見出し画像

#翻訳メモ 7.美術翻訳トライアルの振り返り(書類提出から合格までの1ヶ月)

8/19 エントリー

某会社の翻訳者募集のエントリー・フォームに基本情報を入力し、履歴書をアップロードした。ちなみに、履歴書は自分で勝手にフォーマットを作っている。↓こちらに共有しているので、気になる方はどうぞ。


8/23 某会社から返信がくる

書類審査を通過し、会社からトライアルの課題が届く。指示書を含めて、A4で4枚程度。締め切りは2週間後。この日のうちに下訳する。下訳の時点では、意味は取れているものの、この翻訳はまだ商品としての価値はないのでここからクオリティをあげないとあかん。

8/24〜8/28 資料を探して図書館巡り

・引用文の原書を探す
引用部分の原書を探す必要があった。区立図書館では手に入らないので、少し大きめの図書館や資料館に行った。図書館の利用には事前予約がいるので、普段より時間がかかるのが難点。

・名詞の表記を調べる
とくに施設名や人物名には気をつかった。次に同じ分野の依頼がくる可能性があるので、自分で用語表を作っておくとよい(と言いながら自分はできてません)。

・それぞれの分野にあった日本語の文体を探す
試験内容をばらしてしまうことになるので詳しくは言えないけど、美術の中にも様々なジャンルがあるので、そのジャンルの書き手がどんな風に書いているか、例文を収集する作業を行うと語彙の選び方の参考になる。特定のオブジェについて描写している文章を翻訳する際、専門の学芸員が過去に書いた文章はよい資料である。

・言い回しが正しいかどうか
Googleで " "を使って完全一致検索を行う。これは、自分の書いた言い回しが過去の類似の文章の中で使われているか確認するため。言語学の先生もこの検索方法で言葉がどのように使われているか研究するとおっしゃっていたので、私も使っている。

8/29〜9/1 何度も見直し

・訳抜けがないか
・記号は適切か「」『』《》〈〉など
・送り仮名は正しいか
・想定読者に即した文体か
・修飾語の位置は適切か
・訳文に受け身を多用していないか
・変換ミスはないか
・同じ助詞が3回以上続いていないか
・英数字は半角か
など

9/2 担当者に送るメールを作成 

ここで気を抜いてメールの文面で誤字脱字をしてしまうと、せっかく何度も見直して書き上げた課題が水の泡になってしまう。音読を何度かして確認できたら送信。その日のうちに会社から受領メールが届いた。ドキドキ。一般的には、結果が出るまでにはだいたい2週間〜1ヶ月かかるらしい。会社によっては数ヶ月かかるところも。

9/16 結果のお知らせが届く

無事に課題提出から2週間後、合格のメールが届く。オンラインで今後のやりとりの打ち合わせがあるので、日程調整をした。9月末に面談予定。

感想

合格通知が届いたときに、私はコインランドリーにいました。先方からの「申し訳ありませんでした」という文字が最初に目に飛び込んだので「落ちた...」と思ったら、「返事が遅くなり申し訳ございませんでした」という文章だと気づいて一呼吸。最後まで目を通すと、落ちてはいませんでした。美術分野の翻訳はとてもニッチなので、特許分野や文芸分野のように翻訳学校に専用のコースがないです。でも、諦めずに美術検定の勉強をしたり、美術翻訳のワークショップに参加してよかったと思いました。しかし、これがゴールというより、ここからが本番なので気は抜けません...。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?