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US北西部ツアー周遊2018を振り返る。

去年の夏、Spartaの北西部ツアーでポートランド、シアトル、カナダのバンクーバーと3都市を巡りました。(こちら参照)

前回はFoo Fightersはカナダツアーで、エドモントンとカルガリーの2都市間で飛行機だったこと、会場がアリーナだったこともあり、比較的大きなバンドの北米ツアーという感じだったのですが、今回はひとりで都市を移動しながらクラブを小回りするツアーだったので色々と感じたこともあり、改めて書いてみたいと思います。

会場はいづれも日本でいうライヴハウスという箱でキャパはおそらく150-200人くらいかと思います。それでもインディバンドではよく見るクラブハウスの会場でした。チケット代は手数料込みで25ドル前後。これもアメリカのインディバンドであればだいたい平均もしくは少し安いくらい。Spartaのリーダーであるジムが折に触れてMCで話していた「わざわざ足を運んでくれてありがとう」という言葉にある、みんなが来やすい価格設定であったのかもしれません。日本からも簡単にチケットは買えます(こちらで解説しています)

各会場はシアトル以外、郊外にありました。ダウンタウンからバスや電車で20-30分程度の場所です。分かりづらいですが、今はGoogle Mapがあるので初めてでも十分たどり着けると思います。
今回の遠征でとても身にしみたのがGoogle Mapのありがたさです。地図という機能はもちろん、経路、バスや電車があと何分でくるのかもリアルタイムで表示してくれます!(少なくとも北米は…) 北米のバスや電車は特にとてもマイペースなので、「え、待ってるんだけど全然来ない…もう行っちゃった!?」みたいなときにもとても役に立ちます。書籍も事前に情報を得られるので活用する価値はありますが、やはりリアルタイム情報やライヴ時に荷物を減らすためにも、是非おひとりさま女子は安全性もありますのでGoogleMapやネットの有効活用を! (Wi-Fiがない万が一のときを考えてオフラインで使えるようにしておくと便利です)

なぜなら、海外のライヴは日本に比べてはるかに開演時間が遅いです。フーファイのときもそうでしたが、前座バンドのあとになると21時スタートはざらで、Spartaのバンクーバー公演に至っては木曜という平日にもかかわらず22時過ぎにSpartaのライヴがスタートしました。となると、終わるのは0時近く…せっかくだから、とメンバーに会おうと待っていたりすると1時近くまで会場にいるケースにもなります。そうするとナイトバス(深夜バス)などの本数が極端に少ないバスを待つ必要もあるので、Google Mapなどのアプリでバスの時間を確認することができます。会場周辺は往々にして、特に夜間はあまり治安が良い場所ではないケースも多いです。そこでバスを待つよりは、タクシーやUberに頼るのをおすすめしますが…。

そして、終演後はメンバーが会場に出てきてくれるケースがとても多いのがインディバンドの良いところ。日本だとあっという間に会場から出されてしまいますが、海外のクラブはバーを併設していることが多いので、そのままお客さんも呑みながら余韻に浸っていることもあり、メンバーも出てきて気軽にサインや写真、お話をしてくれるのです(バンドやアーティストによるので一概には言えませんが…)。Spartaも当然のように終演後30分くらいしたら全員が出てきて、ファンのみなさんととっても気さくに話していました。日本のように追っかけとか出待ち、という概念がないというか、普通に対応してくれるし、バンド側も反応を聞きたがっているので、物怖じせず話したほうが良いんじゃないかと。特に日本から来た…!となると本当に驚かれますし、喜んでいました。同じくメキシコから来た女子3人組もいて、それもすごいや! って思ったのですが、メキシコ女子ズからもクレイジーて言われました。それくらい日本は、すんごく遠い印象だそうです。周りのファンのひとからも「ハア!? 日本からきたの!??(とてつもない驚き顔で)」と何度言われたことか…。なんかもう地球の裏側からきたくらいの反応ばかりでしたね…。

そんな感じで日付が変わる頃に宿について一息つくと、だいたい夜中2時とかそんな感じです。そのなかで毎日のバスで都市移動はなかなか辛かった! 移動は3時間から4時間半程度ですが、もとから朝に弱いこともあり、翌朝8時のバスなんてもう…。次の都市に着いても観光どころではなく、ベッドでぐったりしていたくらいです。
ただ、これが当のバンドメンバーになると、日本のハイエースよりちょっと小さめなバンにでかいオジサマが4人乗り込んで、機材を牽引車に詰め込んで、ライヴ後にそのまま次の都市に10時間移動はザラ。日本のように電車というツールがもてないくらい広い北米はとにかく車移動。まあ、機材もあるから当然ですが。ローディさんが運転しますが、硬いシートでなかなか身体も休まらないだろうな…と思います。バンド規模によってはツアーバスになり、カプセルホテル状のベッドがついたバスになるんだそうです。リビングやダイニングもあって、なかなか良いんだそうで…。
宿泊できるときには、次の日のお昼くらいに出て、次の会場に夕方頃着き、リハをやってなんだかんだゆっくりできるのは開場1時間前くらいだそうで、ツアーはそのルーチン。毎日毎日同じ顔で場合によっては数日前に会ったばかりの人やらそんなんで似たような郊外の風景を一直線に走りながらツアーを延々とするんだもんなあ…ストレスで色々揉めたりするのもわかる気がします。これは海外に限ったことではなく、日本のバンドもそうなんでしょうけど。

見る方もそんな連日移動してると、正直観光をする体力はあまりありませんでした(個人の感想です)。今回は移動時間が遅延も含めて3-6時間くらいになっていたので、次の都市で宿についたらとりあえず一休みしたい…ていう感じでした。夕飯漁りの散歩ついでに唯一やったのは今回はUS北西部だったのでシーフードが有名で、クラムチャウダーハンターと化してあちこちでクラムチャウダーを食べまくりました。

南部のテキサスドラマー、カリィさんにここらで美味しいものってなんかある? と聞いたら、日本から来たエミに言うのもなんだけど、スシが美味しいんだよねーといわれたからシーフードは推しです。スシも確かに美味しい。バンクーバーでは脂がのりまくったBCサーモン寿司が最高でした。ひとりだったので、あまりレストランに入る気にもなれず、その点は地元スーパーでお惣菜を買うのを楽しみにしていました。北米は味が淡白な料理が多いですが、今はスーパーも寿司からお肉関連から、アジアンフードまでなんでもあってお手頃なので、おひとりさまツアーにはオススメです。

カナダでのバケーションを抜いた約1週間のおひとりさまツアー周遊費用としては、基本こちらにある金額をもとにザックリで、

・エア代 10万 (7月セール時のバンクーバー往復)
・現地交通費 2.5万円 (バス・飛行機・電車+会場までの交通費)
・宿泊費 6万円 (ホテル☓4、ホステル☓1)
・チケット代(3公演) 8,000円

宿泊費と交通費は人それぞれでもっと下げられると思います。
コレを踏まえ、福島に住む私からすると東京にライヴを何度も見に行き、フジとサマソニの通し券+宿泊するというケースを1年で全部をやる経費より実は安いんですね…。仕事があるので新幹線移動は時間的にも必須だし。
Spartaのチケット代がとっても安い!という点はあるにせよ、諸々現実的なお値段なんだなと思っていたりします。

ひとりなので英語の問題も自己解決する必要があり、まあまあ苦労したこともありましたが、終わってみれば「意外となんとかなる」と。一番役に立ったのは、推しのインタビューなどを見るのが好きなので、ネイティヴの話すスピードには慣れていたこと。耳がついていったので、言っていることは分かるため口がある程度及ばなくても困ることは少なかったです。おしゃべりで早口の推したちよ! ありがとう!!
あとは今の世の中、Wi-Fi+スマホで基本調べるにもなにをするにも便利なツールなので、英語が話せなくても行く度胸があればどうにかなります。
ただ、今回の3都市は治安も良かったこともありますが、日本のようにはいかないことも多々あるので、そこだけは注意しつつ、自分を守る行動は常に頭に入れて動いていました。(荷物の管理、周りへの注意、人気のない夜道のひとり歩きは要注意です)


今回の北米北西部ツアーで感じたのは、アメリカではロックはもう人気のないジャンル…という冷めたものはなく、やはり集まる場所にはしっかりとした熱はあるということ。日本も同じですが、やはりまだまだどこからともなくファンは集まり、とても熱狂的にバンドを音楽を愛してるのは変わらない印象でした。やっぱり熱量はすごいし、ブランクのあるバンドに対しても根強い気持ちを持ち続けています。そしてやっぱりやっぱり、日本で見るよりもダイレクトにお客さんとバンドの熱さだったり、距離感の近さだったり、すごく良い関係が見れたりしてとても楽しかったです。それに何より念願のライヴを見れた嬉しさはここ数年で一番でした。
Spartaも含め、なかなか日本には縁遠いバンド(についてしまう推しドラマー)を見るためには、また日本で頑張って見に来なきゃなあ! と噛み締めながら帰ってきたのでした。

ということで、本編はこちらです。
個人的に大好きな3都市で、ひとりでまわるにもオススメの場所なのでご参考になれば嬉しいです。