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家族の温かさを真正面から -三重にまつわる写真家 浅田政志

今年の秋に封切りされた映画『浅田家』は二宮和也さん主演で大ヒットし、日本アカデミー賞の7部門で賞を獲得。

写真洗浄のボランティアで主人公が出会う東北の大学院生・小野役に菅田将暉が登場したらしく、それはちょっと観たかったな...と見逃してしまい反省している。

その映画の原案はなんと映画のタイトルと同名の写真集だ。浅田家のみんなが消防士やバンドマンなどなりたいものに扮して写真を撮っていく。

写真家の浅田政志さんは、第34回木村伊兵衛賞の受賞者。

写真集が映画化される話をなかなか聞かないので、その点についてはとっても嬉しい。

一方で、『浅田家』をみた!という情報はあまり私のtwitter上では流れなかった。おそらく、私のフォローしている属性が、一人暮らしの独身が多いからかもしれない。たぶん、私も心のどこかで、「ゴテゴテの家族ものかぁ...」と感じて観にいく機会を逸していたのも正直なところだ。

私の「家族」の定義は、あまり血縁に関係しない。というか、あまり、血縁の家族を描いたコンテンツに興味がない。もう少し、ゆるやかな、趣味や興味を共有するけれど、時間を束縛し合わない関係性を構築している繋がりが好き。こういうこと言っていると、はいはい、モラトリアムかよ!と言われそうだけれど、実際、子どもを産むための結婚だとか、老後の心配をしての結婚について嫌悪感を持つ。もちろん、好きな人なら結婚したいし、子どもも1人くらいはいてもいいかもしれない。でも、子どもが欲しいから結婚はしたくない。

結婚しなくても家はあるし、ご飯は食べれるし、趣味だって充実している。それを、ぶち壊されたくない!!!と心から思っているので、私は結婚に向いていないのかもしれない。でも、友人と料理して一緒にご飯を食べたり、出かけたりするのは好きなので、単に「ザ血縁家族」「家父長制家族」の構成員として役割を求められるのが苦手なだけかもしれない。友人みたいなまま結婚をしたいというのが心のどこかの願いなのだろう。

脱線したけれど、

私はたぶん血縁家族のコンテンツに興味がない人間だから『浅田家』の映画に心がときめかなかったのかもしれない。(こういうことをはっきり書いてしまうと写真家の方に申し訳ないです。でも、大好きな人がいることも理解できます。私がただ独身だからひっかからなかっただけです。)

繰り返しになるけれど、もちろん、この映画をみていわゆる「家族の温かさ」に涙をした人がいるのも間違いない。

話は変わるが、今年に入って、長年続いてきた写真賞、木村伊兵衛賞が中止と騒がれていたけど、「中止」ではなく「延期」になったのだそうだ。この中止騒ぎについて、映画『浅田家』の出演者やスタッフがどれくらい気にしていたのだろうか、とふと頭をよぎってしまった。万が一、また今後中止になるといった話題になったら、『浅田家』の出演者やスタッフは必死に存続を訴えてくれるんだろうか...!?!!


最後に、浅田さんの写真展が福岡で開催中なのでメモ。

この夏に閉館予定の福岡・三菱地所アルティアムというギャラリーで現在浅田政志さんの〈私の家族〉展が開催されている。(三菱地所アルティアムは、福岡に行った時には必ず立ち寄っていた場所なので、閉館と聞いて心の内側が悲嘆のふた文字で溢れかえっている...) ぜひ、興味のある人は足を運んでね!


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