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Coldplayのインクルーシブ&サステナブル公演

Coldplay、ご存知ですか。コールドプレイと読みます。

あまりに有名なバンドのため、もし「名前も知らない」ような場合でも、ちょっとYouTubeなんかで検索してみればCMなどで聞いたことのある曲に当たる、のではないだろうか。

わたしは2006年に当時働いていた会社の先輩に誘われ、日本公演(彼らの単独公演はこの時が初だったらしい)に訪れて以降、単独公演に毎度訪れるほどのファンだ。

今年2023年11月に行われたのは「Music Of The Spheres World Tour」というツアーの日本公演で、数えると単独公演での来日は今回で4度目だったらしい。

とは言いつつ、逐一あれもこれも情報を追うほどのファンなわけではないので、首題の通りのテーマを持った公演をしているのは知らなかった。

正確には「持続可能なツアー」「インクルーシブ&アクセシブル」を目指し、地球環境や聴覚障害者に配慮したワールドツアーとのこと。

たしかに、終わってからプレイガイドを通して以下のようなアンケートが来ていた。

プレイガイドから届いた「Coldplay公演会場への移動手段について」というGoogleフォーム。キャプチャ上では、どの公演の参加か(何度参加か)、移動距離、移動手段などが問われている。
ここでは4問しか表示されていないが、移動距離や移動手段に関する質問が11問に渡り問われる。

アンケートの結果で過去の公演とのエネルギー消費率、持続可能性の検証をしているようだ。

この記事は、あまりに知らないことが多かったため、日本語で書かれたありがたい詳細情報の記事を引用/収集するためだけの記事として記載する。


公式の声明

英語で以下のように書かれている。

At every show we offer local sign language interpreters as well as Subpacs for our D/deaf and hard of hearing guests so that they can feel a stronger connection to the music.

We’ve also teamed up with KultureCity to provide sensory bags and a mobile sensory refuge station for those with sensory sensitivities.

For guests who are blind or have low vision, we now offer touch tours before the show.

Inclusivity on the tour | Coldplay

機械翻訳をすると、以下だ。

すべてのショーで、地元の手話通訳者と、耳の不自由なお客様のためにSUBPACsを用意し、音楽とのつながりをより強く感じていただけるようにしています。
また、KultureCityと提携し、感覚過敏の方のために、感覚バッグや移動式感覚避難ステーションを提供しています。
目の不自由なお客様や弱視のお客様には、開演前にタッチツアーを行っています。

Inclusivity on the tour | Coldplay

他にも、今回の公演は東京ドームだったのだけれど、確かにスタンド席をぐるりと囲むように1列の車椅子のゲストのためのシートが確保されていた。結構な音楽好きの自負はあるが、あれほど車椅子ゲストのための席を確保している公演は今まで見たことがない。

もちろん、ボーカルのクリス・マーティン自体が手話を使って歌唱する演目もあった(※全編ではない)。

調べうる限りの情報ソース(記事)

TABI LABO

中でも注目したいのは、耳の不自由な人々に配慮した「SUBPACs」というウェアラブルシステム

これは「音楽の振動を伝えるベスト」で、これを着用すれば音が聞こえなくとも音楽を“感じる”ことができるというわけだ。

Coldplayの「Music of The Spheres World Tour」にて、音楽の振動を伝えるベスト「SUBPACs」が導入。インクルーシブとサステナビリティを体現した、究極の配慮と美しさ | TABI LABO

SUBPACs着用の様子もTwitterの埋め込み動画で確認ができる。

この他にもTABI LABOには、Coldplayがこういった試みをする意義などが書かれていて、読んでいて心打たれる。

Steenz

飛行機での移動を最低限に抑え、観客にも低炭素な移動をサポートする専用アプリの使用を推奨しています。協力してくれた観客には、会場で使える割引コードが発行される仕組みだそう。

また、再利用可能な材料でステージを構成し、照明や音響機材はエネルギー効率が良いものを採用。観客が盛り上がるのに欠かせないLEDリストバンドは、植物ベースの素材で作成し、ショーの後には回収、滅菌、充電することで、再利用しています。

BTSとのコラボでも話題!世界的バンド・ColdplayのSDGs満載ツアーの中身とは【Steenz Breaking News】 | Steenz(スティーンズ)

自転車での発電の様子なども見られて面白い。

SAP

『Music of the Spheres』ワールドツアーをよりサステナブルなものにする方法を探していた Coldplay は、ツアーの二酸化炭素排出量の大部分を占めているのが、観客の移動であることに気付きました。Coldplay は、SAP とともに Coldplay Music of the Spheres World Tour アプリを開発しました。

SAP と Coldplay の成功事例 | お客様の声と導入事例

Music of the Spheres World Tourアプリの開発会社。移動のための記録アプリを作るってすごくない!?

Real Sound

ライブエリアに入ると、アリーナ席の後方に普段のライブでは見慣れないエリアが設置されていることに気づく。たくさんのエアロバイクが並ぶ「パワーバイク」と、数十人ほどが入れそうな円形のスタンディングゾーン「キネティックフロア」だ。これらは、それぞれバイクを漕ぐ/フロア内でジャンプすることでライブ中に使用する電力の一部を発電できるようになっており、観客はアクティビティ感覚でこれらのエリアを楽しんでいた。

Coldplay、想像を絶するほどの光と色彩のスペクタクル サスティナブルなワールドツアー日本公演レポ - Real Sound|リアルサウンド

サステナブルに関する内容の他に、ライブ全体を通してのものすごいレポートに圧巻。

Live Nation Japan

Instagramと公式X(Twitter)で公共交通機関の利用とウォーターボトル持参を呼びかけていた(らしい!知らなかった!)。

NME Japan

コールドプレイは持続可能性に配慮した最新ツアーにおいて、前回のツアーから二酸化炭素排出量を50%近く削減したことに加え、これまでに500万本の植樹を行ったことが明らかになっている。

コールドプレイ、最新ツアーに伴ってこれまでに500万本の植樹を行ったことが明らかに | NME Japan

先に紹介したアンケート結果、アプリの利用を踏まえ、二酸化炭素排出量削減の結果が50%近かった、ということだろう。


どうだろう、参加側としては間違いなく歴史的な瞬間のライブだったなぁと感じる公演だった。

今回触れてはいないのだけど、Coldplayは世界の戦争や紛争にも毎度心を痛め、祈りを送っている。今回も会場全体で黙祷を捧げるなどおこなった。そんな中、アルゼンチンというものすごい遠い地へは駆けつけたBTSメンバーが、ほんの数時間飛行機に乗れば辿り着く日本には訪日しなかったという事実が、非常に残念に感じた(調べたら徴兵は11月末に決まった、らしい。公演より後じゃん)。

今回色々調べていると、来年早々にそのBTSのメンバーもゲスト出演した「Music Of The Spheres World Tour」のアルゼンチン公演が日テレプラスで放送されるらしいことがわかった。

これは今年春に映画館でも上映された内容だ。わたしは109シネマズ プレミアムでScreen Xという謎にすごいシステムで視聴・没入したけれど、今回リアル参加ができて、このすごい仕掛けを体験できて、本当によかったと思う。

正面スクリーンに加え、左右の壁面にも映像を投影する3面マルチプロジェクション映画上映システムによって視野270度を実現、驚異的な没入感が体験できる「ScreenX」。

109シネマズ 4DX/ScreenX/4DX Screen | 109CINEMAS 4DX

上記映画は、演目はおおよそ東京公演と同じだったような記憶がある。彼らの言葉に字幕も付いているし、考え方などにも触れられるという点で入門編にはいいと思う。

こういった誰もが楽しめるライブ・公演が、来年以降もっと増えたらいいのにと切に願う。

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