お母さんとのお別れが迫る

今日、施設に入所する段取りが整いつつあり、4月中旬には入所が決まるかもしれないとの事。ほぼご案内出来ると思ってますって施設の人には言われた。

私達は1年前から要介護の母を抱えている。
実際には、父親がメインで介護。私と姉は、困った時にヘルプで行くという感じの介護なので、一番大変なのは父親なのだ。
つい何ヶ月か前から便失禁が始まり、もう便をする感覚もわからない程で、父親は毎回処理をする事に頭を抱えている。私も手伝いをするけれど、行った時に便をしていれば…なので、タイミングが合わないと手伝う事は出来ない。

母が便をすでにしてしまっている事が臭いでわかった時に、淡々と処理をこなしている私を見て、父親は「うわぁ、、」と一言。そして、後で電話を貰った。
お前がやっているのを見て、俺にはあれは出来ない。と思った。と。

でも、そうは言ってもやらざるを得ない現実が日々の中で降りかかり、父親は毎度、風呂に母を連れていき、シャワーでお尻を流してやっていると言っていた。それですら、嫌だったんだろう。もう疲れた。俺の方が死にたい。便失禁があった日は必ず電話でそんな弱音を漏らしていた。

仕方ない。私はそれをただ「そっか。お疲れ」と聞くしか出来なかった。

父が倒れる前に、どうにか施設に入所も出来たらとみんなで願い始めたのはつい1ヶ月前くらい。それまで本当によく頑張ったと思う。

ケアマネージャーさんから、「コロナで施設に空きが出てすぐに順番が回ってきそうなんです」と連絡を貰ったので、私たちは即、入所を申し出て、それに行きつくまでにショートステイを長期で使う事も申し出た。
そして、今日ショートステイの契約と入所の申し込み。施設の方からは「恐らく優先順位はかなり上の方かなと。早ければ4月に」とお答えをいただいた。特養に入所する事がかなり困難だと、待っている人が沢山いると散々言われてきたので、こんなにトントン拍子に行くのかと驚きは隠せず。でも願った通りになる事にみんなで喜んだ。

いざ、本人には父が「いつかそういう(施設に入る)事になる」と話してきたと言う。
今日、施設の人が本人に挨拶に行くと、ビックリした顔で状況を飲み込めないと言った感じでもあった。認知症の母だが、最近は頭が大分クリアで、表情も豊かだ。考えていることもスムーズには出ないものの、口数も増えていた。少し暖かくなってきたからかな。

施設の人が下に降り、私は母の表情が気になったので、2人になった時に「今までとは違う施設に移るよ」と伝えた。デイやショートステイを今までは違う施設に行っていたが、特養付きの施設になるからだ。

母は遠くを見つめて「そう。いよいよなのね。」と言った。多くは語らないものの、状況をわかっていて、寂しそうだった。
私たちが行くと「アンタたち2人が来てくれて嬉しいわ」といつも笑顔になってくれて。ほっとするって安心してくれる事が嬉しかった。
だから、状況が一変した事がわかった時、母は当たり前だけど、すごくすごく寂しそうだった。

ごめんね。これが一番最善な選択なんだ。そんな顔しないで。大丈夫。きっといい所だよ。お友達も出来るよ。楽しいはずだよ。そう言いたかったけど、言うと涙が出そうだったから何も言えなかった。

コロナで施設に入所すれば面会は一切出来ない。死ぬまで施設を出られない。
だから、私達も会えなくなる。
そうわかった時に、送り出す前に孫たちにも会わせようと計画も立てて、予定を組んだ。
来週、みんなで母の為のパーティーをする。

送り出す時には涙でお別れしたくないから、今沢山泣いておこうと思う。母には沢山の思いがあるけれど、今は産んでくれてありがとうって心から思ってる。

本当にどうもありがとう。
大丈夫。また会えるよ!リモート面会とかやれるって言ってたし!だから、大丈夫!!

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