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12ヶ月未満児向け:ネントレはしたくないけど赤ちゃんに長く寝て欲しい方へ①

乳児の睡眠についてごく基本的なことをまとめたこのツイートが自分的にはプチバズ(11万インプレッションとかまず私のツイートではいかないのでw)したので、ツイートには書ききれなかった背景のメカニズムもあわせて、記事に残しておきます。

概日リズムと超日周期

おっなんかいきなり難しい単語出てきたぞ。
がいじつりずむ?ちょーじつしゅーき??
大丈夫、簡単です。

身体の時計、体内時計と言われるものって実はたくさんの種類が同時に存在して、お互いに影響しあっています。今回話題にするのは概日リズムとBRACのみですが、これはとは別に、腹時計や眠さ時計、光時計のようなものたちがあって、相互に影響しあってます。

概日リズム

赤ちゃんがうまく寝てくれなかった翌日や、お仕事の夜勤の日の翌日…やっと眠れる…と思って午前中布団に入ったのに目が冴えて眠れない…そういった経験があるかと思います。簡単に言えばこれが概日リズムです。夜暗くなったら眠くなり、朝明るくなったら目覚め、日中は活動に備えて身体をアクティブな状態に保つ1日を通した身体のシステム、プログラムのことを概日リズムといいます。

私たち大人はこの概日リズムが完成されています。赤ちゃんは胎児期から学び始め、だいたい2歳ごろでこのリズムを完成させると言われています。

じゃあそれまで赤ちゃんは寝たり起きたりをどういうリズムでやってるの?てんでばらばらなの?と思いませんか?
そう、赤ちゃんの概日リズムは未発達ですが、1日の長さよりもずーっと短い、別のリズムがあるんです。

超日周期/BRAC

レム睡眠とノンレム睡眠の状態を90分サイクルで繰り返すことを発見したナサニエル・クレイトマン博士という方がいます。睡眠研究の第一人者です。博士はこの1日に満たない超日周期の基本単位のことをBRAC(Basic Rest-Active Cycle)と名づけました。

BRACは、日本語にすると基本的休息活動周期です。注意したいのは、休息活動周期という名前ですが、この周期は赤ちゃんの場合は「起こしておく」ことにしか働かないこと
活動周期の序盤から中盤にかけて赤ちゃんの注意力は高まっていき、だんだんと疲れて注意散漫になり…周期の終わり頃には最も睡眠圧(眠たさ)が高まりますが、自然に眠るようには設計されていないのです。
まじかよ。勝手に寝てくれればいいのになぜ…

なので、赤ちゃんの睡眠圧が最大のときを逃すと、次のタイミングまで待たないと何をしても寝ません…

NAPSメソッド

NAPSメソッドとは、下の本の著者で母で睡眠学者でもあるポリー・ムーア博士が発見した乳児のBRACのことです。
NAPSの本の著者は、概日リズムが未発達のあいだ、赤ちゃんはこのBRACにそって生活しているという仮説をたてました。
まだエビデンスは出揃ってませんが、著者が睡眠学者で自身で実践検証したこと、また全米で公演をしてのフィードバックから、信頼度は高いです。
NAPSは

  • Note:赤ちゃんが最後に目覚めた時間を書き留める

  • Add:90分後の時間を書き加える

  • Play:赤ちゃんと一緒に遊ぶなど、いろいろな活動をする

  • Soothe to sleep:赤ちゃんを寝かしつける

からなっています。
簡単に言えば、起きた時間から90分の倍数で寝入らせましょう、ということです。
この「寝入らせる」というのがポイントです。
ともすれば起きた時間も正確ではない(起きてるけどじっとしていて声を出さないなど、親が気づくタイミングで起きているとは限りません)のと、寝入るまでに10~20分は一人でゆっくりさせてあげる時間もあるといいので、90分経つ前(起きてから75分たったくらい)で寝る体勢にしてあげましょう。
実践してみて、本当に魔法のようにその時間に寝るのでびっくりしました。すごいぞNAPSメソッド!
90分は月齢を追うごとに長くなっていきますが、病気のときや疲れすぎのときは90分に戻ることもあります。
月齢を追うごとに以下のように90分のサイクルが伸びていくと書かれています。

  • 0~3ヶ月:90分

  • 4~18ヶ月:3時間(90分 x 2)〜4時間半(90分 x 3)

著者はこの周期は90分が基本単位でメトロノームのように正確だと言っていますし娘にもピタリとハマりましたが、私の周りには稀に合わない赤ちゃんもいました。もし試してみて合わない時は、愛波さんの活動時間などを参考にしてみてください。

出典:『ママと赤ちゃんのぐっすり本 「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド』(講談社刊)より

娘は午前中眠たいようで12ヶ月ごろまで3時間の覚醒時間でしたが、午後にはめっぽう強く6時間起きていることもありました。午前と午後で活動時間にムラがあるというのも、よくある話のようです。

EASYのリズムを大切に

特に低月齢のうちは、前回の授乳から一定の時間があいていたら、赤ちゃんが起きたら泣くのを待たずに授乳しちゃいましょう。新生児の時は特に、起きてから90分間なんて一瞬で過ぎ去ってしまいます。
ちょうど赤ちゃんが眠たいタイミングに空腹だったなんてなったら目も当てられません。寝たいのにお腹空いてて眠れないなんて…避けたいですよね。
それを簡単に実行できるのが、EASYのリズムです。

  1. E [Eat]食べる

  2. A [Activity]遊ぶ

  3. S [Sleep]寝る

  4. Y [Your time]あなたの時間

いやそのまんまやん。笑
赤ちゃんが起きたらまず授乳、それからオムツ替えや保湿などのお世話…新生児ならこれだけでもう1時間くらい余裕で使っちゃいます。一通りおせわをしても、まだ余裕があれば絵本を読んだり、何かで遊んだり。そこからNAPSの眠くなる時間の15分前くらいには寝かしつけをはじめて、寝かせましょう。赤ちゃんが寝たらYour timeつまりあなたの時間です。

ここ強調したいのですが、赤ちゃんが寝てる時は絶対にあなたの好きなことをしてほしいです。やりたくない家事なんてすべきじゃありません。あなたの好きなことをするか、眠れなくても横になってください。お願いします。

このリズムの考案者であるトレイシー先生の本も私の子育てバイブルのひとつです。どう寝かしつける?など、育児に困ったら絶対なにか書いてあります。辞書的に使えてよき!


つづく!

いったんここで区切ります。
次回は、赤ちゃんが概日リズムを学ぶのに必要不可欠なことについて書きます。


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