【随筆日記】ストリートビューで追う４７都道府県思い出の場所《岐阜県》

岐阜城

　岐阜というと「美濃」と「飛騨」の二つにすぐ解体できる。その中の「美濃」というのが自分の中でも岐阜県そのもので、「飛騨」に実はそれほどの思い出がないのが残念だ。いつかもっとじっくりと飛騨を見て感じたいとは思っている。

　ある年の夏の事、友人と名古屋へ行き、午前中友人は用事があるからと別行動になった・その際に岐阜に行った事がある。駅から朝もまだ早いのにまっすぐ長良川に向かって歩いていた。とにかく暑かった。暑すぎる。この「暑い」こそが自分の中の岐阜県だ。もっと以前にも別の場所に行った事がある。やっぱり「暑い」が先行した。冬の時期に岐阜に立ち寄った覚えがない事もあるのだろうが、いつでも岐阜は暑いのである。

　岐阜駅から長良川まで暑い中歩いて、そこから先にはもう行けないと観念に、橋の下に潜って漁を取った覚えが或る。どこの橋なのかも記憶は曖昧だが、一番覚えている事は暑かった事。そして橋の下にもぐると川からの風が多少涼しさを運んできた事、そして遠くの山の頂上にごま粒ほどの大きさの岐阜城が見えた事だ。これまで全国の城を見て回ったが、あんなに高い場所にある城は初めてだと言うくらいに高いところにあった。

　友人と再び名古屋で落ち合う約束があったので岐阜城にまでは行けなかったが、あそこからの眺望はさぞかしすごいのだろうと思う■