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死にたがりのくせに。


時々、
私はなんで生きてるんだ。
と、思う時がある。
哲学的な意味ではなく、
言葉通りの感情だ。




死んだ。と、聞いた。

どちらも、疎遠になっていた。
部屋を掃除していたら
貰った詩集が出てきた。
1度だけ家に行った。1人で。
その人は私の理解者だった。
別に深い話はしなかったけど、
頑張ってねと言われた。
また来てね、とも言われたけど
それは、叶わなかった。
というか、もう
そんな約束さえ、忘れていた。

今よりもっと何者でもなかった私
小さな部屋で1人で暮らしてた。
先立たれて、1人になっていたあの人も
1人だったのだろうか。
もう、声も顔も思い出せないくせに。




あんなに元気だったもう1人は
いつの間にか居なくなった。
疎遠になってもう何年も経ってた。
元気だったはずだった。
昔、裏切られた事があった。
ひとしきり泣いたけど
それが彼女なりの防衛本能が故と
分かったあとは
馬鹿なフリして接していた。
その後もずっと裏切られていたけれど
私にとっては些細な隠し事で
そんなことより孤立する彼女を
私は何故か放っておけなかったから。

今も元気でいると
信じてやまなかった。


電車のホームに
思わず吸い込まれそうになる時があったり
高い所から
飛び降りたくなったりする。

そのくせ、車に乗った時
山道を走られるのが
すこぶる苦手で
そういう時は私はよく目をつぶる。
そうする度に臆病だと笑われるのだ。
その夜は決まって、
車に乗ったまま崖から落ちる夢を見る。

痛いものは苦手だし
傷つくものを見られない。
心が動くことに過敏すぎて
いつも死んだように私は生きている。

ネガティブな理由で生き続けている私は
けっきょく相当な「生きたがり」なのだ。


時々、大切な人が
いなくなる夢を見る。
だったらいっそ先に死ねたら。
と、思う。

「長生きは、したくない」
と、子供みたいなことを口にする。
そんな私を置いて
彼女たちは先に行ってしまった。


後悔はしないように。
と、日々思うのだけれど
変なプライドばかりが邪魔をする。
きっと、これからも
沢山後悔するのだろう。
当たり前なんて何も無いことなど
この短い人生で
幾度も経験しているはずなのに。


否が応でも私も周りもおいていく。
色んな意味で。


葬式は嫌いだ。
人の骨は見たくない。
その骨が綺麗だろうが脆かろうが
どっちにせよ嫌なのだから。
ずっと逃げているだけだけれど。

死にたがりのくせに
人一倍死には敏感なんだ。
嫌になっちゃうね。

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