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【随筆日記】ストリートビューで追う47都道府県思い出の場所《山梨県》

14山梨県久遠寺

身延山久遠寺

山梨県は富士山の近くで、ちょっと冬は寒くてその分夏も涼しいのではというイメージがある。とんでもない。夏の山梨は厭になるくらいに暑くてたまらない。

 もうだいぶ昔の事、あまり夏休みに遠出ができなかった中、千葉から甲府まで臨時のお座敷列車が出るという情報を得てせめてこれにでも乗って特別な旅気分に浸ろうと言う事になった。で、甲府からただあずさに乗って帰るのではつまらないから身延線に乗って遠回りで帰ろうということになった。写真の久遠寺はまさにその身延線の沿線にある。

 横浜に住んでいると沿線に用事でもない限りは身延線なんてまず乗る機会はない。甲府に行きたければ中央線を利用すればいいし、本当に沿線に用事でもない限り乗る事がない。それこそ高校生の頃清里へ行く用事があってそれが午後だったのでわざわざ身延線に乗って甲府に行き、そこから中央線で小淵沢まで行き、そこからさらに乗り換えるなんて面倒臭い事をした事があった。わざと移動時間を長くしたかった。その時に乗って以来、本当に数十年ぶりに身延線に乗った。

 甲府から東海道線のどこだったか、身延線で行くつもりがせっかく乗ったのだし途中の身延で降りてみようと本当に行き当たりばったり。その後の展開もわかると思うが身延に来たからそれじゃあ久遠寺に行こうということとなる。それにしても死んじゃうのではというくらいの暑さだった。特に身延という場所。駅から降りるとどこからともなく熱風が吹き付け、日向には一分と居られないくらいの暑さ。お昼を食べようと食堂を探すも、すぐに見つかってもそこへ行くまでが億劫。何もかもが暑くてたまらない中、食堂はまさにシェルターかと思うくらいの涼しさだった。

 その後久遠寺までどうやって行くか考えるのも面倒臭く、タクシーで行っちゃえということになった。だらだら食堂で時間を潰し、3時前くらいに食堂を出るとほんのちょっとだけ日差しが傾いてきたような気がした。気がしただけだった。

 その後の事はあまり覚えていないが、タクシーでダイレクトに久遠寺まで行き、お寺の中をくまなく歩き回っていざ帰るときには鬼のような石段を下らなければならなかった。この石段の段差が膝くらいまでの高さくらいあったのを覚えている。なので「鬼のような石段」という言葉が相応しい。あれ、登りだったらダメだったなと今でも思う。その石段こそがカバー写真のその石段だ。

 そんなわけで思いつきで出かけ、思いつきで立ち寄った久遠寺の思い出は今でもちょっとだけ残っている。その後帰りはどうしたか、たしか東静岡にガンダムが登場したとかでわざわざそれを見に行ったような記憶もある。アニメなどまったく関心のない自分が何故にわざわざガンダムなのかわからないが、見に行った。そして帰りはその頃まだあった急行東海で大船まで帰ったような違っているような。まあそんな感じで久遠寺だけ際立って覚えている■

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