キューバへ行った話をしよう(8)
サンティアゴ・デ・クーバの宿
「キューバの宿泊は民泊がおすすめ!」みたいな記事はネット上にあふれているので割愛。その通りだと思います。カサ・パルティクラル(略してカサ)と呼ばれる政府公認の民泊施設、よっぽどハズレでなければホテルよりおすすめです。
さて、大阪でちょこちょことお邪魔していたキューバ音楽のワークショップで、講師の佐々木マコトさんから英語の通じる宿を紹介してもらい(なんとキューバに電話までかけてくださいました!)、宿泊予約メールを宿主宛に送信したところ、わりと1、2日の内に宿のお母さん、ケイトから丁寧な返信がありました。スペイン語がさっぱりわからない私にとって英語でやりとりできることは最重要条件の一つ。これは本当に助かります。かくしてサンティアゴ・デ・クーバの宿確保はとてつもなくあっさりと終了。その後も出発までにケイトとは例の長距離バス手配も含め、メールで数回やりとりを交わしていたので、到着時には既に赤の他人の気がせず、4時間遅れで夜中に到着し、出迎えてくれた「お母さん」の顔を見たときの安堵感ときたら、もう!そりゃハグもするわってもんです。
こちらのカサはツインの客室が2つ。隣の部屋はたまたま日本人のMさんでした。同じくひとり旅の彼女、出会って2日後にはドミニカ共和国へ旅立ちました。とても旅慣れた様子で、なんといっても私とはバイタリティが違い過ぎる。行動も決断もスピーディ、何ともしっかりした人でした。日頃から、外へ出て様々な人に出会うと自分がいかにのんべんだらりとした性格なのかよくわかります。死んでも直りそうにもないけど。
写真は通りから見たカサの外観。写真では分かりづらいですが、この玄関ドアがめちゃくちゃデカい。大きいではなく、デカいです。背が低い私だと鍵開閉時にちょっと背伸び気味になるほど。
各カサにはしっかりと「民泊やってます」という表示があり、街の中心地ともなると至るところでそれを目にします。看板の下部に描かれた「↕︎」のようなマーク、これがカサの印。手入れと管理の行き届いたカサならば、下手なホテルに泊まるより、リーズナブルな価格で快適に過ごすことができるのではないでしょうか。
現地に行ってから“カサ印”を頼りに宿を探すツーリストもたくさんいます。中を見せてもらって、気に入ったら交渉して決める、それも一つ旅の醍醐味ですね。声を掛けたカサが満室でも、別のカサを紹介してくれることもあるようです。
ケイトのカサには猫が何匹がいました。うち何匹かは飼い猫で、その他はどこからきたかわからないとか。人懐っこい茶トラみたいな子が1匹いて、夕食の時にときどき足元でウロウロしてました。自宅で猫を飼えない私にとって、束の間の猫のいる生活。
部屋の窓からの風景。住宅がぎちぎちと立て込んでいますが、不思議と閉塞感も不快感もないところです。屋根や外壁などを見るに、古さとその傷み具合にキューバを感じます。
窓から下を覗き込むとここにも猫。サンティアゴは野良犬、野良猫をほんとうによく見かけます。野良犬なんてそれこそ何年ぶりに見たかしら。日本ではすっかり見かけなくなりました。
民泊施設とはいえ個人宅でもあるので、あまり事細かにカサ内部を紹介するのもアレなのと、あんまり広く教えたくない気持ちもちょっぴりありつつ…。今後も滞在した部屋のこと、ご飯のこと、生活のことなど続けて書いていきますので、それを読みながら暮らしぶりやお世話になったカサの人たちのことについて想像を膨らませていただけたらと思います。