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微積分が苦手な高校生へ。なぜ微分、積分だけいつまでも「分かった気がしない」のか。

高校数学の大きな壁として、微分積分があります。微分という操作を導入するためには極限という概念が必要で、この極限という概念が高校生など初学者が微分積分を勉強するハードルを高くしてしまっていると私は思います。

というのも、極限とは何か、limという記号の意味するところを正確に説明することが非常に難しいからです。高校の教科書をよく読むと、xを限りなく大きくすると、とか十分大きくすると0に近づくときナントカかんとかと書いてあり、政治家が国会で答弁に困ったあげく歯切れの悪い答弁をしているかのように書いてあります。これじゃあ分かった気がしないと思うのは当然で、もしここで分かった気がして先に進んでもその先の微分とか積分でつまづいて、何がわからないかを遡って考えた結果極限のことがよくわからないという結論にたどり着くと思います。むしろこれは自然な現象だと私は思っています。

じゃあ極限のことをもっと詳しく書いてくれよと文句を言いたいところですが、極限を正確に、厳密に説明すると理解できない人がげきぞうすることが予想され、ほとんどの人が挫折してしまう恐れがある、と教科書を執筆した大学の先生たちは思ったのだと思います。私もそうおも言います。あれは本当に数学が好きで、多少難しくても我慢して勉強を続けることができる人が勉強するべきかと思います。興味がある人はネットで調べてみてもいいでしょう。たぶん理解できません。

しかし高校生は大学受験を乗りきらねばならないわけで、こんなんわかんないよですまされません。そこで、私から解決策を提示します。

それは、高校の教科書ではなく、大学で学んでいる人の解説を聞くことです。たとえばyoutubeのヨビノリの解説動画は、大学レベルの数学を極めて、研究で利用している人(本業は物理のようですが)が解説されている動画なのでかなりの程度で信用がおけます。間違いなく高いところから数学を見ており、高校の先生より洗練された解説をしています。

また、大学の数学を中心にyoutubeで解説されている古賀まさきさん(まさきの漢字を失念してしまいました)の動画はかなり本格的で、もしかしたら高校生には少し難しいかもしれませんが、古賀さんは数学の研究をされている大学院生で、実力も経歴もヨビノリさんより数学のプロに近い存在だと思います。私も古賀さんの動画をしばしば参考にすることがあります。

結局のところ、数学がわからないというのは教科書が厳密さを排除する代わりに多くの人が分かりやすいように書いてあることが
あるというのがひとつの原因、もうひとつあえて言うならば数学をよくわかっていない教師が授業をしているというのも場合によってはあります。これに当てはまる教師は非常に多いとわたしは考えています。分かりやすく話すのは悪くないけれども、何が正しいかをわかっていて話すのと、教科書に書いてあることの一歩先の深いことを知っていて話すのとでは伝わりかたが全く違います。予備校の先生の話が分かりやすいのは、その多くが大学で学問を深く追求してきたからだと思うのです。

研究の息抜きにコンビニの100円コーヒーを買いたいと思います.サポートいただけると幸いです.