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イヤイヤ期:傾向と対策#1 対策する意味ある?

育児本読むといつも気になるのが、結構な確率でQAとか場面場面の対応しか書いてなくない?ということ。
私はそもそも子供がどういうロジックやシステムや動機付けで動いているのかと、それに対応する際の原理原則を知りたいんじゃあ!!!!!
という思いのもとこの記事を書きました。いやでもそういうタイプの育児本にも死ぬほどお世話になったので何も言えねぇ。
ところでみんなはこういうイヤイヤ期対策の育児本どう思う?

イヤイヤ期の対応を考える意味

イヤイヤ期、どうせくるなら対応も何もしなくてよくない?という意見もあると思う。
そもそも対応を変えたからといって、イヤイヤ期が緩和されるかは個体差もあるだろうし。ウチの子が小手先の技術でなんとかなると思うなよ!ってご家庭もあると思う。笑

でも緩和しようがしなかろうが、親に指針があるほうがいいと個人的に思う理由がある。

  1. 対応方針を決めておくと、子供は安定したインプットとアウトプットにより(今すぐは無理でも将来的に)情緒が安定する。

  2. 保護者もその都度、毎回対応を考えなくてよい(方針が決まっている)ので認知キャパをとられずイライラしにくくてよい。

  3. 子供を1人の人間として尊重する以上は、無限に欲求に応えられない。線引きをする以上、その線引きが時と場合によって違うと保護者にも子供にもストレスがかかる。(大人にも子供にもリミットがあれば、子供はここまでなんだと規律がわかるし、大人はここまで頑張ればいいというラインがあり、終わりのない戦いから解放される)

特に最後の、終わりのない戦いから解放されるの、重要かなと。ラインを決めたからといって子供が鮮魚のごとくビチビチとはね、奇声をあげ、泣きわめくのは変わらないかもしれない。でも、大人が「決めたライン」まで自分は頑張った、ここからは淡々と作業としてこなす、という思いでいるのと、「こんなにしても終わらない、これ以上どうすれば。。。」という思いでいるのとは天と地ほど違うと思うんだ。。。
というわけで、この記事は、イヤイヤ期の子供をコントロールしようという趣旨ではなく、彼らと保護者の生活におけるストレスをなるべく減らすこと、今も将来もお互いの情緒を安定させることにフォーカスしてます。

マシュマロ実験

あと実はもう一つ個人的な仮説がある。
それは、このイヤイヤ期で「自制心」を安心した環境で学べれば、その後の長い人生のベースになって、何かとお互いにラクできるんじゃないかなというもの。発想が邪。笑
いや大人も長期的なモチベーション大切じゃん?いつかはこの努力が報われるんだって信じないとやってけなくない?聖母マリアでもなんでもない私には人参が必要です。

話を戻す。
マシュマロ実験、有名な実験なのでご存知の方も多いかと思いますが、要するに子供の我慢できる力を図る実験です。実験は7〜9歳の子たちでおこなっているので、イヤイヤ期のことは触れられていないw

職員の子どもたちが通う、学内の付属幼稚園の4歳の子ども186人が実験に参加した。被験者である子どもは、気が散るようなものが何もない机と椅子だけの部屋に通され、椅子に座るよう言われる。机の上には皿があり、マシュマロが一個載っている。実験者は「私はちょっと用がある。それはキミにあげるけど、私が戻ってくるまで15分の間食べるのを我慢してたら、マシュマロをもうひとつあげる。私がいない間にそれを食べたら、ふたつ目はなしだよ」と言って部屋を出ていく。

子どもたちの行動は、隠しカメラで記録された。1人だけ部屋に残された子どもたちは、自分のお下げを引っ張ったり、机を蹴ったりして目の前の誘惑に抵抗した。小さな縫いぐるみのようにマシュマロをなでたり、匂いをかぐ者もいた。目をふさいだり、椅子を後ろ向きにしてマシュマロを見ないようにする者もいた。映像を分析した結果、マシュマロを見つめたり、触ったりする子どもは結局食べてしまう率が高いこと、我慢できた子どもは目をそらしたり、後ろを向いたりして、むしろマシュマロから注意を逸らそうとする傾向があることが観察された。すぐ手を出してマシュマロを食べた子供は少なかったが、最後まで我慢し通して2個目のマシュマロを手に入れた子どもは、1/3ほどであった[2]。

ウォルター・ミシェルの娘も実験に参加した一人だったが、娘の成長につれ、ミシェルは実験結果と、児童の成長後の社会的な成功度の間に、当初予期していなかった興味深い相関性があることに気がついた。そして1988年に追跡調査が実施された。その結果は、就学前における自制心の有無は十数年を経た後も持続していること、またマシュマロを食べなかった子どもと食べた子どもをグループにした場合、マシュマロを食べなかったグループが周囲からより優秀と評価されていること、さらに両グループ間では、大学進学適性試験(SAT)の点数には、トータル・スコアで平均210ポイントの相違が認められるというものであった。ウォルター・ミシェルはこの実験から、幼児期においてはIQより、自制心の強さのほうが将来のSATの点数にはるかに大きく影響すると結論した。2011年にはさらに追跡調査が行われ、この傾向が生涯のずっと後まで継続していることが明らかにされた。

また被験者の大脳を撮影した結果、両グループには、集中力に関係するとされる腹側線条体と前頭前皮質の活発度において、重要な差異が認められた[3]。同実験は、スタンフォード大学で「人間行動に関する、最も成功した実験のうちの1つ」とされた[4]。

wikipedia

どこで読んだか忘れてしまって今ソースを探しているんですけど、この実験に触発されて別の研究グループがマシュマロを食べなくても済むような気のそらし方(目を手で隠す、歌を歌うなど)を教えた結果、劇的に我慢できる子が増えて、この時我慢できた体験もその後の非認知能力に影響したという話も読んだんですよ。

イヤイヤ期とこういった我慢できる力の相関や研究はみてないけど、この時期に我慢を体得することは非常に重要だと個人的には考えています。そしてそれは精神論ではなく、気の逸らし方など大人が助けてあげられることもたくさんあるんじゃないかなと。

こういった助けをするにあたり、一番基礎になるのは、やっぱり保護者の情緒の安定。でも、情緒不安定な大人の代表こと私にとって、これはかなりハードルが高い。。。。
なので、方針を決めて、「ここまでは頑張る!後は能面になって必要事項をこなす!」というメンタリティで子供と接することにしました。
賛否両論あると思うけど、こうしない限り私は2歳児相手にブチギレる自信がある。。。。
前置きが長くなったけど、ここから先が本題です。

そもそも"イヤイヤ"とはなんなのか?

イヤイヤ期っていうけど、なんでこういう時期が訪れるんだろうか?
これについては本当に複雑な脳構造の発達の話なので、もちろん私は専門家でもないし未解明の部分もたくさんある。
自我が芽生え始め、自分の欲求がどこまで通じるのか試しているとか、自分はママとは違う人間だから好きなことしていいんだ!と気づくとか、色々な説明を聞いた。
でも、個人的には以下の知識を身につけてだいぶ気持ちが楽になったのでシェア。

子供だって良い子でありたい!

  1. 子供は前頭前野が未発達なので"我慢"が脳構造上できない

  2. 未発達な前頭前野を発達させるには訓練する(そもそも我慢を学ぶ、気の逸らし方を体得する、成長する)しかない

  3. 子供が泣き叫んでるのは我慢したい気持ちと我慢できない自分へのフラストレーションの発散で必要不可欠なこと

まあ説明としてはだいぶ省いてて無理がある感じはするけど、、、こんな感じ。この知識があるだけで、子供が泣いてるのは頑張っている証拠って思えて、気が楽になった。
要するにイヤイヤ期とは、前頭前野の発達段階にあたる時期なんだなとざっくり理解。

生活習慣が整っていることの心強さ

じゃあ前頭前野の発達に最も必要なことってなんだろうか?と考えた時に、これはもう脳の成長、つまり身体の成長だから栄養と睡眠だよな!と。
#2で対策や方針について述べる前に、まずここから改善したい!というところ。
たぶんこれが一番効果的な対策。。。
人間、大人になっても空腹、睡眠不足、体調不良に陥るとイライラしてしまうもの。

以下の本でも睡眠の重要性がとかれている。
この本、大人が当たり前に勘違いしているチェックリストや生理学的な理解が深まるので超おすすめ。

ちなみにチェックリストは↓

睡眠に関する認識チェックシート

なんと点数が高いほど認識に誤りが多いぞ!

また、人間が気分良く過ごすには、セロトニンが必要不可欠。そしてセロトニンを一番簡単に増やす方法は大人も子供も一緒!

  1. 起床時刻を5~7時のあいだで、一定時刻にする(毎日30分誤差以内)

  2. 起きてから10分以内に窓の側1m以内(屋外推奨)に10分以上いる

  3. よく噛んで朝ごはんを食べる(反復運動:咀嚼、ウォーキング、などなんでもOK)

  4. 夕方帰ってきたらグルーミング活動(子供と全力で遊ぶ、スキンシップするなど)をする

以上は、以下の本に詳細書かれているので仕組みが知りたい方はぜひ〜
あとこの四つは大人のストレス低減にもつながるよ!やらない手はない!

また、栄養面についてもなるべくバランスのよい食事を心がけたいところ。(無理はしないでくださいね、発達上この時期に偏食があるのは普通のことです、できる範囲で対策しましょう)
特に鉄分は、運動にも睡眠にも大切な栄養素で不足しがちです。こちらの記事ご参照ください。


まとめ

ということで#1では

  1. 対策は大人と子供のストレス減のために必要

  2. イヤイヤ期とは前頭前野の発達の表れのひとつ

  3. 大人の言動対策の前に、まずは睡眠と栄養を!

をご紹介しました。

#2ではイヤイヤ期の原理と実際の対策を記事にしますが、対策早く読みたい!という方はまずはこちらのばたこさんのnoteをご参照ください。

もう何度お世話になったことか…娘もこの対応でものすーごくイヤイヤ期緩和されました!
いつも神noteありがとうございます。
私の対応は#2乞うご期待!笑

追記:書いた!

https://note.com/emilie0320/n/n58e12a22ab59


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