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とある流産の記録(手術編)

手術終わったなう。


今は回復室のベッドの上にいて、あんなに心配していたのに気持ち悪さも何もなく、安静時間が終わる13時まで暇なので、手術当日の流れを克明に記録していこうと思う。

今まで大の健康体で初めての手術だったのでマジで怯えていたのだが、先人達の手術記録を読み漁りとても参考にさせていただいて助かったので、わたしも後に続く。

今流産手術が決まり、不安の中で押しつぶされそうになっている後輩のために。

前提条件として
・日帰り(半日)
・手動真空吸引法(MVA)
・静脈麻酔
・不妊専門クリニック
・初産
での手術となります。

流産の状況は
・8w3d心拍停止確認(心拍確認後の停止)
・9w4d手術日
・胎芽7.6mm

術前の注意
・当日朝からの絶飲食
(と言われたけど他の方は前日夜からの絶飲食って人もいて怖かったので勝手に前日からしてた)

手術当日の流れ
8:30来院
内診を行い、胎芽の心拍がないことを確認
手術は予定通り行いますねと言われる

8:45個室へ通される
回復室と書いてあって、ベッドとトイレと洗面台がある個室。地元では有名だけれど、そんなに大きなクリニックではなかったので、こんなにしっかりした個室で休めるとは思っておらず、ちょっとびっくり。入院していたおばあちゃんがこんなお部屋にいた記憶がある。
ガウン(ピンク地に白の水玉でとってもファンシー、ちょっと恥ずかしい)に着替え。
ブラは外してショーツは着けたままと指示される。
そういえば麻酔を効かせるために右腕をあたためておいてと言われていたのだけど、家にあった安物のカイロが全然あたたまらなくて、麻酔がよく回らなかったらどうしようと心配だった。
とにかく手術で1番怖かったのは、麻酔があまり効かずに手術中に何か聞こえたり感じたりしてしまわないかということだった。(その心配はまったくの杞憂に終わった)
コロナだからなのか、この病院の方針か、付き添いはNGだったので1人ぽっちで個室に残される。
心細くてたまらなかった、深呼吸をして精神統一を図った。

8:50血圧測定
看護師さんがしゅぽしゅぽのやつで血圧を測ってくださる。
簡単な諸注意の説明。
採卵の時と同じように、と何度か言われたけど、わたしは採卵したことはありません。不妊専門クリニックなので、仕様がそうなんだよね。
今からパンツを脱いでもらいます、それからナプキンつけた替えのパンツを預かります、と言われ
替えのパンツにはナプキンを付けていなかったので焦る。言ってよ。
準備を終え、部屋にあるロッカーに荷物を入れて鍵だけ手首に付けて出陣。
他の人のブログでこの時看護師さんに優しい言葉を掛けてもらったなど見ていて、そのような心構えをしていたのだが
特にそのような声掛けはなかった。淡々と。

たぶん9:00頃手術室へピットイン
ドラマで観るほど立派ではないけれどそれなりにオペ室っぽいオペ室で、硬そうな緑色のベッドに寝かされる。
脚はいつもの内診の時みたいに掛けるところがあって、足首のあたりを拘束される。(話には聞いていたけど、さすがに精神的にくるものがある、こんなわたしにも尊厳というものがある)
左腕は血圧を測られる(これは手術後までずっと付けられていて、起きた時左腕が痺れていたのでずっと締められてたのかな?)

見たことのないおじさん先生が入ってきて、麻酔の準備を始める。この人は施術する先生じゃなくて、たぶん麻酔の先生。
点滴もする。(人生初点滴)素人的にはこの点滴が麻酔のように感じるけど多分違うんだと思う。
おじさん先生は「じゃあ麻酔を始めるからね〜、準備万端!」と声を掛けてくる。
看護師さん2人とおじさん先生に左腕と右腕を色々とされていて、迫り来る恐怖といよいよ終わってしまうんだという悲しさで涙が溢れてくる。大人だから声を出さないように必死だった。
看護師さんは顔をチラリと見たけど、何も言われなかった。(今回診察時から始まり最初から最後までメンタルフォロー的な言葉は何もなかったな、別にいいけど)

施術してくださる先生が来る。
◯◯さん始めるからねー的な声掛けはなかった。
ドラマでは先生と見つめあって始めますねみたいなやりとりあったのに、コウノドリとちゃうやんけ。
なにとぞなにとぞよろしくお願いしますって言うような余裕もなかった(心で唱えた)

そしてあの噂には聞いていた昇天へのカウントが始まった。


おじさん先生「いーち」
わたし「いーち...(憔悴」
おじさん「にーい」
わたし「にーい...(憔悴」

特に痺れとか違和感はなかったが、すーっと冷気が喉に上がってくるような、サウナの後水風呂に入った時のような感覚に近かった(わたしはサウナーです)
ろーく、くらいでいやいやこれ意識はっきりしすぎやろこのまま麻酔追加か?途中覚醒するんか?おじさんしっかりしてくれ、と思った瞬間から記憶がない。意識がなくなった瞬間の記憶もない。
たぶん7までしか行けなかった。悔しい(?)


9:25覚醒
夢を見ていた気がするけど覚えていない、朝起きた時みたいにすっと目が覚めた。

手術室にはもう先生も誰もいなくて、遠くで看護師さんが洗い物?後片付けをしているカチャカチャという音だけが聞こえていた。
気持ち悪くもない、お腹は少し痛いけれど、いつもの腹痛くらいで(胃よわよわ芸人)特に辛くもない。
終わったんだな、という気持ちでまた少し涙がこぼれた。悲しみもあるし、安心もあった。
気がつくとパンツを履いていた、左腕が血圧計に繋がれたままでぴりぴりと痺れていた。
右腕は点滴に繋がれていて、ぽたぽたと滴下していた。ぼーっと眺める。
しばらくすると看護師さんが気分どうですか?と声を掛けてくれる。
「呼吸が苦しそうだったので途中でマスクを外しましたよ」と言われた。
そういえばマスクしてない、呼吸が苦しそうだったってどういうこと?怖、、(今は苦しくないです)


血圧を2回連続測ったあと(なぜ?)
看護師さんに補助してもらいながら車椅子に座らせてもらい、回復室まで運んでもらった。
本当はまったく気持ち悪くないし、普通に自分で歩けそうだったけど、元気だっていうのもちょっと恥ずかしかったので少し気分が悪い風に振る舞った。(何の見栄)

10:00回復室で休む
全然平気だけど車椅子からベッドに移動するのも補助してもらい、横になる。
ゆっくり休んでくださいね、何かあったらナースコールを押してください、13時頃また呼びに来ます、とのこと。
13時までなんて暇すぎると思うくらい元気。なのでこれを今書いているところ。
1時間くらいしたら持ってきたお水とかも飲んで大丈夫ですよと言われたけど、持ってきてないからこれ13時まで何も飲めないのかしら(昨日0時から絶飲食)言ってよ。

というわけで、あと少し休んで診察したら帰ります。
麻酔から覚めると気持ち悪くて吐いてしまった、目眩がするなどの記述を見ていたのですが、わたしの場合はお昼ごはんにがっつりカツ丼を食べられそうなくらい元気です。何食べようかな、お腹すいた。

気になる出血ですが、さっきトイレに行ったらなんと、1滴の血も流れていなかった。真っ白の夜用ナプキンが虚しい。拭いてもどこも違和感ない。
嘘でしょ、もしかして手術ちゃんと終わってない、、?と思うくらいです
(これから診察で術後先生とまだ一言も交わしておらず、成功ですねとか言われてないので不安)
先生がすごく上手なのか、それとも吸引法はこんなものなのか、個人差なのかは不明。

今思い出したのですが、痛いと聞いて怯えていた前処置はなかったです
吸引法だからないのかもしれないけど、説明書きには子宮口を開く処置をしたあと手術、と書いてあったし、他の方のブログにも吸引法でもラミナリアしたって書いてある方もいたので、謎ですね。
麻酔してる間に何かしたのかもしれませんが、怯えていたことは全く起きなかったです。

これから流産手術をする方へ
わたしの場合はですが、全く痛くもなかったし、本当に眠っている間に終わりました。
昨日は怖くて眠れなかったし、もちろん手術前は精神的にも耐えるのがしんどかったけど、終わってみれば一瞬で終わるから、きっと大丈夫。
もしかしたら本当の戦いはこれからなのかもしれないけど、とりあえず今は大丈夫だから、安心してください。
手術をすることへのショックで、もう妊娠なんか2度とするものかと思っていたけど、手術があっけなく何事もなく終わったので、これならもう一度頑張ってみてもいいかもと思ったくらいです(あくまで手術自体に対する気持ちだけですけど)

これから何が起こるのかわからない、また耐えられないことも苦しいこともあるかもしれない
だけど、この日本のどこかで同じ気持ちを抱えて戦っている人がいると思って、頑張りましょう。
また笑えるようになる日が来るまで。

今回は絨毛染色体検査もお願いしたので、術後の経過とともにまた記録書きます。

いま11時半、あと1時間半暇だー!

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