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【詩作日記】 「134 / アイスコーヒー」

窓際でアイスコーヒーが
くたばりかけている
じっとりと汗をかいて
くたばりかけている
色の濃い部分と薄い部分
ハッキリ分かれて
すっかりぬるくなり
忘れられたまゝ
くたばりかけている
ねっとりと夏の日差しを受けて
くたばりかけている
注がれた時の勢いも
心地よい香りも失せ
たゞたゞテーブルの上で
くたばりかけている
中に入っていた氷も姿を消し
くたばりかけている
窓際でアイスコーヒーがくたばるのも知らず
他愛もない会話に飽き飽きし
たゞたゞ窓の外の海を
眺めている
その間にもアイスコーヒーは
くたばりかけている


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