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そうだ、本を読もう 【なかしょー編】

みなさんこんにちは! なかしょーです。

『そうだ、本を読もう』シリーズ、初回はわたくしなかしょーが、実際に入院中に読んで癒されたなあと思う本を紹介します。辛い治療に寄り添ってくれる、そんな一冊に出会うきっかけになると嬉しいです。


1. 『無菌病棟より愛をこめて』 加納朋子 著

推理作家の著者が、突然急性白血病と告知されて…。
飾りなく率直な言葉で綴られる闘病の日々。しかし重苦しい雰囲気かといえば全くそうではなくて、どこかホッとするような空気が漂う。きっと治療が始まった人には『ああ、わかる!』と思わず頷いてしまう、そんなシーンが度々登場します。
私自身、告知を受けてすぐに手に取ったのがこの本でした。ページをめくるたびに共感の嵐で、まるで良き理解者に出会ったような気持ちになったことを憶えています。
もちろん好みはあるでしょうが、ぜひ一読をお勧めしたい一冊です。


2. 『アイネクライネナハトムジーク』 伊坂幸太郎 著

日常は静かに過ぎていくけれど、圧倒的な主役はいないけれど、みんな誰かと繋がっている。短編集のような趣の本書ですが、最後には一枚の絵が出来上がる…かもしれない。つまるところ確実なのは、病気になって何かが終わったような気がしていても、まだ何も始まってはいないということ。言いたいことは、ただそれだけ。
…と若干カッコつけてみましたが、要するに素敵な短編小説が、一工夫もふた工夫も施された先で、新しい気づきを与えてくれる、そんな本です。
断言します。間違いなく面白い。


3.『フライ・ダディ・フライ』 金城一紀 著

主人公(鈴木)は47歳の平凡なサラリーマン。ある日彼の娘が、高校生のボクシングチャンピオン(石原)に殴られるという事件が起こります。復讐を考えた鈴木は、石原が通う高校へ乗り込むものの、そこで知らない高校生(スンシン)に返り討ちにされてしまいます。よくよく話を聞くと、そこは石原が通う高校ではないという事実が発覚。しかしそれが新たな繋がりを生み、スンシンとその仲間である高校生たち(ザ・ゾンビーズ)が力を貸すことに。
ひょんなことから始まる47歳の青春復讐劇は、笑いあり涙ありで、ページをめくる手が疾走すること間違いなし。ちなみにゾンビーズは決して優秀な高校生ではありません。むしろ世間的には落ちこぼれです。しかし彼らは間違っていることには間違っていると言える、自分を貫き通す強さがあります。
そんなゾンビーズに背中を押される主人公とともに、治療の日々を歩んでいく。
一歩一歩、自分の力で。

それもまた、癒しになる気がしています。


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いかがだったでしょうか?
興味のある本が見つかった方、そしてもしかしたら『これ読んだことある!』と思った方もいらっしゃるかもしれません。もし一冊でも読んでくださった方、リモート患者会でのご感想も、ぜひお待ちしています。笑。

それでは次回は、とみさんのオススメです。
みなさんどうぞ、お楽しみに!





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