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おば4高知旅。その5

 温室に満足した私たちは、その名も牧野富太郎記念展示館を目指して、新緑と様々な花々が咲き乱れる遊歩道をゆったり歩いて行く。薔薇の季節だ。大きいのや小さいのや色とりどりたくさんの種類。薔薇ってやっぱり豪華で存在感あって目を引くよね。匂いも好きだ。可憐な野ばらもいいな。
 栴檀の木があった。花盛りだ。枝のまわりを薄い黄緑のレ━スがかかっているかのように花と若葉が広がっていた。「栴檀は双葉よりナントカ」って言葉があったよな。わたしがつぶやくとすかさず、一人が意味を調べてくれた。栴檀は双葉より芳しいとは、「栴檀は発芽の頃から香気を放つことから大成する人は幼少の頃から優れいる」との例えだそうだ。
後で自分でも調べたら栴檀は白檀のことでお線香にも使われるホントの香木だった。
 漢方薬でもある。下駄の材料だったり、家具の材料だったり、昔から人とかかわり、お役にたってきたんだね。偉いぞ、栴檀!別名、唐変木だって、面白いね。
 ぐねぐね坂道を登って、牧野富太郎記念展示館へ。晩年の牧野富太郎博士の写真が満面の笑顔で迎えてくれる。
いいお顔をされている。まさに好々爺そのもの。この、人の良さげな優しそうな笑顔の御仁が、40万枚を超える押し葉標本を収集し新種や新品種など1500種類以上の植物に学名をつけ、『牧野日本植物図鑑』を刊行、日本の植物分類学の基礎を築き、全国を巡り植物知識の普及に努めたと。
 展示されている博士の手による図版はどれもこれも、緻密で美しく正確だ。一人の人間に、これ程のことができるなんて、まさに奇跡。感動して言葉がうまく出てこない。 
 植物と相思相愛の幸せな生涯を送られたのだな。それを見せてもらえて、私も幸せな気持ちになった。
牧野先生、ありがとうございます!牧野先生を生み育てた高知の自然にも感謝です。

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