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量子コンピュータは並列計算ではない?

量子コンピューターは0と1の重ね合わせ状態を使って計算するので、あらゆる数を同時に表すことができて、従来のコンピュータよりも素早く計算することが出来る。

最近、この説明が間違いであるという意見がよく流れてくるようになった。

間違いだと言って責める意見ばかりが増えてくると、萎縮してしまって良くないように思う。怖がって誰も説明しようとしなくなってしまう。

この説明自体はかなり昔から専門家の人たちも使っていたもので、それほど間違っているとも思えないのだが、この表現だけが広まりすぎたせいで誤解を生んでしまっているのが現状である。

ちゃんと補足すれば正しくなるので、この説明をした人を無条件に責めるのではなく、優しく補足してあげるようにしよう。あるいは「あれだけでは誤解を生むのでもう少し詳しく説明してやってくれ」と責めるようにしよう。説明してくれる人は歓迎である。

同時にたくさんの計算を行ったとしても、最終的に取り出せる結果は一つである。すべての結果は取り出せない。目的の結果だけを取り出せるような計算方法(アルゴリズム)を見つけないと役に立たない。なんでもかんでも速く計算できると思わせてしまうところが誤解なのである。

役に立つアルゴリズムをもっと見つけたり、ちゃんと金になる応用分野を見つけたりしようとみんな頑張っている。

重ね合わせだから速いという説明自体が本質ではないからやめてしまおうという意見も分かる。色々と知ってくると見方も変わってきてそんな感じもしてくる。ただ、そういう話は難しすぎるし、近寄りがたくなったりもするだろう。

世間に受け入れてもらうには、思い切って単純化した説明もまた必要だと思うのである。

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