黒神話悟空の発売から思う事

最近中国のゲーム界隈の話題は黒神話一色になっている。
なぜかというと、黒神話は中華ゲー史上初のAAAコンシューマゲームである。自国産のAAAタイトルを遊ぶことは、1000万超えの中国ゲーマーの30年以来の悲願ともいわれている。
そんな期待を一身に背負う黒神話は、見事にみんなの期待を応え、相応のクオリティを打ち出し、発売3日で売上1000万本まで伸ばすという中華ゲーにとって前人未到の快挙を達成した。Steamの統計データによると80%の売り上げは中国地域から来たことは一旦置いといて。

ちなみに私はアクションゲームをそこまで好きじゃないのでやってない。本記事もゲーム感想記事ではない。今後の中華ゲー業界はどうなっていくかについて適当につぶやくだけです。

中華ゲーについて話す前に、まず背後にある資本を話さないといけない。
あくまで個人の意見だが、中華ゲー業界の資本はあり得ないほど保守的で、ゲームというメディアを商売道具としか見ていないため、とにかくリスクを負うのを避けて立ち回る。その代わり行動が早い。とあるジャンルが実績が作れたら、全員が一斉に流行りに乗り、その結果一時同じジャンルの作品が乱立し、激しい競争が起こる。

歴史を辿ると何回も同じことが起きている。
「陰陽師」というソシャゲが流行ってから、中国国内に二次元ソシャゲが乱立
原神が大成功したから、アニメ調オープンワールドソシャゲが大量発生
今回黒神話の成功で同じ現象を引き起こすのもおかしくない。主流の資本も注目をコンシューマゲームに移すだろう。
ではついにAAAタイトル量産も現実味を帯び始めているのか?
現段階でそれを予測するのは難しい。コンシューマゲーム、特にAAAタイトルの制作は、ソシャゲと違って、開発チームに大量の専門的ノウハウと開発期間を求める。(ソシャゲを貶す意図はなく、ただ求める技能と開発スタイルが全然違うことを言いたい)
そのニーズに応えるチームと人材は、今の中国に圧倒的に足りない。AAAタイトル産業は、ノウハウの蓄積と人材の育成を途切れずに5年あるいは10年をかけて、ようやく成熟すると思う。資本たちが、一時的な損失を耐えて、それらの努力に費やすことはできるかは、個人的には怪しいところ。逆にそれさえ耐えられれば、未来は明るいと言えるでしょう。

今後中国がコンシューマゲーム大国になるのか、それとも黒神話が一発屋で終わるのか、見ものですね。


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