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久しぶりだね

??:……じゃあね…

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ある日、突然俺の前から姿を消した

何も音沙汰もなく

桜が強風で一瞬にして全て散ったようだった

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ピピピピッピピピピッピピッ


朝から目覚まし時計に叩き起こされる


憂鬱な気持ちになりながら重い腰を上げ、学校の支度をする


朝なので、行ってきますも言う元気がない


普通も言わないのかもしれないけど


とかしょうもないこと考えながらドアを開け、日光を浴びる


何も考えずにボーッと通学路を歩いていると…


??:おっはよ〜!!


〇〇:うるさっ…って遥香か…


遥香:うるさって何よ〜


〇〇:朝から元気すぎるんだよ…

彼女は賀喜遥香

俺の幼馴染で俺の小さい頃を知っている数少ない友達


遥香:〇〇が元気無さすぎるんだよ

〇〇:こんなもんだろ。朝なんて


遥香:テンション低いと、幸せが逃げちゃうよ


〇〇:別に遥香っていう友達がいれば、幸せだよ


遥香:え?…///急な告白?…


〇〇:別に告白じゃないよ笑


遥香:私のドキドキ返して


〇〇:知らないよ笑


〇〇:勝手にドキドキしただけじゃん笑


遥香:もう怒ったもんね!


遥香は走って行ってしまった


〇〇:もう…笑 待ってよ~


こんな感じで、それなりに楽しい高校生活を送ってた


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??:ふぅ…久しぶり…


??:わぁ〜なつかし!


??:これまだ残ってたんだ〜


??:さてと…会いに行かなきゃ…


??:〇〇に…


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僕は部活が終わり、遥香と一緒に家まで歩いていた




そして、家に着いたら…



??:〇〇!


〇〇:えっ…


僕は手に持っていた荷物を、全て落としてしまった…


〇〇:み…みづ…き…


遥香:な…なんで…


〇〇:なんで…


〇〇:なんでここにいるんだよ…


美月:久しぶりだね


〇〇:久しぶりだね、じゃないよ…


遥香:そうですよ!


遥香:あの時、〇〇がどんな気持ちだったか分かってるんですか?!


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山下美月


僕の中学生の頃の彼女…


僕達は、クラスからバカップルと呼ばれるほど


カップルとして、幸せな日々を送っていた…



美月:えっ…


美月:て…転校?…


私は、親から急に転校の話をされた…


私は、必死に反対した


でも、そんなわがままが通るはずがなく…


転校が決まってしまった…



美月:先生…


先生:ん?なんだ?


美月:転校の話、クラスのみんなには内緒にしてもらってもいいですか?…


美月:正確には、〇〇には内緒にしておきたいんです…


先生:…ほんとに、それでいいのか?


美月:…はい


私は、〇〇に転校の話を一切せず、家族と一緒に新幹線に乗った


美月:(〇〇…ごめん…)


私は新幹線で大量の涙を流した…


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美月:まずは、あの時の事を謝りたかったの


美月:〇〇、あの時何も言わずに、急にいなくなってごめん


美月は深く頭を下げる


〇〇:美月…


遥香:美月さん…


美月:謝るだけで許されるとは思ってないけど…


美月:〇〇に転校することを伝えたら


美月:多分だけど、悲しむと思ったの


美月:私のわがままだけど…


美月:せめて転校するまでの間、一分一秒、〇〇と一緒に笑って過ごしていたかった…


美月:だから〇〇に転校することは黙ってた…


〇〇遥香:…


遥香:〇〇は美月さんがいなくなった後…


遥香:ずっと悲しんでたんですよ?…


遥香:何回も、私のところに来て泣いてたんですよ?…


美月:本当に、2人ともごめんなさい…


遥香:許さないです…


遥香:美月さんのせいで〇〇が…


〇〇:遥香!


遥香は俺の方に振り返る


〇〇:もうやめろ…


遥香:〇〇…


俺は、美月の方に近づく



〇〇:美月…



美月:はい…



〇〇:俺は、今こうやって美月が元気に会いに来てくれたことが


〇〇:何よりも嬉しいよ…



美月:〇〇…


〇〇:俺は美月と離れるのが寂しかったけど…


〇〇:それ以上に、美月が元気なのかが1番心配だった…


〇〇:もしかしたら、何か重い病気にかかったんじゃないかとか…


〇〇:そう考えたら、心配で心配でおかしくなりそうだった…


美月:〇…〇…


俺は美月のことを抱きしめた


〇〇:本当に…元気で良かった…


美月:グスッ…〇…〇…


俺はしばらく美月の背中を優しく叩いていた


俺は美月とのハグをやめ、遥香の方に向いた


〇〇:遥香…


遥香:〇〇…


〇〇:美月のこと、許してやってくれよ…


遥香:…


〇〇:多分、俺の事1番近くで見てきたからこそだと思うけど…


〇〇:俺は、もう大丈夫だから…



遥香:…〇〇がそう言うなら…


〇〇:ありがとう


〇〇:美月、帰り大丈夫?


美月:うん、まだ余裕あるから…


〇〇:そっか…



沈黙が続く…



美月:〇〇…


〇〇:ん?


美月:私…〇〇のこと忘れられなかった…


美月:だから、こうやって会いに来たんだけど…


美月:〇〇にひどいことしちゃったけど…



美月:もう一度…やり直してくれませんか?…



〇〇:美月…


美月:今は遠距離っていう形になっちゃうけど…


美月:絶対に、この街に戻ってくるから…


美月:私…もう嫌なの…


美月:〇〇がそばにいない生活は…


〇〇:美月…


〇〇:…もう1回、1からやり直そう…


美月:〇〇…!


〇〇:俺も、もう嫌だ…


〇〇:美月が隣にいてくれないと…


遥香:私はお邪魔みたいですね〜…


〇〇:遥香…


遥香:今度こそ、絶対に幸せになってくださいね!…


遥香は美月に近づく…


遥香:美月さん…


美月:はい…


遥香:次、〇〇のこと手放したら…


遥香:本当に許さないですし…


遥香:私が、〇〇のこと、もらいますからね…!


美月:遥香ちゃん…


遥香:それでは…


遥香は自分の家に帰って行った…



遥香:(はぁ…)


遥香:私が〇〇を幸せにしてあげたかったな…


私は、涙を流した…



〇〇:美月…


美月:〇〇…


俺たちは、どちらからともなくキスをした…


〇〇:…んっぅ…


美月:んっ…


お互いの愛を確かめ合うように…


美月:はぁ…はぁ…


〇〇:美月…


〇〇:改めて、大好きだよ…


美月:私も大好き…


fin…

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