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私、鬱になったことあるよッ!


あまりおおっぴらに言うの、嫌だったんですが笑
コロナ禍で気持ちが鬱々としている方もいると聞いたので、
少し心配になったので、筆をとりました。
(実を言うと、3月に書いていたのですが、どうもアップする気にならず、、でも今度こそアップしたいと思います)
軽いタッチでいきます!

私、鬱になったことあるよッ!

ある日起きたら鬱だったんです。
4、5年前のことでしょうか。
境目はわからないんだけど
ある日起きたら鬱だったのです。
風邪みたいな感じ。
といっても最初は鬱になった!なんてわからないし
まさか私が鬱になるなんて、思ってもみませんでした。
けれども鬱を経験してみて
これは誰にでも起こる可能性があるかもしれない
と思ったのでシェアできたらなと思いました。
精神の強さは関係なく、
あ、少しはあるかもしれませんね。
いろいろ、くよくよしがちで、
ナイーブだね、って人に言われる方は
もしかしたら可能性が高いかもしれません。
いろんな仕事をしてきましたし
いろんな大変な局面を乗り越えてきたはずなので、
鬱になったときは
「へ?いま?なんで?」
と思いました。
だから、何かいろんな条件や要因が重なった時に
なるのかなとも思いました。
あと積み重ねですね、自分でも気づかない無理が
ちりつもで、ある日ばーんとなる。
気圧とか気候変動も関係あるかもしれない。


どうやって、気づいたか。
最初は、なんだか最近、やる気しないな
怠けてるなあって思った。
気が進まないというか、
気持ちがしょんぼり、浮かないって感じ。
「だめだな、気合いいれないと」
「やることいっぱいあるのに」
「がんばらないと!」
と、自分を鼓舞してもどうもダメなんです。
同時に怠惰な自分を責めていました。
どうしてもダメなんですよね。
やる気がおきない。

そのうちベッドで寝れなくなってきました。
おい、怠惰にもほどがあるだろう!と自分でも思いました。
ちゃんとできなくなる。
日常的なきちんと、が、億劫になってきたんです。
それで、まあ、仕方ないと、だんだん
ソファーで寝るように。
眠気はあるんです。とにかく眠い。そして
気力がない。力がでないんですね。
何にもする気が起きない。
恐ろしいですよ、今思い出しても。
たぶん、ソファーで寝てばかりのあたりから、あれ?とまず思った。

何か大きなイベントとかの後に
燃え尽きてなんもしたくなくなる、
あの無気力感がとくになんの大きなこともないのに
唐突に、なんの前触れもなく。
しかもあの、体力的な疲労感を伴った無気力ではなく
精神的な、無気力。

で、今度はソファーから起き上がれなくなる。
夜だけの話ではなく、しょっちゅうソファーにいて
ソファーが居場所。猫か、って感じ。
なんとかトイレとかお風呂のときは、
気力を振り絞っていかないと、という感じ。
ソファーから這い出していく感じなんです。
まさか?って思うでしょ、でも本当なんです。

そのあとの経過。
ゴミが捨てられなくなった。
これで、いよいよ、おかしいと思った。
当然、電話などは出れないし
かけられない。

ただ、1日の中で、割とましな時間帯があり
「あ、いまだ!」「いま電話できる!」
ってときに仕事の電話などを折り返したり、
おかんに電話をして家に来てもらうように頼んだ。

おかんがやってきて
散乱したゴミにびっくりしていた。
「どないしたん?」
そのとき、
心配をかけたくなくて
「ちょっと体調が、悪くて」
と言った。
「そうか、熱でもあるんか?」
「あるかもしれん」
「寝てなあかんで」
「ありがとう」
そして、呼んだ理由を言った。
「ゴミを捨てて欲しいんやけど」
ソファーから頼んだ。
「うん、わかった、寝とき」
「ありがとう」
そんな会話をした。

で、おかんが家に帰って
ひとりになったとき思った。

こりゃ、やばいぞ、と。
このとき自分のはじめての感じに驚き、
冷静に、これって、鬱かもしれないと思ったんです。
これがきっと、鬱ってやつなんだ。参ったな。

で、私は理系出身で研究者を目指していたのと
あと、作家をしていて、これまた
調べたり物事を、自分すら客観視する職業なので
同時にこう思ったのでした。

「こりゃ、鬱ってなにかってのを体験できるぞ」
「そして、鬱から治るまでを観察できるぞ」
「誰かの役にたつかもしれない」
悲しいかな職業病。
でもそんな風に思ったんです。が、すぐに
あることに気づいて愕然としました。

「待てよ、鬱はどうやって治すんだ?」
鬱の治し方を知りませんでした。
治し方のわからない病気になってしまった。

たとえば風邪。これは病院に行かなくてもだいたい治しかたがわかる。
汗かいて熱を下げたり、漢方を飲んだり、ビタミンとったり、
まあ寝てりゃあ、いつか治る。
がしかし、鬱ってどうやって治すんだ?
鬱ってやつは、、、。
寝てりゃいつか治るって代物ではないことに気づき
こりゃあ”厄介な病気”になったぞと思ったのだった。
だってもう調子が悪くなってから2週間も寝ているが
全く良くなる兆しはない。むしろどんどん悪くなっているじゃないか。

最初はベッドルームまでいけなくて
ソファーか床で寝るくらいだったのに
ソファーからでれなくなり
そのうちトイレやお風呂もかなり気力を振り絞らないといけなくなった。
1日のうちで天井ばかりみている日が続く。

「参ったなぁ、観察っていったけど
 どっからこれ、出ればいいんだろう、この病からの
 抜け出し方がわからない」

出口の見えない病。
蟻地獄みたい。
もがけばもがくほど悪くなる。

気力もないなか天井を見つめては
頭だけはヤバイヤバイを繰り返すのだが
妙に冷静な自分もいた。
そしてその冷静な自分はあることに気づいた。
気力の回復する時間帯が1日に数回あること。
それを活用するしかない。どうやって?
とにかくまずやったことは、友人にSOSの連絡をした。
とにかく鬱っぽい、と言ったり
無気力が続いていると数人に連絡してみた。
それは特に選んだというよりも
たまたま気力のある時間帯に
連絡をくれた人に、レスするときにちょろりと発した
SOSだった。

それぞれ心配して、
漢方の先生や、針の先生を紹介してくれたりした。
が、これが、紹介されても
鬱って、新しいところに連絡ができないのだ。

そういうのが特にできなくなる。
気力を相当使うのだ。
新規、新環境、が、もう不可能。

で、連絡できないでいると友人から
「どうして連絡しないの?
 せっかく先生につないだのに!」
と怒りの連絡が来てしまった。

「ごめん、、どうしてもしんどくて」
「だから紹介したんじゃない!」

この病気はならないとわからないと思う。
もしくは想像力が必要かもしれない。
鬱っぽくなってしまった人は
なかなか自分で行動ができないのだ。
鉛の重りを手足につけられたような感じ。
心にも、どっしりと。

頭で思っていても行動ができない。
気力ってよく言ったものだ。
力が抜けてしまう、気持ちに。
何をするにも気力っていうのが大事だったんだ。
それが、ゼロになる。
トイレに行く気力すらないんだから。
心が死ぬとからだが全然動かないんだなと思った。

天井をまた見つめながら思った。
「SOSを下手に求めると友達もなくすなぁ」

こりゃ本当にどうしたらいいんだろう。
弱ったなぁ、、、このままじゃいけないのに
わかっているのに、泥沼に足を取られ
どんどん沈んでいく感じ。


そのうち料理が全くできなくなった。
包丁が持てない。豆腐も切れないから
冷奴すらできない。
私は料理が大好きで
仕事の息抜き、生活のハリとリズムになっていた。
なのに料理ができなくなった。

仕事はというと
現場があれば死ぬ気で行っていた。
イベントも鬱の期間、実はあった。
なんとか精一杯の力を振り絞ってやりきった。
笑ってくれたり喜んでくれた。
人を楽しませる仕事。
なのに鬱になってしまったなんて言えない。
本当に考えただけでパニック。
やばいやばい、とまた思った。

精一杯やりきってはいたが、
毎回イベントに来てくれて
最前列に座る方々の数人にこう言われた。
「エリー ちゃん大丈夫?疲れてる?」
ギクッとした。
「あ、ちょっとね。やっぱわかった?」
「ううん、なんかちょっと辛そう?」
「あ、、」
「なんか無理してる?」
「ううん、少し調子悪くて。ごめんね、なんか」
バレちゃうんだなー、いつも来てくれる人にはと思った。
申し訳なく思った。
「ううん、楽しかったんだけど、ちょっと顔が疲れてるのかなと」
そう、顔の半分がどうも引き攣ったりこわばったりしているのを
感じていた。これも鬱の症状なのか。

ファンの方にコーヒー豆だとか好きなものをいただく。
嬉しい。ありがとう!と言ってすぐ楽屋へ逃げ込む。
笑顔がこわばってしまっていたんじゃないかと、
それが怖かったからだ。
本当は嬉しいのに、顔がこわばるのだ。
表に出る人間としていかがなものか。
今回、うまく逃げ切れたのかどうか。
こりゃ、時間の問題だなと思った。
どうにかしないと。

料理ができないからコンビニの弁当になる。
部屋にコンビニ弁当のゴミが散乱。
おかんがたまに見に来て、心配する。

そんなとき何人かSOSを送った友人の中のひとりが
「エリー 、元気?あ、なんかさ、
 整体の先生のとこ予約しておいたから!
 この日に行ってね!」
とLINEをくれた。突然のLINEに目をぱちくりさせた。
そして、もう一度読んで、今度はものすごくびっくりした。
「え?!」
だって、このひと、もう予約してしまっているのだ。
私の予定も聞かずに。

「あ、エリー、その先生、予約なかなかとれないからさ、
私予約して、ついでにエリーのも予約しといたのー。
 ダメだったらキャンセルしておいてー
 その日しかとれなかったからー」

と軽やかなLINE。なんてことだ、、、。でも、その日は
たまたま行ける日だった。
でも体力も気力もない。行く自信がない。
ただ、断る元気はもっとなかった。

私の性格上、一度決まってしまうと、変更したりするのが苦手なのだ。
よくいるでしょう?断るのが苦手なタイプ。
あれです、私。悪いなって思うのと、申し訳ないって思うのと。
で、普段から無理してしまう。
もし友人が、この性格を見越しての作戦だったらすごい。

私はとにかく電話して断る元気がなかった。
だからもう行くしかない。
行ってキャンセルしよう。
具合悪かったらとりあえず詫びてキャンセル料を払って帰ろう。

その日もう死ぬ気で、全力の力を振り絞ってアプリでタクシーを呼んだ。
やはりその日ものすごく体調が悪かった。
運良く、1日の数回ある、割とマシな時間帯だったらよかったのだが。
曇りで気圧も低く最悪だった。
「やっぱ、無理!」
ドタキャンも考えたが友人の面子を潰すのが本当に嫌なので
それだけのためにタクシーに乗った。
行ったら断って帰るつもりだった。

夏の暑い日だった。

リンパを流す整体だと言われた。そうだったっけ。
よくわからずに来ていた。
「いいですよぉ、それで、どんな具合ですか?」と受付の人。
私の顔は岩みたいにこわばっていた。
とりあえず症状を言うと
「わかりました、たぶん大丈夫だと思います」
と言われた。
え?どうして?何が大丈夫?と思ったけれど
もう無気力なのでそのまま受付の長椅子に
うなだれて座り込んでいた。

すぐに名前を呼ばれ、部屋に。
施術はひとり15分のみと決まっている。
先生がからだのリンパ節を手でぎゅうぎゅう押して
リンパの滞りをなくすという摩訶不思議な整体だった。

背術中、先生がリンパ節のいろんな知識についてベラベラ言っている。
わかりやすく説明してくれるんだけれど、合いの手のように
「わからなくても聞いてるだけでいいですからねー
 聞き流しててイイヨォ」
という。が、私は薬学部出身なので、全部知っていることだった。

15分後、びっくりした。
あれ?少しいいかも、と思った。
明らかになにか、違う。
少し気分がいいのだ。
よくなるきっかけをつかんだ感触がした。
心に光が差し込んだように思った。

「心の病は体の滞りを治すことからはじめるといいんだよ」

そう先生が言った。
そのことばがいまだに忘れられない。

心を病むと体が動かない。
でも、心を治すきっかけが、体だなんて。

私はリンパをぎゅうぎゅうやられたことで
何か滞りがとれたのか、とにかく心に光が差し込んだのだった。
這うようにして行き道は来たのだけれど
同じ道なのに、、帰りはすっと立っていられた。

ああ、なんてすがすがしいんだろう。
夏の日。
太陽をみあげた。
眩しくて目を閉じて、でも瞼で太陽を感じてうれしかった。

でも、油断はならない。
また悪化するかもしれない。
1日のうちにいい時間帯はあるんだから
また今度もそれかもしれない。
すぐにそう思いなおした。

でも、もしかしたら
体からなんとかするというのはあるのかもしれない。
この20日間、こんなに今みたいに気分がよくなったことはない。
今しかない。
この今のうちに、
いろんな手をうとう。
時間がない。

整体をいくつか友人に聞いて予約。
藁をもすがる思いだった。
とにかくまたすぐこの光が消えてしまうかもしれないのだから。
光の扉が閉じる前に、なんとか次の手を打たないと。
スマホで検索をたくさんした。
整体の前の道路で、検索をした。
するとこうあった。

セロトニンが少なくなると
鬱になる。
セロトニンを増やさないといけない。

セロトニンとは脳内モルヒネ。
ラテン系の人にはこのセロトニンが多く分泌されるようだ。
お気楽ハッピー物質、セロトニン
減ってしまったのをどうすれば増やせるのか。
鬱から回復した人のサイトやブログをたくさん読んだ。
すると、散歩がいいとあった。
しかも、朝7時から9時の時間帯の日光を浴びることとある。
できるだけ朝はやいほうがいいとも書いてある。
10分でもいい、日差しを浴びること。

私はその日から毎朝7時に散歩をした。
日を浴びる、という目的で。
まだ最初のうちは、気持ちいいなぁっていう風には
思わなかった。
ただ、浴びようという意識で無理矢理、
治療の意味で歩いていました。
ビタミン剤も調べて飲んだ。
ミネラルも。サプリでガンガン飲んだ。

日光やらビタミンやらミネラルで、
寄ってたかってセロトニンを増やす作戦。
すると、あれ?少しまた良くなって来ているように感じる。
整体はしばらく行き続けた。それから、ストレッチも。あとは酵素を飲んだり
マッサージに行ったり。とにかく滞る、のがよくないみたいなのだ。
日光を浴びる散歩も続けた。

そうしたら、治ったんです。
ああ、これだ、これ。
ついに、私の気力が、戻って来た!!!

そして私は鬱から帰還できました。
1ヶ月半で、完全に元に戻ったと思います。

でも恐ろしい90日でした。またいつ自分が元に戻るじゃないかとか、
怯えながら過ごしていましたが、ある日
あ、もう大丈夫だなと思ったんです。
いろんな、あの沼に落ちないようなコツを学んだから大丈夫だと思えた。

人それぞれ、鬱といってもいろんな症状、重さがあると思います。
私のは軽かったのかもしれません。
ただ本当に初期の症状に気づき、
体の滞りを無理を無くし
朝7時から8時くらいの日光を浴びること。
サプリなどを補給すること。
それから、これも知人に教えてもらってやり、有効でしたが、
ハンカチに、オレンジの精油を染み込ませて
嗅いでいました。
セロトニン分泌を促進する香りらしいのです。
詳しく書くと、
幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンも分泌促進されるそうで
ネロリ(オレンジ)、ラベンダー、ベルガモット、ローズ、とありましたが
私は家にあった、オレンジとラベンダーを、ハンカチにぶっかけて
気持ちが落ち込みそうになるとそれを嗅いでいました。

こういうことを知っておけば
もしかしたら悪化しないで治るかも人もいるかもしれない。

私が体験を振り返ってみて思ったのは
鬱って風邪みたいにある日突然なりうること。
誰にでも起こりうること。
それをお伝えしておきます。
でも、初期であれば私みたいに治すことができる人もいると思うのです。
もちろん病院に行かれる方もいるとは思うのですが
私は行きたくなかったので行きませんでした。
私は薬が嫌いなので、できるだけ自然のやり方で
治したかったのです。
こういうことを知っておけばいざというときに怖くなくていいかなと思ったので
思い切って書いてみましたがいかがだったでしょうか。
もし、ん?これって鬱か?と思った時、
「あ、そういや、大宮エリーもなってたな」
「えっとあいつは確かどうしたんだっけ、ああそうだ」
と咄嗟の時の一つの脱出法として思い出してもらえれば幸いです。

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