広島から臨む未来、広島から顧みる歴史(30)
版籍奉還と吉田藩さて、このシリーズの初めのあたりで、『棚守房顕覚書』の中身を紹介し、その中で毛利氏と吉田との関わりについて見てきたが、その話の延長線上に、毛利氏の長州藩が主体となった明治維新というものを位置付けられるのではないだろうか。そこで、主語がなんとも言えないので少しわかりにくいが、吉田をどのように用いて明治維新というものを進めてきたのかを考えて見たい。
広島藩の動き
まず、吉田というのが、幕末に広島藩支藩の吉田藩の入封によって名前が浮かび上がるということはすでに述