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2023年 通訳案内士の受験記録〜!(合格体験記)

1.最初の一歩

記録によると、2022年6月26日の夕方、突然、通訳案内士の試験を受ける気持ちに。7月11日に試験の申し込み。(一次試験の8月21日(日)まで1ヶ月ちょっと!)

そこから、本屋さん(東京駅の丸善)や図書館に通い情報収集を開始。はじめに、合格した人の体験記を読んだ。自分がどの人に近くて、どんな勉強法があっているのか考えるヒントを得るため参考に。ロシアの軍事研究家のイズムィコ先生の奥さんのロシア語通訳案内士の合格体験記も載っていて驚いた。

2.合格ラインの確認と戦略決め

本格的に勉強する前に、合格ラインまでどれくらい力が足りなくて、どの教材を揃えればいいのか調べた。

一次試験

①語学(英検1級を持ってたから免除)
②国内地理 合格ライン:70/100点
→最初は平均して3〜5割しか取れなかった、47都道府県の観光名所や特産物、偉人、温泉などを覚えなくちゃ
③日本史 合格ライン:70/100点
→5〜6割取れるけど、奇問が出たら終わり、マイナーな武将の名前とかが出てくる(日本史検定2級以上を持っておけば免除。持ってない)
④通訳案内の実務 合格ライン:30/50点
観光庁研修テキスト 通訳案内士法や旅行業法など主要な法律を覚えなきゃ、どの宗教がどんな習慣か、NGの食べ物も知っておく
⑤一般教養 合格ライン:30/50点 →観光白書 前年と最新のデータや用語を覚える必要あり、何年にどの国から何万人が日本に旅行しているか、何にお金を使っているかなど細かく覚える、旅行用語も意外とたくさんある

本屋で出会った通訳案内士の受験生のようなおじさんと立ち話で情報交換をするなど、ありとあらゆる情報網を頼りにした。試験って情報戦だ。

二次試験

二次試験はお金をある程度払って学校にいかないとダメなのか…?でも、通学タイプだと途中で行かなくなりそうだし、通学の時間がもったいないし、自分は自宅でオンラインで勉強するのが向いているな〜って思いはじめた。そして、(二次試験の直前だけど)11月にはヨーロッパに旅行をしたいし、その費用が必要だったので、独学にすると決めて、一回振り込んだ学費13万円をキャンセルして航空券を買った笑。節約は大事だ。

合格ラインは7割
①3つのお題から1つを選んで1〜2分間のプレゼン
②試験官が30秒ほど読む日本語を聞き取って、メモを取った後、1分間以内で通訳する。
③現場のシチュエーションが書かれた紙を読み、その内容に応じてお客様に選択肢とそのメリデメを考え提案する。相手が納得すればOK。試験時間が終了するまで、延々と問答が続けられる場合もある。

①の過去問「花火」や「お花見」のお題をやってみると、最初は10秒くらいしか話せなかった…。②の通訳も最初はもちろんボロボロで、③は何を対策したらいいのか分からず、結局何もしなかった。本番では③が一番足を引っ張った。

3.一次試験

過去問を5年分を解いた。そして、受験生はなぜかみんな出題されると知っている「観光庁研修テキスト」と「観光白書」を読んだ。知らなかったらアウトだ。

地理

地理については、中学受験の延長のようなもの(?)(中学受験してないけど、大学生の頃教えたことはある…)。
7月7日の地理の勉強の記録を見るとH26解答率60%、H27は37%、H28は50%。7月11日の地理の記録は令和2年55%、令和3年63%。70%まで遠い。

過去問だけじゃダメだと思って調べたら、合格したって言ってる人がみんな使ってた教材を発見。特に、温泉は絶対出るからめっちゃ覚えた。

日本史

高校のとき日本史選択だったけど、さすがに年号だとかを今も全部覚えてるわけじゃないので、過去問を解いて間違ったところを年表に書き入れ、流れを覚え直した。通訳案内士は難問奇問が出る試験と言われているので、正直、本番は運次第…という感じがしていた。

通訳案内の実務

観光庁研修テキストを読んで、出そうな法律はひたすら覚えた。観光庁研修テキストや観光白書などを印刷すると何百枚になるので、全部Notabilityってアプリで管理した。これだと、官公庁の文書や法律をダウンロードして、iPadペンシルで自由に書き込んだり蛍光ペンでマーカーを引いたりできる。超便利だよ。

一般教養

観光白書を2年分Notabilityにダウンロードしてひたすら大事そうなところの数値や用語を覚えた。でも何百ページもあるから、全部覚えられるはずはなく、合格点ギリギリだった。

4.二次試験

二次試験の勉強を始める前に、英検3級の小学生でも理解できそうなめちゃくちゃ簡単なレベルで日本文化が紹介されている本を2冊ぐらい読んだ。ビートたけしが映画を作る手順について語ったインタビューで「テーマに沿った書籍を読み込む段階でまずは児童書から読む」と言っていて、妙にストンと腑に落ちてしまい、それ以降、馴染みのない分野の勉強をするときには一回小学生レベルの本で速読してから、難しい本を手に取るようになった!謎に影響を受けている。

一般にはあまり知られていないが、この界隈では超有名な「PEP英語学校」という通訳案内士の養成学校がある。二次試験に特化という珍しい方針を打ち出しているのだが、この学校のDVDやテキストはむちゃくちゃ高く、全部揃えようとしたら10万円くらいはすぐに飛んでしまう。でも!知り合いの合格者(1人だけ身近にいた!)に聞いたら、「DVDに全部答えが載ってるからテキストは買わなくていいよ」と言われたのでテキストを買わずに済んだ。(でも、語彙などがまとめられているので、買いたい人は買うといいと思う)さらに、最近動画ホーダイ(3000円/月)という二次試験の疑似体験ができる教材がリリースされたので、結局DVDも買わなくて済んだ。めっちゃお金が浮いた。

プレゼン→通訳の順番で勉強したけど、最後の最後まで困ったお客さんに何か気の利いたことを言う「シチュエーション」の対策は何をやればいいのか分からず、ほぼ何もやらずに本番を迎えてしまった。当日、家に帰ってから気づいたけど「選択肢を準備して相手が納得する方を選んでもらえるように説得する」という試験項目だったことに気づいた。納得した様子はなかったけど、色々提案はしたので合格したのかもしれない…。

二次試験当日、3つ中から選んだプレゼンテーションのお題は「小笠原諸島」。通訳のお題は天ぷらの歴史。シチュエーションのお題は「天ぷらを食べ飽きた60代夫婦にどんな提案をするか。滞在は10日の予定で今日は7日目」というようなものだった。

3つ目については、60代や7日目という情報を無視して日本の居酒屋だとメニューが豊富でなんでも選べますよ…などと提案したのだが、本来は「胃が疲れていると思うので、健康で見た目も楽しめる日本の精進料理のお店はどうですか?あるいは、私の故郷の旬の食材を出してくれる老舗のお店をご案内しますが、どちらにしますか?」などもっと相手の状況を慮った言葉をかければよかったと反省した。アメリカ英語の単刀直入な表現ではなく、丁寧な言葉を心がけるようにとアドバイスをもらっていたけれど、当日どれくらい実践できていたか微妙だった…でも、合格してよかった!

5.最後に

いろんな学校が無料で公開している動画、資料もあるし、ティップスを送ってくれるメーリスもある。リソースはたくさんあるので、独学でも合格できますよ…!と不安になった人にお伝えしたい。私が勉強用に作ったTwitterアカウントで「二次試験独学にするか通学するか迷ってるけど、どうしたらいいですか??」と呟いていたあの頃がめっちゃ懐かしい。(鍵アカウントなので公開はしてませんが)

何か迷ったことがあったら、コメントをください!できる範囲内でお答えします。誤字、脱字は後から修正します。2023年2月3日 


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