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【通関士試験】使用教材レビュー

こんにちは。通関士試験から1週間経ちました。試験が終わったら、と後回しにしていた家事を片づけつつ、気の抜けた毎日を過ごしています…

今日は勉強に使った教材のレビューを。
すべて個人の見解によるものですので、ご了承ください。
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【テキスト・問題集】フォーサイト(お勧め度★☆☆☆☆)

率直に言ってお勧めしません。理由は主に下記3点:
①テキストの内容が薄い
フォーサイトの問題集には載っているのにテキストには載っていないことが大量にあり、結局自分で調べなくてはならない。当該講座は受験生に100点を取らせるのではなく60点を取らせることをターゲットに作成されていると公式HPで銘打たれていますが、そもそも6割の内容で作られたテキストという感じ。フォーサイトのテキストを仮に完璧にしたとしても残りの4割から出題されたら答えられませんし、そうなると本試験で6割に届かせるのは難しいだろうと思います。

②動画講義はテキストのポイントの朗読
耳から入った情報のほうが頭に入りやすい方にはいいかもしれませんが、ただでさえ薄いテキストをさらにかいつまんで朗読されるので、当然試験対策としては不十分。ただ、まず全体の流れを掴むという点においては有効かと思います。

③問題集の解説が不親切
過去問をテーマ別に切り貼りした問題集。問題数は多く演習量をこなすという点では有効だが、正誤問題の正答については解答根拠が何法の第何条かとしか書いていないことがほとんどで、自分で都度条文を調べない限り、違う解答根拠で〇をしていても根拠が誤っているということに気づきづらい。

私は最初に記念受験した年の2016年にフォーサイトを他通信教育対比安価だからという理由で購入し、今年引っ張り出してきて使ってみましたが、正直5万円の価値はなかったなと思います…

【テキスト】通関士スピードテキスト(TAC出版)(お勧め度★★★★☆)

こちらは個人的にお勧めです。フォーサイトのテキストの中身が薄いことに薄々気づいたタイミングで購入。もともと2016年のフォーサイトに反映されていない新しい法改正情報を確認したり、フォーサイトで納得できなかった時にセカンドオピニオン的なポジションで使ったりしようと思って購入しましたが、結局こちらがメインテキストになりました。

スピードテキストという名のとおり短時間で合格知識をマスターさせることを目的に作成されていますが、細かい内容や発展知識、過去の出題例なども交えながら丁寧に構成されており、テキストとしてはこれ1冊で充分でした。一例ですが輸入申告後輸入許可前に法令が改正された場合、適用法令が輸入許可の日の時点になるのはなぜなのか、と言った【理由】まできちんと書かれているのが、理解を促進させるポイントだと思います。また、検査の通知を必要とするもの一覧・担保提供の規定がある減免税制度一覧など、過去問を解いていると必要になってくる横断的な知識がリスト化されてまとめられているのが個人的にはとてもわかりやすく有難かったと思っています。
対応している問題集に『スピードマスター』があり、私は使っていませんでしたがフォーサイトがなければスピードマスターを買っていたと思います。

【実務対策】ゼロからの申告書(日本関税協会)(お勧め度★★★★★)

Twitterやインスタの通関士勉強アカウント界隈では使っていない人のほうが少なかったのではないでしょうか、と言っても過言ではない王道の実務対策問題集。多分に漏れず私もお勧めです。
お勧めの理由は下記3点:
①問題数が多い
輸出入15題ずつの合計30題、申告書問題を練習できます。
申告書問題は演習量をこなしてなんぼという部分がありますので、この問題量はありがたい!

②出題商材が多岐にわたる
1点目とも重複しますが、問題数が多いからこそ出題商材が多いのも魅力的。本試験では何の商材が問われるかわからないので、いろいろな商材(いろいろな類の関税率表)に触れておくというのは試験対策としてとても有意義だと思います。

③問題の指示が多彩
少額品目のまとめ方や輸入割当品目をどの位置に並べるか、HSコードの末尾をEにするのかしないのか、といった細かい指示が問題によって異なるのがこの問題集のよくできているポイントの1つだと思います。問題文をよく読む練習になります。

【実務対策】ヒューマンアカデミー「通関実務」集中対策問題集(翔泳社)(お勧め度★★★★☆)

ゼロからの申告書対比、申告書問題の難易度が高め。ゼロからの申告書を2,3周してしまってもう少し難しい問題を解きたいというハングリー精神ある方にお勧め。逆にゼロからの申告書が難しくて手一杯という方は不安になるだけなのでやらなくても良いかもしれません。

ゼロからの申告書と違う点は、計算問題や分類問題も収録されている点。
計算問題は後述の日本関税協会の計算問題ドリルのほうがお勧めですが、分類問題は程よい問題数で、内容もよくまとまっており◎私は分類対策は最終的にこれと過去問しかしていませんでした。

【実務対策】計算問題ドリル(日本関税協会)(お勧め度★★★★★)

実務の計算問題(問8~12)に特化した問題集。とてもお勧めです。
たかが5問、されど5問。申告書問題は可算項目を間違えて案分比率がずれると一気に10点飛んでいくリスクがありますし、選択式問題は年によって傾向がコロコロ変わりやすいので、計算問題(2点×5問)を確実にとりに行く作戦は有効だと考えます。
問題数が多く、レベルが1~5まで分かれているので簡単な問題から無理なくステップアップしながら演習することができます。レベル3以上は前述のヒューマンアカデミーの実務対策問題集よりも難易度高めです。

【関税法等対策】通関手続ドリル(日本関税協会)(お勧め度★★★☆☆)

関税法等の通関手続部分に特化した問題集。関税法等が苦手な方にはぜひお勧めしたい1冊です。こちらもレベルが1~5まで分かれており、簡単な問題から本試験レベルまで引き上げることが可能。私は8月時点で関税法等の得点率が1番低かったのですが、こちらの問題集を何回転かしたことでかなり安定して過去問が解けるようになりました。ただし、減免税関連の問題はあまり載っていないので、減免税関連は別途対策が必要です。

【法改正対策】マウンハーフジャパン法改正講義(オンライン動画)(お勧め度★★★★★)

2016年のフォーサイトを使っていたこともあり、法改正関連は別途対策がマストだと考え、マウンハーフ模試とセット販売されていた片山先生の法改正講義を購入。模試と法改正講義併せて7千円はおトク。講義はe-learning形式で、レジュメ(パワポ)を手元に視聴する形式。試験が終わるまで何回でも動画を視聴できるので有難かったです。法改正分野は自分で確認するのはなかなか骨の折れる作業なので、ポイントをまとめて講義してくださる当該講座はお勧めです。(でもみこ会に入ればみこさんが法改正ポイントを解説してくださるという噂を耳にしたので、みこ会に入ればこの講座は不要かも?要確認です)

【演習】過去問(お勧め度★★★★★)

言わずもがなですが過去問。同じ選択肢が繰り返し出題されることもありますし、過去問は絶対解いたほうがいいです。通関業法の演習は過去問だけでもいいくらいだと思います(過去問と同じ問題が特によく出るので)
私は通関士ポータルで印刷していました。無料で解説付きなのはとっても有難いですよね。

【模試】マウンハーフジャパン模試(お勧め度★★★☆☆)

前述の法改正講義とセット販売(法改正講座のみの単独購入ができない)だったので模試も受けましたが、模試itselfのクオリティとしては微妙。問題も解答も訂正がとにかく多く、しかもその訂正連絡が雑(試験前に1回訂正案内のメールが来たのみで、以後は連絡なしにそのリンク先が無言で更新されていく…)主語が税関長なのか財務大臣なのかといったポイントの訂正も多く、ともすれば間違ったまま暗記してしまいそうなリスクさえ孕む間違え方。唯一よかったのは最新の法改正トピックが満遍なく問題に織り込まれている点。

以上です。独断と偏見に満ちていますが、ご参考になれば幸いです。

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