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量子ゲームQuantAttackが面白い

先月(2023年4月)に量子コンピュータの内部動作から着想を得たゲームが無料公開された。

開発の背景などの面倒くさい説明はPR記事に任せることにしよう。

これは次のリンク先で無料で遊べるのである。

https://qniapp.github.io/quantattack/

ブラウザでもスマホでも行ける。インストールとか要らない。

レトロゲームっぽい荒いドットによる表現になっているが、それはわざとそういうデザインを選んだようである。ごちゃごちゃしていて面倒くさそうだなという第一印象だったので自分はずっと手を出さずにいた。

やってみたら面白かったのでちょっと紹介したい。

基本ルールは思い切り簡単である。テトリスかぷよぷよみたいな感じであり、同じブロックを2つ縦に並べれば消える。ゲームのチュートリアルでもその程度のことしか説明されない。

ところが隠しルールがいっぱいあるようなのだ。私もまだ把握できていない部分がたくさんある。プレイヤー同士で攻略情報を交換するゲームなのだろうか。そういうところも昔のゲーセン文化のようで懐かしい。

ただ、今のところ情報交換が行われている様子もない。

(追記)5ちゃんねる(臨時退避中)でルール解析をやっているスレがあるという情報をいただきました。

Twitterでの自己報告→手動集計によるランキングによるとトップランカーたちは数十万点も取っているようだが、私は頑張ってもまだ5000点を超えられないでいる。

出てくるブロックは「+YZTSH」の6種類のようである。これらは量子コンピュータの内部で使われている各種の量子ゲートを表しており、+というのは別名「NOTゲート」あるいは「Xゲート」である。だから、性質の似たXYZとその他のTSHがあると考えると分かりやすいかもしれない。

このゲームでは、量子ゲートを続けて通過したときに量子ビットが元通りに戻って無意味になる組み合わせのときに消えるようにルール設定されているらしい。

そう考えると確かに、ただ消えるわけでもないようだ。例えば二つ並べただけでも完全に消えてしまう場合と別のブロックに変化する場合がある。
TT→S
SS→Z
という変化を起こしており、理論通りだ。

(追記)一部、ゲーム性を優先しているそうです。例えば理論的には次のようになりますが、虚数まで正しく表現しようがないし、せっかく消したのに残ってばかりなのも嫌ですからね。
XY → iZ
YZ → iX
ZX → iY

たまに3つの組み合わせでも消えている。いや、別のブロックに変化する場合もある。

S+S→+
SYS→Y
SZS→消える

これ、まだまだあるんだけど、どこまで書いてもいいんだ?
4つでやっと消える組み合わせもある。
自分もまだ全部見つけたという確証がない。

この他にCNOTゲートという、バーのようなものも登場する。この存在は量子コンピュータの原理を知らなくても普通にゲームの戦略性に影響していて面白い。

こいつの挙動もまだ謎である。これを挟んで上下のブロックが突然反応することがある。

量子コンピュータに興味をもってもらう入り口としては良く出来てるな、などと偉そうなことを思っていたのだが、プレイを続けていると量子ゲートの関係が自然に脳に刻まれていく感じがしてきて、ちゃんと学習効果もあるかもしれないと感心した。それが実用的に必要かどうかは知らない。

難しいことを考えずに騙されて遊んでみてほしい。

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