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直売所の裏側 ・ 佐藤広樹さん(のーかる店長)のお話を聞く


はじめに

E探メンバーの川田です。11月13日(土曜)のE探の回は、直売所「地元農家のとれたて野菜 のーかる」店長・佐藤広樹さんのお話を聞かせていただく回でした。
のーかるは、地元立川ならではの野菜や普段スーパーなどには並ばない野菜など様々な商品を販売しています。鮮度にこだわったおいしい野菜、お豆腐、野菜に合わせた調味料などもあります。
佐藤さんがのーかる店長になる経緯、お店で取り組んでいること、農家さんやお客様とのコミュニケーション、お店の未来や想いなどお話ししてくれました。

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店長:佐藤広樹さん


佐藤さんとエマリコさんの出会い〜のーかる店長にいたるまで

■2012年2月 エマリコくにたち社長・菱沼さんと会う。
■2014年4月〜 菱沼さんの関わる事業に携わるようになる。
■2016年4月〜 立川のーかる店長を5年経験。
2014年4月に加わって、すぐに「くにたち村酒場」、9月には「にしこくマルシェ しゅんかしゅんか」などいろいろな事業の立ち上げ時期が重なり、自分は一体何屋なのか?というくらいいろんな種類の仕事をやっていた。(くにたち村酒場のテーブルの木を切ったりも!)移動販売、店頭販売、”くにたちあぐりっぽ”という、国立の農家さんを紹介するポータルサイトの編集長も務め、農家さんに自ら取材に行ったりなどもしていたそう。


店長としてのお仕事
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出勤:午前8時〜9時  帰宅:午後18時〜21時
週に2回は佐藤さんが集荷。それ以外の日の朝は、お店で野菜や加工品の検品、野菜の値付け、バーコードラベル貼りなどをスタッフの皆さんと一緒に行っています。

同じ野菜が届いたときは?
3つの農家さんからほうれん草が届いた場合は、どれがどの農家さんが生産したものなのかを認識するためにラベルを貼り分けたり、束ねているテープの色で区別するなどしてスタッフのみんなに共有ができるような工夫をする。

POP作り
陳列する野菜の隣に設置するPOP作りは欠かせない作業。POPに書く内容は農家さんの名前、入荷日、お野菜の種類、食べ方やどんな特徴があるかなど。スタッフそれぞれ考えや思うことが違うので同じ内容にはならないそう。そのPOPを見てお互いが感じたこと、考えたことを勉強し合えることも。
それぞれにカラーがあって毎回違って手書きだから読むのも楽しい。料理が得意な人は作り方を書いたり、それどうやって食べるの〜?などと新たな発見もある。

お店がオープンしてからの業務
オープンしてからは接客、発注、MTGや打ち合わせで確認事項の共有や相談することをルーティン化している。 新商品の投入や、新商品展開のための試食なども。店内の配布物の作成、セールチラシの原案、販促物なども自ら手がける。発注するものは野菜だけでなく加工品などもあり、取り扱うものすべての発注作業を担っている。取り扱う商品のほとんどの発注作業を担っています。

立川で作られているもの、どんな農家さんがいる?
立川は主要野菜が作っている方が多い。青果の仲卸業者さんに卸してらっしゃる方も。逆に、小規模に色々な種類の珍しい野菜を作っている方もいる。果樹、東京ウド(江戸東京野菜に指定されている)、食べられる花(エディブルフラワー)、切り花を育てる農家さんも。養牛、養豚、養鶏など様々。のーかるでは、お花(切り花)もよく売れていて、野菜は買わずにお花だけ買いに来る方も多いそう。
農家さんとの関係を築く中で、このタイミングでこの野菜が欲しい!と思っている野菜をリストアップし農家さんに伝えて、作ってもらったり、逆にこんな野菜を作ってみたいのだけど、どうかな?と農家さんから相談を受けることもあるそうです。


野菜を売るために工夫していること
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食べてみることを大切にしている
まず、"食べる"ことを大事にしている。例えばほうれん草でも作る人によって全く味が違うし、毎年違ったりする。こっちの農家さんの方が甘みが強いな...など、どんな違いがあるのかというところを、どこか研究のように楽しみながら食べ比べて、スタッフと感想を共有しているそう。食べてみることによって味を知り、食べ方の提案ができる。

野菜一つに  旬の走り、盛り、なごり がある
野菜は同じ種類でも旬の時期がちょっとずつ違い、その違いを楽しむこともできる。その違いを表現すると、味の違いは野菜や果物により違うので一概には言えないが、水分量が多くて瑞々しい。"盛り"は味が乗っている、なごりは身が固くなり始めたり、甘みを持っているタイミングもある。
水分量が多くて瑞々しい。旬の盛りは、1番味が乗っている時期。旬のなごりは、皮が固くなり始めたりもあるが、旬の中で1番あまみを感じる野菜も。

陳列によって売れ方に大きな差が出る
お店の空間には、来客する方の視界によく入る場所「よく売れる場所」がある。そのスポットに特に売りたいものを確実に置くというのが重要なこと。動きが鈍いなあと感じたら、そこに視点が向いていないということなので、
空気を入れ替えるような意識でこまめにレイアウトし直すことは常に気にかけている。朝、昼、夕方など、来店客数を見ながら、「今、在庫で多い野菜は何か」をスタッフと把握しながらこまめに変更しているそう。

野菜の顔を見極める
野菜の中にも顔(フェイス)の表と裏がある。バーコードを貼る場所はそこを見極めて貼るようにしている。いい顔が見える方向をお客さんに向けてあげるようにする。佐藤さんいわく、「ほうれん草の束にも顔はある」

野菜の並べ方
野菜の存在感を引き立たせる並び方がある。適度にこんもり盛ってあげるなど。ケースに残り1本、2本の時は全く動かなくなってしまう!
陳列するときはボリューム感を出すように、こんもり盛ってあげる。ボリューム感を出すように盛ることが重要とのことだが、盛りすぎてしまうと逆に動かないことも。(崩したら悪いと思わせてしまうからか・・・)

お店とお客様と街とのコミュニケーションのためにやっていること

料理上手なお客様とのコミュニケーションも楽しい。お客様から、作り方を教わることも。。それを普及するというか皆に伝えることも楽しい。
珍しい野菜は手作りの説明POPも作っている。ズイキ(里芋の茎)の処理の仕方、野菜の処理の仕方を「レシピを考案してください!」と、飲食店さんに野菜を持って行って、作ってもらったことも。そのレシピは、裏にその飲食店さんの情報を載せて店内で配布したりもしていた。飲食店さんじゃないと思い浮かばないレシピもあるのでお互いが楽しくなるような仕組みも。飲食店さんものーかるの野菜を利用してくださるお店が多いので関係を築いている。


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商品開拓はどのように行っている?
地元の農家さんは、農家さんからの紹介で広がることが多い。地元の農家さん以外は、インターネットで調べたり、人伝に紹介してもらったり。加工品も同様に、お客さんから紹介してもらってメーカーに問い合わせしたりして増えることも。
お客様の顔が浮かんで、この商品、常連のあのお客様が喜んでくれそうだなというイメージが頭に浮かんで仕入れることもある。
直接生産者さん、メーカーさんと話すことは面白い。農家さんも、加工品のメーカーさんでも、自分の商品に対して、熱い想いを持った人から仕入れ、その人にお金が巡るように現場でその想いを伝えて広め、応援する人を増やしていきたいと考えているので、共感したものを仕入れたいという想いがある。

のーかるが目指す未来の姿
2017年〜2018年の目標に掲げていたことを今でも取り組んでいる。それは"のーかるに関わるみんながワクワクするお店に育てること。"そのためにお店のボス、店長である自分が1番ワクワクしていて、魅力ある人でいられるように、自身を高めることも忘れずに。働いている場所の価値がどんどん上がっていって、働いているみんながさらに自信を持てるように佐藤さん自身がやらなきゃいけないと思っている。そこを目指そうと思って取り組んでいる。働くスタッフが生き生きとしていて、職場に来ることが楽しいな!と思えるように環境を整備することも重要だと思っている。スタッフもそれぞれ皆取り組んでいることがあるので、皆が目指していることを心から応援して背中を押したり、励ましたり、自分ごとのように捉えて、応援していたい。

常にお店が変化し続け、新しいチャレンジをしていること

みんなのモチベーションを保てるように重要だと思っていることが、お店が常に変化し続けること。新商品を入れる、季節感のあるものを導入するなど、"新しい何かにチャレンジするという変化"がとても大事だと思っている。モチベーションを保つために、背景を知るということも大事にしている。取引先はたくさんあるが、メーカーさんにもなるべく会いに行ってスタッフにもお客さんにもどのような背景があるのかを伝えることを大切にしている。自信を持ってお勧めできるものだけを置くように取り組んでいる。

お客さん、飲食店さん、取引している商社さん、業者さん、スタッフのみんな。のーかるに関わる人たちが、のーかる楽しいよね、ここに出すと売れるよね、背景がちゃんと伝えてもらえて思いを汲み取ってもらえるという実感を得てもらえていること。そういうことを皆に感じて欲しいから、皆のハブとして頑張りたいと思っている。

そのハブとしての役割、背景が見える関係づくりの一環として取り組んでいるのが、毎月自分たちのお勧めを紹介する"のーかるだより"の発行。裏には毎月のプライスダウンする加工品の情報や、特売商品の日程がわかるのーかるカレンダー、表には見学に行った農家さんの取材や新品の紹介の記事を掲載!写真も佐藤さんが撮られているとのことですが本当に素敵だし、見ているとワクワク楽しい、学べる内容になっています。


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終わりに

いかがだったでしょうか。生産者さんへのリスペクト、スタッフへの思い、お客様との関係づくり。のーかるというお店を軸に変化を作り出し続けていく、みんなのハブとしての役割を果たすために取り組まれていること全てに愛情を感じられ、お話を伺ううちに心が温かい気持ちで満たされていました。もう、ファンになりますよね。応援せずにはいられないですよね。

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地元農家のとれたて野菜 のーかる
所在地: 〒190-0023 東京都立川市柴崎町3丁目14−3
営業時間: 10時00分~19時00分
定休日: 日曜
電話: 042-512-5415


〜おまけ〜
お話のあとは参加メンバーで会場の、くにたち村酒場で懇親会♪
キウイ(紅妃)の試食会やキウイワイン(ロゼ)をいただきました。紅妃はもう本当に甘味と旨味がギュッと濃縮されていてキウイ独特のえぐみのような後味は全くなく本当に甘くて至福でした。キウイのワインも初めていただきましたがとてもスッキリ甘さ控えめで飲みやすかったです。ほんのりキウイの香りがしました。シャーベットとかチーズ系のケーキとかとも合いそうです。幸せな時間でした。
E探は第2期の開催もあるそうです!私のようにお野菜好きな方、食いしん坊な方いらしたら是非ご参加ください!みんなでワイワイお喋りをする時間もとても気分転換になって楽しいですよ。

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