あのとき思い描いた「大人」

私は大人ではない。

成人はしている、お酒も飲める。
肉体的な成長は終えた。
しかし「精神面の成熟」はできていない。


将来の夢(生前)

私がまだ小さかった頃、作家になりたかった。自分がよく読んでいる「本」を作る、そんな仕事を夢見た。
学校の先生や警察官にも憧れた。

中学の職業体験では図書館や新聞社へ行かせてもらい、図書館司書になるのもいいなと思った。

高校生になり、志望大学の冊子を見ていたとに、「総合人間形成学科」という言葉にひかれ、実家を離れたい思いも相まって
宇都宮大学を目指そうとしていた。
その頃の私は「臨床心理士」になりたいと思っていた。

死後のエリー

交通事故に遭い、しばらくは臨床心理士のことも総合人間形成学科のことも頭になかった。
母が「友達と同じタイミングで大学に行こう」とそそのかすから、私は高卒認定を受けた。母が悪いと言いたいわけではないが、そもそものきっかけは母である。

今思うとすれば、私は私で(一度死に、再発達のための活動がたくさんあり)大変だったのだが、
母は母で大変だったと思う。仕事のこと祖母のこと、そして変に幼くなった私の相手。

通信大学へ進学したが、勉強に身が入らなかった。
不純な動機で(「母が唆かすから」という理由で、もっといえば「そうしたら人が喜んでくれるから」)高認を受けて進学した。

私は別に進学したいわけではなかった。人の期待に応えようと思っただけだ。
「エリーならできる」と思って唆したのだろう。だったら「やる」だけよ。

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