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腹話術に新風!を巻き起こしたセリア・ムニョス

AGTセカンドシーズンでウィナーを勝ち取ったテリー・フェイターを始めとしてゴット・タレントには数多くの腹話術師が登場してきた。
ざっとおさらいしてみよう。

先ずはテリー・フェイターのAGT1st オーディション。エタ・ジェイムスの見事な歌真似を披露。

次は2015年のウィナー、ポール・ザーディン。テンポよく繰り出す切れ味抜群の技。

そして2017年、ダルシー・リンの1stオーディション。まるで生きているかのようにパペットを操り素晴らしい歌声を披露、メル・Bのゴールデンブザーをゲット。

というところで2022年、スペインからセリアの登場。大歓声の1stオーディション。

腹話術といえば大抵パペット等、自分の代わりに話したり歌ったりする道具を用いるが、彼女は元オペラ歌手という経歴を武器にラジオから流れる歌を模するという新機軸。しかもデンタルフロスや歯磨きをしながら、最後は水を飲みながら、という大技。その後のステージでも定番となるマノロとの電話のやりとりも楽しい。大技に隠れがちだがキッチリとキメている。

続くセミファイナルではマノロとの通話で始まり、ドライブインシアターで映画を観る設定。ドリンクを飲みアイスやポップコーンを食べながら、という大胆な技を惜しみなく繰り出す。

そして迎えたファイナル、伝説のオペラ歌手の魂を降臨させる、と言う設定。動画タイトルにもあるが元オペラ歌手の本領発揮、堂々たる歌いっぷり。途中途中にマジック的なものを取り入れコミカルなテイストに仕上げている。

AGTでのステージを3本観てきたが、実は彼女、2021年スペインのゴットタレントのウィナーだった。おそらくAGT制作サイドからのオファーがあったのだろう。そういう私も後から観たのだが、そっちも凄い。いや、寧ろ個人的にはスペインでのパフォーマンスの方が好きかも。

というわけでゴットタレント・エスパーニャでの1stパフォーマンスを。

意外にも?オーソドックスに人形「ホセリート」を使った、歌で真っ向勝負、な感じ。テリー・フェイターをYoutubeで観て「これやりたい!」と思った、というセリア、奇抜なだけのハッタリ屋ではない本格派なのだった。あと、どのパフォーマンスにも言えるがどことなくコミカルな雰囲気があるのは既に持ち味、と言っていいだろう。

次にセミファイナル、AGTの決勝でも披露していた「マリア・マリブラン」降臨パフォーマンス。

ほぼ同じ展開だがよりのびのびと演じている気がするのは母国語だからであろうか。審査員のダニが「口を開けて歌う人よりも遥かに上手く歌っている」と評しているがまさにその通り。全員一致の「パセ・デ・オロ」を獲得。余談だがスペインのゴットタレントはGBを決めるのにこうして長々と議論するのをよく見る。これ割と好き。

さて、ファイナルは如何に?最後を飾るに相応しい圧巻のパフォーマンス、とくとご覧あれ。個人的にセリアのベストパフォーマンスだと思っている。

素晴らしい!あの気難し屋、司会のサンティ曰く「超ケチんぼ」(なかなか高い評価をしない)のリストに「脱帽した」と言わしめ「勝者になるべき」と唸らせた。ここで初めて見せたラジオ歌唱、水飲み演技でAGTの制作はオファーを決めたのだろう(邪推)いかにも新しモノ好き、ビックリ好きなAGTらしい。私自身は特にAGTでよく言われる「今まで見たことがない」「ラスベガスクオリティ」も度が過ぎるとどうなの?とやや批判的に見ているが、その話はまたの機会にして、セリアのパフォーマンス、またもし開催するならAGTチャンピオンズとか、是非とも観てみたい。

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