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<おとなの読書感想文>うさぎとハリネズミ きょうもいいひ

なんかついてないなあと思う日、みなさんはどうしていますか。
わたしは可能であれば、仕事を中断して早々に寝てしまいます。


たしか「百日紅」の中で、北斎が娘のお栄に向かって「寝ちまえ寝ちまえ、寝て起きれば次の日だ」とか言ってみんなして本当に寝てしまうシーンがあるのですが、まさにそんな感じ。
強制的に日付を超えて身も心もリセットしてしまうのって痛快です。

さて、2021年最後の日に手に取った1冊がこちら。

「うさぎとハリネズミ きょうもいいひ」
(はらまさかず 文 石川えりこ 絵 ひだまり舍、2021年)


うさぎとハリネズミは、すりばち森の、とんとん川をはさんで建つ家にそれぞれ暮らしています。

ある朝目が覚めたときに、自分の抜けた針が×の形に落ちているのを見て、今日はよくないことが起こるに違いないと思ったハリネズミ。
こういう予感ってわりと当たるものですね。

案の定よくない1日を過ごしたハリネズミは、夜にベッドの中からうさぎに電話をかけます。
のんびりやのうさぎは途中幾度も「寝落ち」しながら(そして最終的には本当に寝てしまう)、ハリネズミが明日いい1日を迎えられるよう、知恵を授けてくれます。


またある日は家にとじこもろうとするハリネズミを誘って、よくない1日にも何かを咲かせる力があること、見方によってはいい1日に変化することを教えてくれるのです。
うさぎは、本当にいい友達です。


2021年を振り返ってみると、色々なことがありました。
よいことよくないことすべてひっくるめて、今日「寝ちまえ」ば明日はもう新しい年。
通常と何が違うかと言われればそれまでですが、節目は力を蓄えるチャンスです。


そして都度乗り越えていく際に、力になってくれた人の存在も本当にありがたいことだったとしみじみ思います。
一年分の感謝と来年もよろしく、の気持ちを込めて。
ありがとう!そしてよいお年をお迎えください!

画材費、展示運営費、また様々な企画に役立てられたらと思っています。ご協力いただける方、ぜひサポートをお願いいたします。