広島から臨む未来、広島から顧みる歴史(10)
厳島神社から見る毛利元就1ここで、厳島合戦についての基礎資料となる、厳島神社の棚守であった房顕の記した覚書を見てみたい。
『棚守房顕覚書』
まず、旧宮島町発行の『棚守房顕覚書付解説』からその基本的情報を見ておきたい。棚守は厳島神社の奉行を行う職名だとのこと。本姓は厳島宮司家である佐伯で鞍職から二十五代目、景弘からは十五代目に当たるというが、正確には不明だという。陶氏、毛利氏、大内氏の御師職を兼ねていたということだが、社の奉行を行う棚守と代理で祈りを行う御師を兼ねるというの