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かわいい、に、なれたら。



寝たのは朝の6時。
起きたのは8時だった。
ビジュアル撮影だってのに
馬鹿すぎるよ。な、
一日の始まり。
あっちあちの湯船に浸かって
汗かいてからパックして
ビジュを整えようにも
全然寝不足の朝。

満員電車は遅延しまくって
入り時間の15分前には着く予定が
結局5分前になってしまった。
メイクさんはいつもの方だったので
「今回ちょっと可愛いテーマの
撮影はしんどい…」
と、震えながらメイクをしてもらった。
パープルとブラウンメインのメイクに
ピンクのチークをのせてもらった。
髪型はカワイイを意識して
アップにしてもらった。
いちごのヘアワッペンをつけてもらって
「こんな歳なのに大丈夫か…?」
と、零したら
「可愛いはいくつになってもいいんだよ!」
と、言われた。
そういえば最近
同じことを私も言ったわ。
と、思った。
どうせ可愛くしてもらうなら
いっそツインテールにでも
してもらえばよかった。
とか、思った。

震えながらスタジオinして、
カメラマンさんに「よろしくお願いします」
と、お辞儀し、
「ちょっと可愛いは苦手なので
助けてください」
と、イルミナススタッフに懇願し、
撮影手順を教えてもらった。
クマのぬいぐるみと撮影する
と、聞いた瞬間に
「あー、共演NGっすね」
と、ふざけて答えた。
無理よ、クマのぬいぐるみ抱えながら
可愛い写真撮れるわけないじゃん。
照れちゃうのに。

「無理です、助けてください」
「可愛いは門外漢です」
と、連呼していたら
スタッフの皆様が
「大丈夫だよ!」
「可愛いよ!」
「撮れてるよ!!」
と、ボディビル大会バリに
掛け声を掛けてくれた。
そんなビジュアル撮影を
する人いるか普通。
メイクさんにもメイクルームを出る時
「こんなに憂鬱な顔をしながら
スタジオに行く人初めて見た」
と、笑われた。

カメラマンさんも察してくれて
「こんな感じでお願いします」
と、声をかけてくれたり
「可愛いよー、いいよー!」
と、誠実な可愛いをかけてもらった。笑
多分人生の中でも
可愛い最大瞬間風速を浴びたと思う。

クマのぬいぐるみを貰った時、
チョークスリーパーをキメたら
「そんなことやる人はいない」
「クマがかわいそう」
と、言われたので首根っこを掴んで
持ち上げたら、
「それはドラゴンボールでしか許されない」
と、言われた。
アイドルはそんな写真は撮らないらしい。
なんてこった。
まぁアイドルじゃないからいいや。

自己肯定感の低さに
生きづらさを感じる日々だ。


話は変わるけど、
私は昔男の子になりたかった。
高校生まではショートヘアだった時期が
長かったし、
スカートは全然持ってなかった。
短パンTシャツで
ドッジボールや野球にあけくれる日々。
ラブandベリーよりムシキングで
コーカサスオオカブトに
興奮するような女の子だった。
中学時代は
剣道なんかやっちゃったせいで
余計男っぽさに拍車がかかり
よく道行く人に
男の子だと思われて
声をかけられる始末だった。
女の子は弱いし陰湿だし卑怯だし
そういうのが大嫌いで
遊ぶ時も男の子と
遊ぶことが多かった。
そのせいで女の子のコミュニティから
嫌な目で見られて
一軍女子にイジメまでは行かないけど
ハブられたりすることも多かった。
まぁ、
「嫌な女がまた陰湿な噂流してらァ」
と、気にしてなかったけど。
でも同時に
女の子にも憧れて、
私服でスカートを履いたりしたけど
「女の子みたいなカッコしてるw」
と、いじられてから
人前でスカートを履けなくなった。
今も女の子でいるのに
ほんの少しだけ抵抗があるのは
きっと、その呪いのせいだろう。

ま、それも今は昔の話で
今の私はまぁ、若干抵抗はあるものの
だいぶそういうのに慣れてきた。
20歳そこそこの時に、
素敵なお姉さま方に出会ってからは
「まぁ、女も悪くないな」
と、思えるようになった。
女ってヤダな、と思うことが
ゼロになった訳では無いが。
まぁ、男性だって
男やだなって思うこともあるだろう。
そんなもんだ。

それなりにコスメに興味もあるし
可愛い服も着たいし
(露出だけはゴメンだが。笑)
可愛いものを集めたりもしたい。


カメラ前で
可愛い表情をしたっていいじゃないか。


メイクさんに髪型どうするか
聞かれた時に
「可愛いポーズは苦手なので
髪型思いっきり可愛くしてください」
と、言えた私は
ちょっとだけ成長した気がする。

や、結局割と
クールに決めようとしてるじゃんか。笑
可愛いへの道のりは
まだまだ長いな。。。

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