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【随筆日記】ストリートビューで追う47都道府県思い出の場所《福井県》

21福井県敦賀駅

敦賀駅

 米原から北陸線、または大津から湖西線に乗ると最終的には敦賀駅に到着する。かつて青春18きっぷの鈍行旅をしていたときに敦賀や福井まで意味もなく列車で行ってみた。乗り換えの都合で駅前をちょっと散策するくらいしかできないのだが、その中でも敦賀駅は印象に残っている。

 ところがストリートビューで敦賀駅前を見ると数年前に駅舎を新しくしたのか、当時の面影があまり残っていないように感じられる。自分が最後に敦賀に行ったのもだいぶ前で、ざっと15年以上は前の事じゃないだろうか。実はこの思い出を辿る、その時の写真を使わずストリートビューを選んだのかはそのあたりにある。自分の記憶の中の場所と現在のギャップが激しいほど思い出も当時のものへと偏るものだと考えたからだ。

 といっても敦賀駅で語るような思い出もない。とにかくこの駅にはよく来た。ここまでやって来て北陸線を石川方面へ行った事はほとんどない。ここから米原や大津へは何度も行ったし、小浜方面へ行った事もある。

 かつて日本が敗戦したとき、大陸や半島から引き上げてきた人は色んな場所から本土に上陸をした。その中でも敦賀は代表的な場所だったらしい。以前の駅の様子を見るとなんとなくではあるがそんな人たちがちが息をつく暇もなく列車に乗り込んで南へ北へ、ある者は西へと散り散りになっていく様子がなんとなく想像もできた。以前の駅前をふらふら歩き回った時にはそのような事を考えながら歩いていた。しかしカバー写真の駅前からはちょっと想像しがたいことになったかなと思う。もう一度書くと写真の場所は敗戦の時に大勢の人が大陸や半島から引き上げてきて本土に上陸をした場所の駅である■

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