見出し画像

64.インスタ アカウント登録と『物語の森』

名前は、その人の夢をかなえることだまを持っています。
名前を呼ぶたびに、その音が持っていることだまの力が、名前を呼ぶ人に還るのです。

********

インスタのアカウントを、ついに登録した。
以前は、アカウントを持っていなくても、ブラウザで読むことができたのに、最近はログインしなければ、画面が閉ざされてしまう。
魅力的なインスタを展開している仲間がいるので、何度か登録しようとしたのだが、そのたびに、各種設定がめんどうくさくなり、先延ばしにしていた。

その私にアカウントを登録させたのは、スピリチュアル・プロフェッショナル養成コース 第10期のくぼたゆうこさんの描いた点描画だった。
鱗粉をまきあげるような繊細な風に、心の輪郭を撫でられるような、軽やかな摩擦。
すいこまれそうになる。

そこで、意を決し、腹をくくって、新規登録にチャレンジしたのに、ユーザー名のところで、何度変えても、すでに誰かが使用しているらしく、登録できない。

あきらめて、ゆうこさんにメッセージを送り、一枚しか見れなかったことと、見ることができた点描画の感想を伝えたところ、「詩集の題名にするなど名前以外にしたほうが通りやすいのでは」というアドバイスをいただいた。

(詩集の名前!)

モチベーションが復活し、再び登録画面へ。
何度目かのチャレンジで、決定したユーザー名は、ライフワークである〈名前〉。
プロフィール画像は、『物語の森』に住む、私のトモダチにした。名前はティン。

ティンは、短歌に夢中になって、三十一文字以上の文章を書いていなかった私の代わりに、ブログを書いたこともある、賢い猫。

ティン

久しぶりに、ティンの書いた『物語の森』というブログに遊びに行ったところ、ちょうど五年前のいまごろのことが書かれていて、導かれた気がした。

ゆうこさんという名前は、私にとって、出していくための祈りのようなことだまだ。

『物語の森』の元になった童話を文中で書いていた、ゆう子さん。
『物語の森』の展示を一緒にやった、しらさわゆうこさん。

何度、ゆうこさんという名前を呼んだかわからない。
名前の音は、呼んでくれる人にプレゼントする、最強のアファメーションだと思う。

『物語の森』というのは、しらさわゆうこさんの絵と、私のことばで創った世界。

ティンのブログには、10日間の展示の最終日のイベントの前に、みなさんへご挨拶するために考えた原稿が掲載されていた。
備忘録として転載する。

*********************************

こんにちは。
本日は年末のお忙しい中、「きみのトモダチ」朗読会に来てくださってありがとうございます。

「物語の森」で絵を描いているシラサワユウコと、ことばを書いている浜田えみなです。

本日の朗読会は、ユウコさん手作りのライアーと一緒に二人で朗読をしたあと、みんなで気軽に描きたいものを描こうという会になっています。

まず、私、浜田えみなからご挨拶させていただき、絵のコーナーの前に、シラサワユウコからご挨拶させていただきます。

今日、朗読する話は、私が二十年ほど前に書いた「きみのトモダチ」という童話です。

私は、小さいころから本が大好きで、自分でも勝手にお話を作っていたのですが、お話の登場人物が、読んだひとそれぞれの心の中で、どんな顔をして、どんな声をして、どんな姿をしているのか。
それがずっと気になっていました。

そして、「きみのトモダチ」を読んだ人から、送られてきた「トモダチ」は、どの子も、描いてくださった人にぴったりの姿をして、

「やっと逢えた」

という歓びにあふれ、それが伝わってきて、胸がいっぱいになったのです。

なので、機会があれば、この子たちの展示をしたいと思っている時に、ユウコさんからお誘いがあり、こうして、「きみのトモダチ」コーナーが実現しました。

とびだしてきた

(撮影 きゃらめるさん)

このお話は、私の創作の原点です。

「きみのトモダチ」は、その人の心の中にいて、「ずっと手をつなぎたがっているもの」と出逢う物語です。

トモダチの姿をしているので、名前をつけることができます。

名前は、その人の夢をかなえることだまを持っています。

名前を呼ぶたびに、その音が持っていることだまの力が、名前を呼ぶ人に還るのです。

「ずっとそばにいて手をつなぎたがっているもの」と出逢うことは、
「いらないふりをしていたけど、ほんとうはずっと欲しかったもの」を素直に認め、受け取ることです。

物語の森が教えてくれた、本当に大きな贈り物です。
皆さんにも、そんな素敵な贈り物ができればいいなと思います。

では、朗読を始めます。

*********************************

『きみのトモダチ』

いま、これをよんでるきみ、なまえはなんていいますか。
としはいくつですか。きょうだいはいますか。男の子ですか。女の子ですか。
そんなことを、どこでかんがえていますか。
あたまの中ですか。むねのところですか。こころってしっていますか。
きみってだれでしょう。きみはなんでしょう。きみはにんげんですか。
いつからきみですか。ずっときみですか。
ぼくはきみに、ぼくがぼくになるまでのはなしをしようとおもいます。

ぼくは……、正確に言うとぼくたちは、ゆう子さんの心の中で生まれました。
ゆう子さんも知らない、心の部屋のとびらの奥の、ずっとずっと深い所です。
ぼくたちは、かたちもなく、名前もなく、おしくらまんじゅうをしながら、
外の世界に出るのを、ただじっと待っていたのです。

ゆう子さんは、団地の集会所で、学童保育の先生をしながら、物語を書いています。
ぼくたちは、物語ができるまでに、ゆう子さんの心の中に浮かぶ、いろんなものなのです。
想像できますか?


~後略~

*******************************************

ティンのことばも、転載します。


『きみのトモダチ』という創作童話の中で、えみなさんの心の奥のずっとずっと深いところにいたぼくは、外の世界へ飛び出しました。

とびだしてきた

(撮影 きゃらめるさん)

えみなさんが、「ティン」と名付け、ぼくを呼んだからです。
それは、まだ、えみなさんが奥さんにもお母さんにもなっていない、もう二十年くらい前のことでした。

そのときから、えみなさんは、それが自分だけに起こることなのか、だれにでも起こることなのかが、ずっと気になっていました。
だれの心の中にも、その人のことをずっと応援してくれるトモダチがいるのだろうか。そのトモダチも、飛び出してくるのだろうかと。姿はそれぞれ違うのだろうかと。

そうして、 『きみのトモダチ企画』 が始まりました。
きみのトモダチを読んで、お話の中から飛び出してくる子に出逢ってもらうのです。そして、その子の名前を教えてもらい、絵が描ける人には、その子を描いてもらいました。
たくさんの人が、この企画に参加してくれました。

その企画を始める勇気をくれたのが、湖と田んぼと山と空にかこまれた場所で、風に吹かれながら水彩絵具で絵を描いている、ユウコさんです。

『きみのトモダチ』のゆう子さんと同じ名前です。

そして、ユウコさんとえみなさんは、大阪府交野市にあるソーイングギャラリーという場所で、絵とコトバの展示をすることになったのです。 

そこは、いつでも風が吹いています。ただの風じゃありません。生まれたての風です。生まれたての風の気配が、ぐるぐるまわって、旋回しながら、遠く旅だっていく場所でした。
ユウコさんとえみなさんは、そこに「物語の森」を作ることにしました。
まだ、ひみつの森です。

ところが、なんということでしょう! 最近のえみなさんは「短歌」という三十一文字のコトバに夢中になって、長い文章をちっとも書かないのです。
そこで、ぼくが代わりに書いてみようと思いたちました。

本を読んだり、文章を書いたりするえみなさんと、ずっと一緒にいたので、ぼくだって書けると思うのです。そのへんの猫よりはうまく。

ユウコさんとえみなさんは、個展が決まってから、毎月いちど、「てんけんたい」を組んで、いろんなことを企てています。
「てんけんたい」というのは、『くまのプーさん』のお話に出てくる「探検隊」のことです。
ユウコさんとえみなさんの企画会議の総称なのです。

遊んでるだけじゃないのかな? と、ときどき思うのですが、いろんな素敵な人たちの個展に行って刺激を受けたり、おいしいランチを食べたり、スイーツに歓声をあげたり、きれいな景色にドキドキしたり、お料理教室に行ったりもしながら、兵庫、大阪、京都、滋賀、奈良と飛び回り、少しずつ、じぶんたちに必要なことを決めていきました。

てんけんのたびに、戦利品もしっかりゲットしています。

そんなレポートも、お届けします。

5月からはじまったてんけんたいは、これまでに6回企てられましたが、ぼくは、えみなさんとちがって、記憶力バッチリなので、大丈夫。

「物語の森」の招待状を手にした人が、この場所に遊びにきてくれるまでに、たくさん書いておきます。

ティン

画像5

物語の森

(物語の森 2015.12.9~12.20)

ティンのブログです。

しらさわゆうこさんのブログ 今、カレンダー絶賛発売中です!

インスタアカウント登録の背中を押してくれた、くぼたゆうこさんのことを書いたnote

『きみのトモダチ企画』にも参加してくださり(画像右後方の黒猫ちゃん)、3回も物語の森に遊びに来てくださった、きゃらめるさんのブログ。きゃらめるさんもカレンダー発売されています。なんと、9月にご案内!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?