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【インタビュー】「社会の技術進化に貢献したい」MLエンジニア佐々木さんの探究心の根っこを聞いてみた

【Profile】
佐々木 彬 Sasaki Akira/東北大学 乾・岡崎研究室 (現東北大学 自然言語処理研究グループ) 博士卒。
株式会社リクルートにて人材領域のデータ活用施策の推進に従事。Kaggle Master。現在はAIエンジニアとして主にLab(ラボ)部門にてLLMの研究開発に取り組んでいる。

関心はずっと、情報伝達とその最適化

佐々木さんの経歴を簡単に教えてください。

東北大学で学部から博士課程にかけて約6年間、自然言語処理(NLP)を学びました。2018年にデータサイエンティストとしてリクルートに入社し、レコメンドエンジンの開発やデータ分析基盤づくりをしていました。ELYZAに来てからはお客様との共同研究プロジェクトを推進したり、現在は主にLab部門で自社研究開発を担当しています。

自然言語処理を研究してきた理由は何ですか?

昔から言葉遊びが好きでしたし、テキストデータの分析にも面白さを感じていました。人はテキストで記録を残すことが多いため、それをうまく扱うことで人の生活がより便利になるのではと考えていましたね。

例えばどのようなイメージですか?

例えば我々も毎日ミーティングを行っていますが、そこで議論されている内容の多くは、恐らく世界のどこかで既に議論されてきたものだと思います。個人や一組織の悩みが人類史上固有のものであることは稀なはずですよね。

そう思うと、誰かの経験や知識、頭の中で考えただけのことまで全て記録され、データ化されるとしたら面白いだろうなと考えてしまいます。究極的には「アカシックレコード」のようなものかもしれません。歴史に埋もれていった知識やテクノロジーの中には、画期的な真実がきっと眠っています。

情報伝達の課題だと捉えるとより身近ですよね。記録されてないゆえに「車輪の再発明」が起きてしまったり、人と人とのコミュニケーションには常にギャップが生じたりと、技術の力で最適化できる余地がまだまだあると思います。

組織の枠を超えて、社会の技術進化に貢献したい

8月末にはELYZAで研究開発した日本語モデルが公開されました。佐々木さんの手応えはいかがでしたか?

「ELYZA-japanese-Llama-2-7b」を公開できたことは非常に嬉しかったですね。多くの反響をいただきましたし、何より社会に貢献した実感が得られました。

※編集より
佐々木さんらが研究開発した、Metaの「Llama 2」をベースとした商用利用可能な日本語LLM「ELYZA-japanese-Llama-2-7b」が2023年8月29日に公開されました。こちらのnoteもぜひ読んでみてください!
https://note.com/elyza/n/na405acaca130

オープンなモデルとして公開したことで、技術者の方々がELYZAモデルを土台に新しい境地に立つことができた。人類がというと大げさですが、日本が、世界が、ひとつ新しいことができるようになった。そこに自身が貢献できていたなら嬉しいですよね。

それが実現できた理由は何だと思いますか?

「未踏」を目指すELYZAならではの環境は大きかったと思います。ChatGPTの登場が非常に衝撃的で、現在は多くのプレイヤーが一気に参入している状況です。その中で、皆と同じことやって規模や早さを競うのではなく、未踏を目指したい。

そういった想いが、他言語LLMの性能を日本語に引き継ぎ、フルスクラッチでなくとも優秀な日本語LLMを開発できるのではないか?という問いやチャレンジにつながりました。データを整えたり、評価指標をつくったり、非常に地道なプロセスもありましたが、着実にやり抜いたこともELYZAらしいなと感じています。

技術ドリブンな組織だからこそ、新たな領域に挑戦し続けられる

ELYZAに入社を決めた理由は何でしたか?

ELYZAが事業ドメインありきではなく、技術ドリブンな組織だったことですね。いろいろな新しい技術に挑戦できそうだと思いました。世の中の技術進化に貢献できると嬉しいというお話をしましたが、私自身も新しい技術やスキルを獲得していくことが楽しいと感じます。

働き始めてから感じたことはありますか?

メンバーの誠実さ、真面目さを感じます。とりあえずやってみようというより、やるべきことを正しく積み上げようとする気風ですよね。ELYZAとして「Long Term Greedy」という価値観を掲げている通り、中長期的にみて良いことをやろうと。この考え方は、私自身の価値観にも合いますし、その前提をみなと共有しながら建設的に議論し協力し合えるのは嬉しいですね。

最後に、今後のチャレンジについて教えてください。

現在はまずLLM領域で最先端であり続けたいと思います。継続的に、何らか社会に対して先端技術知見を発信していきたいですね。将来的な話をすると、良い意味でLLMに執着することなく、次の先端領域を見据えて活動し続けられたらいいなと思っています。

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