デジタルネイティブ・ババアになって80歳になってもオンラインお茶会しよう
英語にはKeep in touchingという表現がある。
友人などに「これからも連絡を取り合おうね」というニュアンスで、遊んだ日の別れ際などに言ったりする。
直訳では「接触を保つ」となるので直接的な表現に思えるが、こういう英語のストレートな表現が好き。
英語の勉強をぼちぼちやったりはするが、英語の本より夢小説読んだりしてるし、BoAのVALENTI聴いて「結局この頃の音楽っていいよな〜」とか思ったりしている。アメリカにきて尚更以前以上に日本語の歌詞を噛み締めるようになった。
日本語は美しいとかそういう話ではなく(言語は全て美しい)、言葉をなめらかに扱える、比喩がわかる、単語の扱いへのエンパシー、そういうものを噛み締める。おいしい。味わっている感覚に近い。
とはいえ、今最も向き合わないといけないのはやはり英語である。
何人かの近所の女の子と友達探しアプリで出会い、テキストのやりとりをしていて、一人の子と会うことになった。(わたしはマッチングアプリで出会って結婚したために、こういう出会い方への抵抗がない)
いざ会うとなると英語に自信がなく、書くのと読むのはまあまあできるけど喋れない、と伝えると、「誰でも第二言語はゼロからだから友達と話したりしてできるようになればいいよ」と言ってくれた。彼女も英語が第二言語だった。
Brooklyn Museumに行くことになり、ドレスが展示されている企画展と常設展を見ながら、拙い英語ながらにおしゃべりした。というか、見たものの感想を単語で言っていた。これかわいい〜、カーニバルみたい、わあこれタイヤでできてるじゃん、とか。(全てドレスの話です)
展示を見たあとは、カフェでお茶することにした。 美術館内のカフェが学食のようなあまり特別感のない「冷蔵庫のサラダを自分で取って会計する」「自分でジャグからコーヒーを注ぐ」ようなものだった。
レストランの方は「ここはファンシーだね」と言って通り過ぎた。英語圏におけるファンシーとはメルヘンなものという意味ではなく、高級感ある、贅沢な、という意味。私たち向けじゃないね、と単語ひとつで理解し合えた。大いな進歩じゃない?
美術館近くのカフェでコーヒー片手におしゃべりをした。
中国出身で英語が第二言語である彼女との会話は共通点が多かった。アジア人同士はエンタメの文化圏が近い。KPOPの話ができることが多く、アジア圏内出身に限るがジャニーズファンがちらほら見受けられる。有名なアニメの話は大体通じる。言語弱者であるからこそ、世界に輸出された日本の大衆的エンタメはチェックしておくべきものだと痛感する。会話のきっかけになるのは、ONEPIECEでコナンでジャニーズなのだ。
時差の話では「カウコン見る時、1時間時差あってさ〜」と言っていて、そこからジャニーズの話になった。カウコンは毎年恒例で観ていた(年越しそばをなんとなく毎年食べるのと同じ感覚)から盛り上がった。
根がオタク気質で、大学の親友たちともそれぞれの界隈の会話ばかりするし、Twitterで知り合った親友も元々は同じオタク仲間だったし、話題が「普段同僚や家族にはあんまり話さない好きなもの」であるほど、盛り上がれる。 いずれはニューヨークで解釈の一致する夢女子の友達が欲しい(ハードル高すぎ)
ニューヨークという街では、いつまでここにいるかわからないもの同士でやっていくことが多いと感じる。せっかくできた友達がニューヨークを離れるのは珍しいことではない。新しく引っ越してきた人もいれば、友達が母国や別の州に去ったゆえに友達を探す永住者もいるので、 アプリには常に友達を探しているひとが溢れている。
アメリカには長く住む予定だけれど、ニューヨークにはいつまでいるか正直わからない。多くの人にとって、「そういう街」だと思う。
友人探しをしているのは、主に「新しい都市で友達が一人もいないなんて!」という自己憐憫からくるものだった。
しばらく暮らしてみて、無理にたくさんの友達を作らなくても元気に生きていけることがよく分かった。おしゃれなカフェや夜遊びに興味がなく、パーッと飲酒したいという気持ちが湧くことがほとんどないし、多趣味な上に一人でも楽しめる趣味(というか一人でやるもの)ばかり。
趣味の合う友達が数人できた。それだけで十分に感じている。
私が歳をとった時も友達でいられる人にこれから出会える?
そんなことは考えてしまう。
ライフスタイルが変わっても、変わらず親友でいられる人は?遠くに住んでいてもいつでもサポートし合える友達は?
前述の親友たちとはずっと友人でいたいと思う。
どこにいても友人でいたい。遠くに住んでいてもオンライン飲み会したいし、同じ都市にいても歩くことがしんどくなるとかで集まれなくなったら、オンラインお茶会していたい。
今こうして遠くでも繋がれる術を持つ私たちはデジタルネイティブ・ババア(※愛を込めてそう名乗る)になれるのだ。
最高じゃない?きっと今よりWifiも優秀になってるから全然ラグとかなくて話しやすいと思うし、音質も良くなってそう。
結婚しててもしてなくてもパートナーがいてもいなくても、一人で暮らしていても、絶対さみしくなんかさせないし、さみしくなんてなってやらない。
季節の果物とか美味しい漬物のお取り寄せしてお裾分け送り合って、オンラインでお茶会しようね。