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6.撫でるように大事に ~くしなだひめ~

〈撫でるように大事に ~くしなだひめ~〉

父親の名前は、足を撫でて育てたという意味のアシナヅチ。
母親の名前は、手を撫でて育てたという意味のテナヅチ。

撫でるように大事に育てられた、くしなだひめ。

それを聴いたとき、なんともいえない、深い慈しみと郷愁が、胸になだれこんできた。

ひめになるために必要な法則は、

〈おとめを体験すること〉

愛されていると、知ること。
その大きさを、知ること。
そそがれてきた愛を、受け取ること。

存在だけで、愛を与えることに、気がつくこと。

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『撫でるように大事に ~くしなだひめ~』

12ひめ神講座、4回目のひめ神様は、「くしなだひめ」と「すせりひめ」。

それぞれの神話のパートナーには、対照的な男の神様として、スサノオとオオクニヌシが登場する。

スサノオは、強く、決断力があり、自分の意思を持つ男性の象徴。
オオクニヌシは、優しく、優柔不断で、自分の意思があまりない男性の象徴。

そのような神様の表には出ていない隠れた力を引き出し、飛躍的に成長させた、くしなだひめと、すせりひめ。

日本神話は、現代を生きる私たちに、

〈スサノオタイプの男性には、くしなだひめ的なアプローチ〉が、
〈オオクニヌシ的な男性には、すせりひめ的なアプローチ〉が、

「男女が幸せになるための法則」であることを伝えていると、山下先生は読み解いてくださる。

男女のパートは、夫婦や恋人だけでなく、親子、同僚、友人など、その立場を入れ替えて、応用できることにも気がつく。
逆の対応をすれば、とんでもないことになることも。

スサノオタイプの相手に、すせりひめ的な対応をすると、たちまちぶつかりあって、スパークし、二つの軌道は、二度と重ならないかもしれない。

オオクニヌシタイプの相手に、くしなだひめ的な対応をすると、いつまでたっても、前にも後ろにも行けず、永遠に進展しないままかもしれない。

相手を成長させるカギは、女性の智慧と行動がにぎっていることを、日本神話は伝えてくれている。

だから、今、ひめを学ぶ。

***

講座の最後には、ひめ神さまのカードを引いて、次の講座までの一週間を共にすごすひめ神さまに出逢うことができる。

今回は、すせりひめと、くしなだひめの二枚から一枚を引く。
どちらが、今、自分に必要な行動なのだろうかと。

***

くしなだひめであった。

スサノオとくしなだひめが登場するのは、「やまたのおろち退治」の神話だ。

私が、山下弘司先生の日本神話を学びなおしたいと思い、ひめ神さまのメッセージに意識を向ける気持ちが高まったのは、先生の講座を聴いていると、感情があふれだしそうになるポイントや、キーワードがあると気づいたからだ。

くしなだひめの場合は、アシナヅチ、テナヅチという、両親の名前の由来だった。

父親の名前は、足を撫でて育てたという意味のアシナヅチ。
母親の名前は、手を撫でて育てたという意味のテナヅチ。

撫でるように大事に育てられた、くしなだひめ。

それを聴いたとき、なんともいえない、深い慈しみと郷愁が、胸になだれこんできた。

最初は、どういうことなのか、わからなかった。
私自身が、両親に、そのようにして、大切に、愛情たっぷりに育てられてきたという意識はないから、くしなだひめが、うらやましくて、そうではない自分がさびしくて、反応しているのかと思った。

でも、今は、ちがうと思い始めている。
人は、体験したことしか、記憶に残らないのではないかと、感じるからだ。

アシナヅチとテナヅチが、くしなだひめをどれほど愛していたかが、私の中にリアルに想起されるのであれば、私の中に、その体験があるのだと思った。

顕在意識が、どうであれ、表現のしかたがどうであれ、父は父なりに、母は母なりに、生まれた子どもに、撫でるような愛情をそそいだにちがいなく、そのことを、深い部分で、私も感じてきたのだろうと思う。

ひめになるために必要な法則。
それは、〈おとめを体験すること〉だと、山下先生は伝えてくださる。

愛されていると、知ること。
その大きさを、知ること。
そそがれてきた愛を、受け取ること。

存在だけで、愛を与えることに、気がつくこと。

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泣いて、やまたのおろちに食べられるのを待つだけだった、くしなだひめを、スサノオは、霊力を宿すと言われる櫛に変え、自分の髪に挿して、やまたのおろち退治に出発する。

〈いっしょに〉

自分のことしか考えず、やみくもに狼藉をはたらいてばかりだったスサノオの力が、人を助けるための力になる。

いとおしい、守りたい、すくいたいという想いが、恐ろしいやまたのおろちを成敗するほどの大きな力になったのは、相手の持つ才能や能力を引き出す、ひめの力。

スサノオの心のつかんだ、くしなだひめの可憐な弱さの奥底には、アシナヅチ、テナヅチが、撫でるように愛でて、そそぎ続けてきた愛の力が蓄積されていると思う。

はかりしれない、その強さの源。

〈愛は愛を呼ぶ〉

大きな愛は、大きな愛を引き出す。

くしなだひめのカードが、語り掛けてくるのは、

〈自分にとっての、アシナヅチ、テナヅチ〉を感じること。

すなわち、両親の愛を感じること。
愛を与える存在だと、気がつくこと。

それは、感じようと思うと、すぐに閉じてしまうような、気恥ずかしさや、逃げたい気持ちや、ブロックがあるけれど……。

ひめになるために必要な法則は、

〈おとめを体験すること〉

愛されていると、知ること。
その大きさを、知ること。
そそがれてきた愛を、受け取ること。

存在だけで、愛を与えることに、気がつくこと。

浜田えみな(初出FB 2020.7.1)

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