好きなオープニングの話をする回
オタクの端くれとしてたまには好きなアニメのオープニングの話でもするか。(曲については音楽の素養が無いのであまり触れられず映像メインの言及になると思いますが、平にご容赦ください。)
①「BLEACH」 OP13『乱舞のメロディ』
どうしても見てほしかったので許して……。
~18:15から。シドの「乱舞のメロディ」。最近だと歌唱ガチ勢と専ら噂のVtuber星街すいせいさんがカバーしていました。
作品自体がオサレと称されるだけあって、平均してクオリティの高い「BLEACH」のOPの中でも屈指のハイセンス。ちなみにこの時期の本編は空座決戦編。空座町のレプリカを舞台に、護廷十三隊の隊長格と藍染率いる十刃が激闘を繰り広げていました。
まず所々ひとりでに歪み、軋む背景は人間の目では捉える事の出来ない霊体である死神の戦いを表現したもの。のっけから視点の違いでリアリティを追及する切り口には脱帽します。10000オサレポイント。
そして畳みかけるサビ。アニメ寄りではなくあえて原作の筆致に極めて忠実な作画でオサレが畳みかけてきます。1000000オサレポイント。あまりの画に圧倒されますが、実はここにもならではの拘りがあります。……お気づきだろうか?
このオープニング、恐ろしい事にサビに入って以降、スタッフクレジットが監督のそれを除いて一切映っていません。なんなら終盤までタイトルロゴすら出ていない。ノンクレジット版ではなく放送版にもかかわらず。
理由は至極単純。画を存分に魅せるため必要なクレジット表記はサビに入るまでに全部済ませているから。しかも画面には一切文字を被せない徹底ぶり。アニメ作監としての自信と誇りを感じさせる見事なワザマエです。
……100000000オサレポイント――。
このオープニングの「アニメーション担当」は職人として有名な石浜真史氏。すなわち原画・絵コンテ・演出・作画監督すべて氏ひとりの手によるもの。バケモン過ぎ……。
石浜氏といえば直近だとあの「SPY×FAMILY」のOP絵コンテ・演出を担当されています。ちなみにこのサビ前にクレジットを完了する手法は同氏が監督を手掛けた「ホリミヤ」(2021)のオープニングでも採用されていました。
②「東京レイヴンズ」 OP1 『X-encounter』
~1:08から。
2013年秋アニメの「東京レイヴンズ」から。これも絵コンテ・原画・演出とも石浜真史氏。サビの直前にタイトルロゴを持ってくるずらしのテクがここでも光る。音ハメも心地いいですがこの映像で言う事はひとつ……監督は謙虚な方なんだなぁ。
こういうクレジット芸が好きなんですよね。当然センスが問われるのでやればいいというものではないにせよ、ただの文字ではなくアニメーションの一環として用いているのが真摯で。他に例を挙げると「WORKING!!」のオープニングで毎回シバかれてる監督とか面白いです。
③「先輩がうざい後輩の話」OP 『アノーイング!さんさんウィーク!』
せっかくなので新しめのやつも。これに関しては本当にただ好きなだけなので紹介に留めます。下記のエントリを読んでいただいた方が参考になる。(僕の所感とも一致している)
④「三者三葉」 OP『クローバー🍀かくめーしょん』
上述の「先輩がうざい後輩の話」と同様、日常系アニメに定評がある動画工房の作品。何気にきららでは最長の連載期間でやってたらしい。
これを語る上でなんといっても外せないのが、
「蒼き流星SPTレイズナー」のオープニングです。誰か説明してくれよォ!両作品ともサビの直前に音源にはない伴奏を入れてあらすじ紹介を挟む点が共通して僕の好み。ハイライト演出の元祖がこの作品なので巷では「レイズナー形式」とか言われたりします。
このメソッドは最近はほとんど見かけませんが、一時は「デュラララ!!」や「バッカーノ!」など群像劇を得手とする成田良悟原作のアニメでよく用いられていました。あの場合、メインの登場人物が多くて視聴者が大変なので整理する意図もあったのかもしれない。(スタッフがほぼ同じなのもある)
⑤「落第騎士の英雄譚」OP 『アイデンティティ』
~22:05から。
メジャーどころは殿堂入りとして、これを外すと流石にフェイクの誹りを免れ得ないか。原作者もよくわからない刀の柄に小指トンを筆頭にクールなモノクロが炸裂する同期アニメ(2015年秋)の中でも破格の映像美。
作画から迸る熱気と酒井ミキオのオープニングと聞いてピンとくる人はいるかもしれませんが、本作は日本男児の義務教育である「スクライド」の影響受けまくり。というか原作者たっての希望で音楽担当は劇伴含めて「スクライド」のチームで組まれている。本編もそこまで露骨にフォロワーというわけでないにせよ、芯にあるアツさは隠し切れていない。
意地があンだろ!男の子には!!
⑥「C3 -シーキューブ-」 OP1 『Endless Story』
~21:12から。
2011年秋クール放送。好きとはいえこれはかなり思い出補正によるところが大きいと自分でも思う。(この時期がいちばん楽しかったので)
挙げてみたはいいものの画的にはほぼヒロインのフィアが音ハメで跳ね回るだけの映像なので、あまり特筆する箇所はないかも。田村ゆかりが歌って跳ねています。強いて言えばこの当時ささやかに流行ったぐるぐるカメラワークがあるくらいか。
次クールのオープニングと共通する点として、いちいち無意味にパンチラする辺りも「当時の味がする!」という概ね郷愁に近い愛着。すごく動いてるように見えて流用だったりするような涙ぐましい省エネも低予算アニメの味なので嫌いではないです。褒めているのか貶しているのか。
⑦「可愛いだけじゃない式守さん」OP 『ハニージェットコースター』
最新作からひとつ。もはやただ動画工房が好きな人になってきたチョイス。どうにも主人公(和泉くん)のウケがあまり芳しくないっぽく、サジェストに「つまらない」とか「微妙」みたいなネガティブワードが理不尽に並ぶ切ない本編ですが、見てる感じそんなことはない。少なくともこの時代に三白眼の顔のいい女(式守さん)を浴びるほど見られて僕は嬉しいです。
閑話休題。やはりオープニングたるもの、それがどのような作品なのかとキャラクターの人物像が最低限伝わって然るべきであり、その点で言えば本作はかなり高得点の部類。スマホカメラから始まる日常の切り抜きから、同級生の中での二人の立ち位置、彼女の前でかっこつけようと振る舞う和泉くんと、それを見てむくれる式守さん。僅か30秒で鑑賞する上で必要最低限の情報量が伝わってくる。
二人の微笑ましい間柄はひたすらvividに描きつつ、式守さんの「可愛いだけじゃない」部分は明確にトーンを落としてメリハリをつける事で作品の方向性も印象付けられていてよかった。「なんか僕よりも彼氏みたい」という歌詞もあいまってわかりやすい事この上ないオープニングではなかろうか?
重ねて言いますが、僕はこの三白眼で顔のいい女が大好きです。
⑧「どろろ」 OP1 『火炎』
MAPPAは現状、オープニングアニメのクォリティだけ拾っても「呪術廻戦」や「平穏世代の韋駄天達」が控えている最強のスタジオとして今回のレギュレーションでは一律で殿堂入りにしようかと思っていたんですが、手塚治虫と組まれたんじゃあ仕方がない。
というわけで「どろろ」です。手塚作品の中でもひときわ陰惨というか善悪や死生観とかそういうものが溶けて流れ出ていったような未完の作品を小林靖子がどう料理するのかに注目が集まりました。案の定、「最後に希望が残ればその過程においては何をしてもいいんだ!」と言わんばかりの筆致で盛大にやらかしてましたが、それはさておき。
歌詞の方は正直今でもそんなに意味は取れてないんですが、百鬼丸は心の眼で命の炎を判別できるという事もあり、それを意識したテーマであることはなんとなく伝わります。炎(=命)はいつか消えるからこそ何も要らないはずの百鬼丸にどろろが、そしてみおが視えているという事だろうか。とりわけ感心したのは、
という『どろろの歌』の一説をストレートに表現したオマージュ。すっとぼけたようなオリジナルの歌詞からそんな所を拾ってくるとは恐れ入る……。
⑨「ハナヤマタ」 OP 『花ハ踊レヤいろはにほ』
~00:32から。
いま大河でアツい血染めの都鎌倉を舞台にした2014年のよさこいアニメ「ハナヤマタ」から。当時の流行に漏れず、本作も廃部の危機を乗り越えるフォーマットですが、きらら枠はきらら枠でもきららフォワード連載だったのでその過程に結構なギスギスを挟んだりします。ただし近年はなまじ作者が同じなせいで「きれいなおちこぼれフルーツタルト」という深刻な風評被害(?)も。
とはいえオープニングは全員仲睦まじくきららジャンプのノルマも達成しているので言う事なし。わざわざここで取り上げたのはひとえに放送から8年……の時が経過してなお、僕がNEXTスタンダードになる事を願ってやまない「制服振袖」のロマンゆえに!
まぁ身も蓋もなく性癖と言ってしまえばそれだけの事ですが、憧憬として今もこの胸に深く刻まれた光景でもあります。本編もこのくらい踊ってくれれば文句はなかったんですけどね……。
⑩「アイドルマスター」 OP1 『READY!!』
⑪「アイドルマスター」 OP2 『CHANGE!!』
最後にこれを挙げねば嘘でしょう。というわけでアニメ「アイドルマスター」のオープニング。当然「READY!!」もセットで好きです。とある企画で、25話の挿入歌で両曲を繋いだメドレーである『READY!!&CHANGE!!!!』をマスターソングに選んだところ、芹沢あさひ役の田中有紀さんともろに被った事があります。(照)
これらの曲はアイドルになる「準備」からアイドルになってからの「変化」が作品の肝である以上、実際不可分であると言えます。もう10年以上前の作品になりますが色褪せる気配がない。とりわけ『CHANGE!!』は2クール目という事もあって各アイドルとも忙しそうにやってるだけでかなり胸を打たれますが、なにをおいても21話の約束回を乗り切った千早の変遷に目頭が熱くなる。
アニマスに関しての個人的な思い入れは語り出すときりがない反面、集積があってこそのカタルシスでもあると感じるため、ここでは深くは述べません。無限に脱線するしね。ひと言だけ。
これからもアイマスですよ、アイマス!
誰でも知ってるようなのはなるべく除こうとすると思いのほか10選は難しかった。ひと昔前に遡ると公式配信もないし。ホントは「真ゲッターロボVSネオゲッターロボ」の、歌詞を100%そのまま映像に落とし込んだスペクタクル映像も共有したいところではあるのだけど。
でも楽しかったので次は第2弾ないしエンディングも厳選していこうかな。たとえ誰に読まれることがなくとも……。
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