ご機嫌麗しゅう

ここ数日息子のご機嫌が麗しい。おそらく多分、部活で調子が良いのだろう。ヒットが打てたり守備も良かったりするだけでなく、指導者からの評価も悪くないのだと思う。

本当にわかりやすい人だと思う。上手くいっていないと、

「オレだめかもしんない」
「野球おもんない」
「理不尽や」
というネガティブ語録を並べ出し、
オレはどうしたらいいのだと人生相談劇場になる。

それが最近は、
「魂こめて練習してる」
「オレはオレや」
「まわりなんか関係ない」
というたくまし〜い言葉を口にしている。だからきっといい感じなんだろう。

もちろん、人生相談されるよりは、私もすごく嬉しいし安心できる。こんな毎日が理想だ。

ただの部活の調子の良し悪しが、どうして哲学的になるんだろうと思わないでもない。

これも野球の世界あるあるなのか、高校野球あるあるなのか?

高校に入学してすぐに、部活の先生からは野球が上手いだけでは試合には出さない。コミュニケーション力やアピール力が大切で、試合に出るには野球の実力だけでなく人間力が必要なのだという話があったそうだ。

その時しばらく息子は「オレはきっと試合には出られない」と落ち込んでいた。コミュニケーションが苦手な息子は自分に人間力が足りないことはよくわかっていたのだ。私は心の中で「いやいや、まずは野球の実力つけなアカンやん」とつぶやいたけど。

とにかく最近の息子がやけに前向きなのは、野球の調子も良く人間関係も良好なんだろう。

人の顔色ぱかり見る人間にはなってほしくないのだけれど、そうも言っていられない立場の選手たち。やはりいかに「こいつを使おう」と思ってもらえるかどうかは死活問題なのだろう。

うちの息子はおそらくプライドが超高い。だから指導者や選手から自分がどう評価されているか、どう扱われているかに敏感だ。指導者から思うように評価されなかったり友だちから賞賛されないと、淋しくなり面白くなくなって不満を口にする。

誰だって自分にとっての正しさを持っている。それが相手と誤差があれば不本意だ。息子にとっては指導者の正しさと自分の正しさ。指導者から高く評価される選手と息子が考える良い選手。自分への評価や起用のされ方という望んでいない現実を突きつけられた時、息子の苦悩が始まる。もちろん親の私は息子の肩を持ちたくなる。なんてこった!と叫びそうになることだってある。だけどそこはグッとこらえるし、息子にとっては、立場の違いや人それぞれの考え方があることを知り、そしてなにより大切な「自分はどうしたい?」を確立させていく学びの時間なのかもと思っている。

とはいうものの・・・頼むから大切な息子をそれなりに大切に扱ってほしい!と願うばかりである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?