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#翻訳メモ 13.資料の整理をどうにかせねば...

たぶん、語学の専門学校や大学を卒業した人は誰でもやろうと思えば翻訳者になれるんじゃないかと思う。それくらい、今は翻訳ソフトや、辞書、校正ツールがあふれている。

学芸大のもう退職されたある先生が、「明治の頃は先生が辞書を持っていて、その知識欲しさに学生は学校に通った」とお話しされていた。しかし、今は辞書はお金を払えば購入できるし、パソコンだって、バイトをがんばれば高校生でも買える。たしかに、映像翻訳の業界の30万円くらいする異常に高いソフトもあるが、それを除けば、基本ツールは揃えられる。

じゃあ、翻訳者がいなくならない理由はなにか。どこで一般の人と差がつくのか、といえば、やはりスピードと正確性だろう。自分の「分野」の本を揃えていれば、わざわざ、図書館に行って一から書籍を探さなくてもよいし、その分野独特の語彙や文体を一から研究しなくてもよい。(陶磁器の分野の語彙なんかは、めちゃくちゃ癖があり、表記も最近統一され始めたため、訳すのが大変である。壺は人間のように形容されている文章が多く、読んでいるこちらもゾクゾクするほど面白けれども...。)

美術分野の翻訳に少し足をつっこんだ身としては、「資料を整理する壁」にぶつかっている。

今、使っているのは...よくあるものなのだが、

・無印の5枚組のノート(訳したい分野の原文と日本語訳をノートに貼って、研究するときに使う。いま、写真分野のものが10冊くらいはあるよ...。甲斐先生の翻訳をこの夏はかなり読み込んだ。)
・Googleスプレッドシート(すぐに検索できるように用語集を構築している。人物名っていちばん面倒くさいね。)
・クリアファイル(東京国立博物館や東京国立近代美術館で調べた資料をファイリングしている)
・いろんな組織が出してる翻訳ガイドラインもプリントアウトして、ホッチキスでとめて手元に置いている。

いまは、こんな感じにしているが、絶対いつかあふれるじゃん。何かいい方法はないものか...。プリントアウトしておいた方が見やすいものもあれば、スプレッドシートにまとめておいた方がいいものもある。

しかし、パソコン上だと、誤操作などで、スペリングがいつのまにか変わっていたり、データがまるごと消えたりするおそれがあるので、ある程度紙にも活躍してもらわないとダメだよね...と思案しているところだ。

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