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誰からも求められない人間になるのが怖い


小学生の時
私には苦手な遊びがあった。


それは
花いちもんめ。


人数が半分になるように
二組に分かれて横一列になり


一方のグループが
勝って嬉しい花いちもんめ〜
と歌う


もう一方は
負けて悔しい花いちもんめ〜
と歌い


A あの子が欲しい!

B あの子じゃ分からん!

A 相談しましょ!

B そうしましょ!

ベー (あっかんべえ)


そう歌った後
グループで相談し
相手のグループから一人
誰を自分のグループに入れるか決める。


A き〜まった!〇〇ちゃんが欲しい!

B 〇〇ちゃんが欲しい!


そう歌った後に
指名された人は前に出て
ジャンケンして負けた方が
勝った方に吸収されるシステムだ。


どちらかのグループのメンバー
がいなくなったら終了。


すごく面白い遊びなのだが
私は最後まで残ってしまうのが怖く


誰も私を指名してくれなかったら
どうしよう…
と内心ビクビクしていた。



私のことを「欲しい!」と言って
必要としてくれる人なんていない…

と自分に自信がなかったのだ。


ここにいる友達はみんな
私のことなんか欲しくないだろう…


そんな私だから、花いちもんめで
えみちゃんが欲しい!と言われたら
とても嬉しくてほっと胸を撫で下ろした。


あぁ、私の名前が呼ばれた… !


最後まで呼ばれなかったら
私は誰からも必要とされてない
いらない子だと言われてる
ような気持ちになったから。


だから私は花いちもんめが
怖くてたまらなかった。


あの頃から
人から必要とされることで
私はずっと居場所を得ていた。


私は存在してもいいんだ
と自分を支えられた。


求められれば、求められるほど
強く!強く!必要とされるほど
自己重要感が高まる気がしたのだ。


私は求めてくれる人のおかげで
自分を支えていたので



ずっと求められ続けるために
相手のニーズを満たすことが
当たり前になっていた。


どうすれば
相手は喜んでくれるだろうか?


そうすることで
私をもっと求めるだろう…


相手は何を言って欲しいかな?
相手はどんな私を求めてるかな?


相手のニーズに敏感になり
自分のニーズに鈍感になった。


絶対に私を見捨てない人はいないか?
捨てられないように頑張らなきゃ…


誰からも選ばれなかったらどうしよう
という子供の時の恐れはそのままで


大人になったら形を変えて
花いちもんめは続いている。


一人だけ残るのは嫌だ…


他人のニーズを満たすことで
自分は必要とされてきたけど


どんなに必要とされても
自分の心が満たされることは
ついぞなかった。


いつも不安で孤独で寂しくて
このままの私じゃダメな気がして
怖くて怖くて震えていた。


そんな感覚がずっとあった。


愛されるために愛すのは悲劇…
藤井風くんの「満ちてゆく」
という歌詞にこんなフレーズがある。


必要とされるために
相手のニーズを満たすのをやめ


自分のニーズを満たし
自分で自分を支えられたなら
私の心は「満ちてゆく」のだろう。


自分のニーズを満たし続けても
私のそばに残る人こそ
私が私でいられる人。


最後に残るのは私だけかも…
そんな恐れに震えるけど


自分を満たし続けたら
勝った負けたの花いちもんめ
は怖い存在じゃなくなるだろう。


最後までお読みいただき、ありがとうございます♡