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写真評論家の写真を発掘したい -岐阜にゆかりのある写真家 渡辺勉

1年前くらいに神保町の小宮山書店に写真に関する書籍がそろっていると友人から教えてもらい、向かった。

店の自動ドアの外に値下げされた本が山積みになっているのだが、その中に黄色の本がキラキラと輝いていたので手にすると、森山大道や奈良原一高にインタビューした内容がギッチリ詰まった面白そうな評論本だった。

その本は、渡辺勉『現代の写真と写真家 インタビュー評論』だ。

これは宝物なので、会社を首になって路頭に迷いそうになっても手放さないだろう。

私は渡辺勉の文章が好きで、noteに以前まとめたことがある。

彼は作品論と作家論の中間のような評論で、とにかく、作家との仲の良さが手に取るように分かるのでとても気持ちよい。流行しているから好き、読者受けするから書く、というスタンスではない。本当に彼の文章からは写真と写真を撮る人が心から好きなんだという愛が溢れている。

彼の文体は基本的に研究書のような堅苦しいものでもないし、美辞麗句を並べ立てるコラムでもない。もっと作家の人間性に迫ったような、好き嫌い、性格、癖や、服装、持ち物、キャリアの組み立て方など作品以外の面もまとめているから面白い。ここまで、作家と距離の近い評論家も珍しのではないだろうか。評論ってついつい話したことのない作家のことも書いてしまうけれど、全て、評論している相手が「知り合い」なのだ。(どれだけ人間関係構築能力に優れていたんだろう。すごい!)

ここまで書いて、渡辺の写真のことについては何も触れていない。

それは、渡辺の写真があまり世に出ていないから。

でも、確かに、彼が写真家だったことも記録として残っている。

彼がどんな写真を残していたのか、探し出してキュレーションするのも面白そうだな、そんなことを考えて岐阜にゆかりのある写真家としてピックアップした。










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