えているなら、先延ばししない。コミットすることが大事です。調整して受けられたら受けるではなく、どんなタイミングでも学びたい! というような」
 
と、グループに向けて発信された和さんの言葉で、ワークショップのスケジュールも決まっていないのに、受講を決める。
 
最終日の深夜、4日に渡るワークショップを修了し、キャサリン博士と、共に学んだみなさんの笑顔が、PCの画面から消えたときに、あふれてきたのは、
 
「唯一無二のかたちとしての自分のかけがえのなさ」
 
〈顔も、身体も、頭の先から手足の先まで、自分を構成するすべてのかたちが、星のエネルギーをまとっている〉
〈補いあって、調和して、奇跡のような組み合わせで、宇宙の応援を受けながら存在している〉
〈そのすべてが、自分を守り、支え、導くための「かたち」をしている〉
 
そのことがわかって、顔やからだのパーツすべてに、いとおしさと、敬意と、誇りと感謝が生れ、
 
「自分を好きになる」
「自分を大切に思う」
「自己肯定感」
 
とは、こういうことなのだ! と体感する。
 
次に感じたのは、ワークショップに関わるすべてのかたの、情熱と知性と誠実さと、まっすぐな瞳と、おおいなる愛への、敬意と感謝と歓喜だ。
 
休憩時間を減らして(初日は、5時間30分のうち、休憩15分!)、たくさんのことを伝え、体験させ、シェアをうけとめて、道を照らし続けてくださった、講師のキャサリン博士。
ものすごい集中力と理解力で、キャサリン博士の言葉と、受講生の言葉を通訳してくださったナツコさん。
ワークショップをコーディネイトしてくださり、架け橋となってくださったマキコさん。
導いてくださり、ワークショップも、それ以外の時間も、グループにお心をかけ続けてフォローしてくださった和さん。
積極的に発言して、場のエネルギーを、どんどん高めてくださった受講生のみなさん。
 
すべてのかたの情熱と、知性と誠実さとまっすぐな瞳と、おおいなる愛への、敬意と感謝と歓喜。
 
それは、ワークショップが終わってからも、ずっと続いている。
 
(目に入るすべての、「かたちの物語」に)
 
*******
 
◆ギリシアの神々と惑星の関係
 
事前に受けた、ミキマキコさんの【形態学ベーシック】のワークショップで、「アーキタイプ」、「プロトタイプ」という言葉を教えていただいた。
 
アーキタイプとは、地上にふりそそぐ星のエネルギーそのもののこと。
プロトタイプとは、そのエネルギーが形を持った状態のこと。
 
ギリシア神話に登場する神々は、星のエネルギーが人のかたちをとったプロトタイプなのだという。
 
たとえば、水星(Mercury)のエネルギーが、地上に降りて人のかたちを持つと、ギリシア神話のヘルメスに。
火星(Mars)のエネルギーは、ギリシア神話のアレスに。
金星(Venus)のエネルギーは、ギリシア神話のアフロディーテに。
 
4日間のワークショップを通じて、ギリシア神話が描く神々の誕生のシーンや、置かれた環境、そのふるまいの数々を、短いイメージワークをくりかえして体験していく。
そこに見えるもの、感じるもの、そのとき、自分のからだがどうなっているかという「体感」は、かたちができあがるストーリーの追体験だ。
 
4日間、毎日、毎瞬、ワンダーで、ミラクルで、ファンタスティックな体験が照らすひかりによって、自分の中の未開の部分が、どんどん開墾されているような気がした。
 
〈「かたちを体験する」という、「夢見」の方法〉
 
それは、本当にパワフルで、誰のものでもない、自分にとっての真実の体験を教えてくれる。
 
◆水星(ヘルメス)

3つの惑星の中で、一番楽しかったのは、水星のイメージワークだった。
 
ギリシア神話に登場するヘルメスが、生まれたばかりの「赤ちゃん」だからかもしれない。
赤ちゃんなのに、素早くて、機転が利いて、トリッキーで、みんなを煙にまいて、闇と光を行き来でき、邪気がなく、感情に左右されない、かろやかなメッセンジャー。
 
もし、私にあるとしたら、おそらくものごころがつく前の自由な世界の記憶。
ものごころがついた私には、できなくなったことばかり。
それを自然にやってのける母と妹。
私とはタイプの違う二人は、どちらも苦手な存在だったけれど、私のピンチを救い出し、助けてくれる風なのだと、火星と金星のイメージワークのときにわかる。
 
水星のプロトタイプである伝令神ヘルメスは、火星のプロトタイプである軍神アレスとも、金星のプロトタイプである美の女神アフロディーテとも、神話の中で関わりがあり、二人を救う。
 
ヘルメスのお母さんは、原初の暗闇の女神 マイア。
ヘルメスのお父さんは、光の神 大神ゼウス。
ヘルメスは、対極の間を、とらわれることなく、素早く動く。
方向を変え、視点を変え、何度も生れ変わる。
ヘルメスの「ゆりかご」は、対極が交差する一点だと、キャサリン博士に教えていただく。
 
一本の杖に二匹のへびがらせん状に巻き付き、その頂に翼がかたどられた「ヘルメスの杖」が、その動きを表していると、器用にホワイトボードに描いてくださる。
 
〈対極のものを融合することでヒーリングが起こる〉
〈両方を合わせると祈りになる〉
〈二つの異なる対立しあう概念を合わせて、新しい概念を生み出す〉
〈生まれ変わる、生れなおす〉
〈ユーモア〉
〈素早く、愉快に、常に解決策をみつけられると信じ、留まらない風〉
 
◆火星(アレス) 

火星に関する神話を聴いて、イメージワークが始まると、忘れていた感情や、起きざりになっている子どものころの体験が蘇ってくるのを感じ、アレスではなく、自分として体験しているのではないか? と思いはじめる。
 
【形態学ベーシック】のワークショップを受けたときに、マキコさんが伝えてくださった、
 
〈ドリーミングを通して、自分の内側にある過去の体験や、思考、パターンが浮かび上がり、浄化が始まることがある〉
〈浄化が終わると、過去の経験、トラウマを通さず、純粋に、クリアな鏡となって、その人を見ることができる〉
〈古代ギリシアでは「かたち」の学びは神聖で、イニシエーションを受けて、身も心もトレーニングをした人に伝えるものである(準備ができていない人は学べない)〉
 
……という声が蘇り、
 
〈準備ができていない〉と、痛切に感じる。
 
さらに、ギリシア神話は、断片的にしか知らなかったので、キャサリン博士から聴く火星にまつわる物語に、深く感情を揺さぶられる。
 
ヘラが怒りのエネルギーで、単性生殖で産んだというアレスとヘファイストス。
この対極にある容姿を持つ二神が、「表」と「裏」、「光」と「闇」だと教えていただく。
 
すると、「水星」のレクチャーを受けたときに概念としてイメージしていた「光」と「闇」が、「神」の姿として登場したことで、古代の神話は身近なものになり、音叉となって、自分の中にある「光」と「闇」が共鳴しはじめる。
 
(これをどうやって取り扱えばいいのだろう……)
 
と感じていると、つづく神話の中にその解決方法が示されている。
無意識に、今の自分にあてはめている。
 
(アレスにとっての、戦いとは)
(ヘファイストスにとっての、武具づくりとは)
(アレスとアフロディーテの三人の子供……「怖れ」「パニック」「調和」とは)
(アレスとヘファイストスとアフロディーテを救う、ヘルメスの力とは)
 
すべて、神話の中に示されている。
そのことによって、癒しと光が戻ってくる。
 
◆金星(アフロディーテ)

考えてみれば、アフロディーテのことは、「ヴィーナスの誕生」という美術作品でしか知らなかった。
どのように誕生するのか、神話を聴いて驚く。
 
海と空の境界線が生れたときのイメージワークで、虹が刃物のように海面を走り、スパークする光景を見る。
空にかかる虹のアーチのような、柔らかさやあたたかさはなく、火と水で鍛え抜かれた日本刀の波紋のように、硬質で冷たく静かに燃える虹の炎が境界を切り開き、暗闇に光がともっていく。
 
(アフロディーテのクリエイティビティとは)
(アフロディーテのエクスタシーとは)
(アフロディーテの孤高とは)
 
バラの花になるイメージワークをしたとき、花びらの美しさよりも、「棘」を体感した。
身体いちめんの鋭い棘。
棘によって、「守られている」という安心感。
 
(誰からも攻撃されない。おびやかされない。辱められない。汚されない)
 
と同時に、「ふれてもらえない」と気づいたときの驚愕。
 
(寒い。さびしい。ひとり)
 
キャサリン博士が、「美しいことはギフトであると同時に呪いでもある」と言った言葉が、心に響いている。
「なぜなら、驚異的な美しさしか見ず、その人本人を見ることを忘れてしまうから」と。
 
アフロディーテのもう一人の愛人はヘルメスで、二人の間に生まれた子は、両性具有だと教えていただき、3つの惑星の関係性に驚くとともに、誰のどんな闇にも光をともすのが、水星の力なのだと感じる。
 
◆外見のこと
 
額。目のかたち。目の色。まつ毛。眉。鼻のかたち。顔のかたち。耳。あご。首。髪。骨格。手のかたち。足の甲。爪のかたち。……
 
「水星」「火星」「金星」のエネルギーが人のかたちとなったギリシアの神々の外見が、どのようなものであるかを、それぞれの回の最後に教えていただく。
 
キャサリン博士は、ワークショップの冒頭で、エネルギーのパターンが、かたちを呼び寄せることを話してくださった。
ギリシアの神はプロトタイプなので、混じりけがないが、人間は、さまざまな惑星のエネルギーがまじりあっていることも。
 
それは、受講生の顔や手を画面で見せていただいたり、用意された実在の人物の写真を見せていただいたりして、実感できた。
 
また、どの部分にどんなふうにかたちが現れているかによって、その人の行動や思考のパターンや、魅力が想像できることを、キャサリン博士は細やかに伝えてくれた。
 
それを聴き、自分の顔やからだを眺めてみて、さまざまな惑星のエネルギーが、パッチワークのようにちりばめられていることを知る。
指をみて、てのひらを返してみて、そこにも、さまざまな惑星のエネルギーが現れていることを知る。
 
気になっていた左右非対称のかたちも、上下のバランスの悪さも、それぞれの惑星の魅力を受け取っていると感じ、バランスをとりあっていると感じ、自分を構成するすべてのかたちが、宇宙からのギフトだと感じられる。
 
キャサリン博士は、ワークショップの中で、受講生にあらわれている惑星のエネルギーをみてくださり、「美しい」と表現された。
その、あたたかく、心からの賞賛の響きを耳にしたとき、すべてのかたちが「美しい」ことを体感する。
 
「唯一無二のかたちとしての自分のかけがえのなさ」
 
〈顔も、身体も、頭の先から手足の先まで、自分を構成するすべてのかたちが、星のエネルギーをまとっている〉
〈補いあって、調和して、奇跡のような組み合わせで、宇宙の応援を受けながら存在している〉
〈そのすべてが、自分を守り、支え、導くための「かたち」をしている〉
 
そのことがわかって、顔やからだのパーツすべてに、いとおしさと、敬意と、誇りと感謝が生れ、
 
「自分を好きになる」
「自分を大切に思う」
「自己肯定感」
 
とは、こういうことなのだ! と体感する。
 
自分以外のすべての、かたちあるものについても。
 
形態学ベーシックのワークショップを受けたときに、左右や上下の統合が起きる「ビューティフルミーティング」を感じたが、それを上回る、自分のからだへの信頼と期待と誇り。
 
(なんて、素晴らしいワークショップに導かれたのだろう)
 
【ギリシアの神々Ⅲ(水星・火星・金星)】を受ける前とあとでは、別の世界にいるような心地でいる。
 
反省と課題
 
イメージの中で体験したものをつかまえて、おろしてきて、言語化することが、ぜんぜんできないことを痛感している(目をあけたとたん、消えている!)。
 
抵抗があるのか、誘導の途中で寝てしまったり、言葉にとらわれて、イメージに入れなかったり、意識がとぎれて、ノートがとれていない部分もたくさんある。
読めない字も、単語しか書いていなくて、読み返してもつながらない箇所も多々。
 
あまりにも寝そうになるので、ビデオオフなのを幸い、腕をぐるぐるまわしたり、立ち上がって、屈伸したりしていたときもある。
 
母と妹に、ヘルメス的なエネルギーを感じることは前述したが、父にはマルスとヘファイストス的なものを感じていて、そのことからも、今回の惑星のグループを受講できたことは、大きな意味を持つ。
 
マルスとヘファイストス、アフロディーテのイメージワークは、私にとっての「傷」を教えてくれ、ヘルメスのイメージワークは、その転換とヒーリングを教えてくれた。
 
……というように、何を受けても、「個人的な癒しと浄化」を感じるのは、まだまだ準備ができていないことを感じる。
 
来年は、クリアな鏡となって、神々のイメージに飛び込んでいき、体験したことを発言して、ワークショップに積極的に参加する自分に、コミットする。
 
浜田えみな
 
 「形態学ベーシック」を受講したときのこと


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