人はなぜ犯罪を犯してしまうのか?


約半年ぶりにログインしました。
お久しぶりです。
就活等に追われていて時間がなかったのと、書くネタがなかったので投稿を停止していたのですが、意欲が湧いてきたので再開しようと思います。

今回は、裁判の傍聴をした感想です。

緊急事態宣言下で暇な時間を持て余すなか、ふと思い立って裁判の傍聴に行ってきました。電車と徒歩で20分くらいの場所にあるので割と気軽に足を運べます。
裁判所は10階くらいまであり、刑事裁判を扱う階や民事を扱う階などで分かれていました。自分は刑事裁判ばかり、3つほど傍聴しました。
最初に傍聴した裁判の被告人は、罪状:詐欺。新件(第一回目の裁判のこと)でした。裁判官らの説明によれば、無職でホテルやネカフェを転々としていた中で、オレオレ詐欺的な行為を働いてしまったみたいです。
金銭に困窮した中での、犯罪。
ありふれた動機のようですが、だからこそ他人事ではないと思いました。


同じように、お金に困窮した中での窃盗事件も傍聴しました。
ただ、こちらは給料で十分に賄えるはずだったのに、金遣いの荒さからお金に困り、会社のものを勝手に売ってお金を得てしまったとのこと。具体的には、離婚した妻から娘の学費がほしいと言われたことがきっかけだったようです。
被告人は反省しているようですが、窃盗した相手方への賠償の話をあまり進めておらず本気が感じられませんでした。そこは弁護人にも突っ込まれていました。「会社は信頼して役職も与えてくれて、その信頼を裏切ってしまったわけだがそこはどうなのか?」「また同じ裏切りをしてしまうのではないか?」といったような、結構鋭い質問が弁護人の口から発されてましたね。
また、証人として、事件後に被告人を採用した会社の社長が証言してました。どうして採用したのか、今後被告人とどう付き合っていくのか、などを聞かれていましたね。事件に直接関与してなくても証人になれるんだ、と驚きました。

このへんみてて、「裁判って就活みたいだな」って思いました。
被告人質問は「どうして罪を犯したのか」「迷惑をかけた相手にどう向き合うか」など、被告人の考えを深掘りするような訊かれ方がなされます。この深掘りの仕方が、「どうしてその業界を志望するのか」「学生時代、なぜそのことを頑張ってきたのか」といったことに突っ込んでいく就活に似ているな、と感じたのです。

それはそれとして。
どちらの事件も、金銭に困窮した中で犯罪に走ってしまった、という事件でした。この2つの裁判を傍聴して、私は他人事ではないな、と思いました。
実際に自分も将来お金に困ることがあるかもしれない。また、今この瞬間お金に困っている学生だっているでしょう。
それでも、きっと法律を犯してまでお金を手に入れようとは思わないと思います。
なぜなら、法律を犯した時点で、二度と普通の人と同じステージには立てなくなるから。犯罪を犯したという過去は一生ついてまわります。
それに苦悩するくらいなら、犯罪を犯そうとは思わない。
ではなぜ上記の人たちは犯罪を犯してしまったのか。また、なぜ犯罪を犯してしまう人たちがいるのか。

私は考えました。
それはたぶん、精神的に余裕がなくなってしまうから。
善悪への頓着がなくなってしまう程に追い詰められた時、人は犯罪に走ってしまうのではないかと。
勿論、心の底からの悪党・凶悪犯もいるとは思いますが、そうではない人の場合。
お金に、人間関係に、苦しいくらい追い詰められた時に道を踏み外してしまう。
換言すれば、その人の心の弱さが本人を犯罪へと導いてしまうのだと思いました。
これは裁判をみていても、素人目にわかったことです。
答弁をきいていると、被告人は明らかに意思が弱いというか。自らの罪に真摯に向き合えていない、と感じました。
そういう弱さが、きっと事件当時にもあったんだろうなと、そう推測します。

では、犯罪を抑止するにはその弱さをカバーすればいいのではないか。そういう結論に至ります。
そういう、心の弱い人を救う仕組みが、今の世の中には必要だと思います。
犯罪ではなくとも、苦悩の結果自身の命を絶ってしまう人も大勢います。そういった社会問題に立ち向かうための1つの方策として、弱い心をケアするような制度が、必要だと思いました。具体的には、カウンセリングをもっと手軽に行えるようにするとか、でしょうか。
裁判を傍聴したくらいで大げさかもしれませんが、社会問題を考量するいい機会になったと個人的には考えています。

裁判の傍聴は随時無料で行えるとても有益な社会勉強ですね。
窃盗事件のほうの判決がまたすぐにあるので、それにも行きたいと思います。

皆さんもたまには裁判の傍聴、いかがでしょうか?

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