お嬢様との恋は突然に…

〇〇:お時間ですよ


〇〇:あやめ様


あやめ:ん〜…


〇〇:起きてください


あやめ:ん〜…


あやめはゆっくりと起き上がった


〇〇:じゃあ、着替えたらリビングに来てくださいね


あやめ:は〜い




僕は〇〇 〇〇


さっき、起きた方は筒井あやめ様


あやめ様は、いわゆるお嬢様


かの有名な、筒井グループの社長令嬢


僕はお金に困っていた


そこで、あやめ様に相談したら


あやめ:じゃあ執事になる？


ということで、僕は執事として雇ってもらえた


そう、元々は友達の関係だった


僕とあやめ様は、まだ大学3年生で授業が合えば一緒に通っている


今日は、一緒に大学に行く日



〇〇:あやめ様、忘れ物はないですか？


あやめ:うん、無いよ


〇〇:では、車に乗ってください


僕とあやめ様は車に乗り、シートベルトを着けて、出発した


〇〇:今日は何限までですか？


あやめ:今日は4限までだよ


〇〇:私は、5限までなので少し待ってもらう形になりますね


あやめ:適当にその辺で時間潰しておくよ


〇〇:ありがとうございます


大学に着いた


〇〇:では、また昼に👋


あやめ:頑張ってね〜👋



こんな感じで日常を過ごしている


あやめ様への言葉遣いもかなり変わった


大学の中だと、あの時の言葉遣いに戻してもいいのかもしれないけど


家でも、あの時の言葉遣いになってしまいそうだったから大学でも同じ言葉遣いになった



そんなある日…


お父様に呼び出された


〇〇:ご用件は何でしょうか？


あやめ父:昨日、娘に結婚の話をしたんだ


あやめ父:相手は有名な□□グループの御曹司


〇〇:は…はい…


あやめ父:そしたら、すごく嫌がって話が進まなかったんだよ


あやめ父:そこで相談なんだが


〇〇:はい


あやめ父:娘を説得してくれないか？


〇〇:分かりました…


〇〇:説得してみます


あやめ父:用件はそれだけだ


〇〇:はい、では失礼します



ついに結婚の話か…


密かにあやめ様に恋心を持っていたが、それは叶うことは無い


僕は、ただあやめ様が幸せになることを願うだけ


ｺﾝｺﾝ…


あやめ:はい


〇〇:〇〇です


〇〇:入ってもよろしいですか？


あやめ:大丈夫だよ


〇〇:失礼します


ｶﾞﾁｬ


あやめ:何？


〇〇:結婚の話です


あやめ様は少し俯く


〇〇:結婚を嫌がってるみたいですね


あやめ:だって…




あやめ:好きでもないのに、結婚して同棲するの嫌だもん…




〇〇:その気持ちは分かりますが…




あやめ:〇〇に何がわかるって言うの！！！





僕が聞いたことないくらい大きい声で言った


あやめ:だいたい、〇〇はそれでいいの？…


〇〇:え…


あやめ:私は大学で〇〇と出会って…


あやめ:みんな、社長令嬢だからって距離を置かれて…


あやめ:唯一、〇〇だけフラットに接して来てくれた


あやめ:その時からずっと…


あやめ:〇〇のことが大好きだったのに…


〇〇:！！


あやめ:私だって、普通に恋がしたい…


〇〇:あやめ様…


あやめ:〇〇はこのまま、私が好きでもない人と結婚しちゃっていいの？…





〇〇:…





〇〇:…良いわけないです…




〇〇:…良いわけがないじゃないですか…



あやめ:〇〇…


〇〇:僕は、あやめのことがずっと好きで


〇〇:でも、あやめが幸せになるならそれでいいと思ってた…


〇〇:でも…


〇〇:あやめがそんなこと言うから…


〇〇:気持ちが抑えられなくなっちゃうじゃん…


あやめ:〇〇


〇〇:なにっ…んっ...///




あやめ:んっ…♡


〇〇:はぁ…はぁ…何するの…


あやめ:〇〇…


あやめ:私は〇〇と恋がしたい…




あやめ:…駆け落ちしよ？…




〇〇:…


あやめ:私と一緒に遠くの街で暮らそ？…



僕は頷いた…







数年後…






〇〇:あやめ！ハンバーグ定食ひとつ！


あやめ:了解！


僕達はあの後、あやめと一緒に大学を中退して、僕の実家の近くに引っ越した


僕の親はシェフで、そこで僕とあやめは修行した


僕達は店を立てて、こじんまりと最初はやっていた


けど、ある時、僕達の店が地元に愛される定食屋としてテレビで紹介された


そのことがきっかけで、あやめのお父様から連絡が来て


一緒に結婚を祝いたいと言ってくれて


僕達は結婚した



それから、大繁盛でありがたいことに忙しい毎日を送っている







〇〇:あやめ、お疲れ様


あやめ:〇〇もお疲れ様



〇〇:今日も大変だったね…


あやめ:ほんとに…大繁盛過ぎるかもね笑


〇〇:正直、駆け落ちした当初は不安だったけどあやめがいてくれたおかげで頑張れたよ


あやめ:〇〇も私のわがままに着いてきてくれてありがと…


ｷﾞｭｯ…


あやめ:ねぇ、もうちょっと余裕が出てきたら…


あやめ:その…


あやめ:子供作らない？…///


〇〇:え！…


あやめ:なに？嫌なの？…


〇〇:嫌じゃないよ…ちょっとびっくりしただけ…


〇〇:まぁ…余裕ができたらだね…


あやめ:その時が来るまで、一緒に頑張ろうね


〇〇:うん、頑張ろ



2年後には、産休を貰って〇〇とあやめの間に小さい命が生まれたのだが…それは別のお話…


fin…