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【9】遊びと仕事 「あたらしい貢献のかたち」

 そんなとき、幸運にもこれまでとはまったく毛色の異なる仕事経験の機会を与えてもらうことができた。中長期的なサービス開発ロードマップ策定のプロジェクトリーダー。会社のこれまでの強みやこれからの変化を見据えて、どのようなサービスをつくっていくかを大局的に議論してまとめていく仕事だ。

 会社のことを、過去から未来へと時間軸を伸ばして考える。Googlemapのズームイン&アウトのように会社全体を俯瞰することと特定の組織をつぶさに観ることを往復する。それは、自分の視界や視野がダイナミックに変わるワクワクする体験だった。

しかし、それだけならたくさんあるうちの一つの仕事だったかもしれない。

決定的にこの仕事が違ったのは、これまでの自分のあらゆる場面で身につけた力が、無理なく溶け合ってうまく統合できたような仕事でもあったことだ。

・コンサルタントで培った物事を構造化し、関係者の目線を合わせて推進すること
・サービスで実現したい理想の状態をイラストで表現すること
・自分なりの視点も交えながら推進方法をデザインすること
・結論ありきではなく事実とその場にいる人の感覚や対話のリズムを活かしながら創発的な場をつくること

居場所を失う怖れからではなく、自分を表現することを通じたあたらしい貢献のかたちに思えた。

 不安や怖れから身につけた強みも、喜びからはじめた遊びも、一見弱みに見えるものも、自分の体験のすべてが自然と目の前でつながっていくよう。

これまでの経験やともに働いてくれた人、一緒にいてくれた人への感謝が湧いてきた体験だった。

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