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痒い所に手が届く日本語ブログとかがない、とある弱小分野の研究をしているPhDです。

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最近の記事

英国オープン大学のキャンパスの行き方

イギリスのオープン大学(Open University)は日本でいう放送大学で、完全 オンラインの学部課程で知られている。 しかし大学院ではオンラインではなく対面で研究指導を受けることができ、キャンパスが存在するのだ!筆者は実験のため何度かこのキャンパスにお世話になっているが、あまりにも行き方についての情報が少なかったので記録しておく。 キャンパスはロンドンから電車で最短40分ほどの郊外の街、ミルトン・キーンズに存在する。このミルトン・キーンズ、かなりの成功を収めたニュー

    • フィールド調査の予定地が国や県の自然公園かどうか調べる

      これ結構許認可が絡んでくるので大事なんですが意外と調べるの難しかったりするんですよね。 調べたら便利なサイトがありました。環境省による「環境アセスメントデータベース」です。 地理情報システム(GIS)を「地図を見る」で開いて、 情報選択>全国環境情報>社会的状況>環境の保全を目的とする法令等により指定された地域等(自然) の中に自然公園区域があるのです! 色々な情報と重ねて見られるのは便利ですね。(ここで重ねられる地質図はあんまりちゃんとはしていないのが残念ですが。

      • スキャン画像からテーブルを抽出するExtractTableが素晴らしい

        うちの分野はデータ生産スピードがそんなに速くないので、20年前くらいの文書のスキャンされたものからデータ抽出してくるとかよくあります。というかそのためにOCRソフト買ったこともある。 最近はテーブルの画像からテーブルを抽出してくるサービスとかよくあるなと思いつつ、いっぱいありすぎてよくわからんなと思っていましたが、ちょっとまとめてデジタル化する機会があったので何サービスかためしてみたところ、出会ってしまいました。 ExtractTable、これがマジ最強です。(少なくとも

        • 第一世代オイスターカードの返金

          ロンドンの公共交通に欠かせないオイスターカードですが、実は第一世代と第二世代があります。現在新規購入できるものは全て裏面に「D」の印が入った第二世代のものですが、昔旅行や出張をした際に購入した第一世代オイスターカード(first generation oyster card)がひょっこり出てくることもあるでしょう。 結論から言うと、第一世代オイスターカードであってもまだ公共交通で利用することはできます。ただし、TfLアプリに登録して、オンラインでトップアップをしたりすること

        英国オープン大学のキャンパスの行き方

          さよなら引越荷物たちよ(イギリスでの国際小包紛失譚)

          現在、イギリスにて研究者(海外学振ポスドク)をしている。先日、日本郵便の国際小包として発送した引越荷物の4箱が紛失するという事件があったので記録する。いくらイギリスの配送事情が悪いとはいえ、これはかなり運が悪い部類に入ると思う。もちろん、より紛失リスクの低い安全な国際引越サービスはいくつも存在するものの、会社からのサポートの無い海外赴任においては、国際小包を使わざるを得ない場面が存在するのも事実である。本稿が、それでも国際小包による引っ越しに挑む皆様の助けになれば幸いである。

          さよなら引越荷物たちよ(イギリスでの国際小包紛失譚)

          (備忘録)扱いが単純でないアイソクロンについての最近の(おもに統計的)検討の論文

          分析の精度が上がるとともに、昔は見えなかった「バラツキ」がデータに見えるようになってきている。 様々な統計的手法およびそのアルゴリズムの開発と応用は地球年代学分野にも及んでいる。 ユーザーの多いU系列、Th系列の年代決定手法に関する発展が最も著しいが、もう少しマイナーなものに対する論文もコンスタントに出ている。 これらの背景を踏まえた、自分用論文備忘録(全部読んだとはいっていない) 基本的なもの 言わずと知れたIsoplotRのdocument (2023年12月版

          (備忘録)扱いが単純でないアイソクロンについての最近の(おもに統計的)検討の論文

          PDFelementで学位論文を書けなかった件

          理系だとLatex系列で学位論文を書くところも多いが、うちの研究室は少し独特なやり方をしている。 文章をWordで作成、ベクター系ソフトで図を作成、Excelで表作成→全部pdfにして結合してページ入れ つまりpdfの高度な操作が可能なソフトが必要で、アクロバットDCを使用していたが、これがサブスクで高いということで、買い切りソフトを探していた。そこでpdfelementというソフトウェアに行き着き、購入して使用してみたのだ。 結論から言うと、学位論文のような巨大pdf

          PDFelementで学位論文を書けなかった件

          レアメタルはいつ34鉱種になったのか、そしてその内訳は?

          日本の金属資源政策を語る上で必ず登場する単語である「レアメタル」。その定義は時代によって変わりますが定義の変更を追うのは大変です。 レアメタルのはじまりレアメタルという言葉が日本の政策の文脈で最初に使われはじめたのは1980年代で、通商産業省の鉱業審議会レアメタル総合対策特別小委員会による以下の定義が今でも使われています。 レアメタルが定義された年度については1987年度とする場合が多いですが*1レアメタル備蓄制度自体は7鉱種(ニッケル、クロム、マンガン、コバルト、タング

          レアメタルはいつ34鉱種になったのか、そしてその内訳は?

          SumatraPDFで勝手に最近のファイルが開かれないようにする

          PDFファイルビューアーとして、Adobe readerを使っていましたが、重いのといくつか好きでない点があったのでSumatraPDFに乗り換えました。 結果、動作が軽く、使い方も簡単で非常に快適です。 ただ、デフォルト設定だと、開くたびに最近使ったファイルが勝手に開かれてしまっていたので、設定を変更しました。 画面左上の三本線→設定→詳細設定をひらくと、設定テキストファイルが開きます。 テキストファイル中の、 RememberOpenedFiles = true

          SumatraPDFで勝手に最近のファイルが開かれないようにする

          さよならMendeley、さよならWatch folder、そして残されたdoiなしpdfの行方

          さよならはじめての文献管理ソフトMendeley 5年近くお世話になった文献管理ソフトMendeleyとついにお別れすることにした。(正確にはまだお別れしきれていないが。) 数年前にMendeleyのAndroidアプリが終わってしまった時からなんとなく不穏な空気はしていた。ついでに、投稿論文に合わせた書式で参考文献リストの作成をしたり、Wordに文献を挿入する上では、Mendeleyはいささか力不足だなという気はしていたので、すでにEndnoteを導入していた。 (参考)

          さよならMendeley、さよならWatch folder、そして残されたdoiなしpdfの行方

          radian+httpgdでVScodeをRstudioっぽくする

          いちおう前回(radianの文字化け対処)の続きです。 研究者にとってRstudioのいいところの一つは描画機能だと思います。 大きさ等の調整が視覚的にしやすい ベクターファイルを含む様々な形式ですぐに図を保存できる VScodeだとデフォルト(?)で出てくるplotterはあまりイケていなくて、低解像度だし、ベクター画像保存はできるけど開いたらプロットの丸がなぜかテキストとして入っていたり…といろいろ謎です。 ただしhttpgdというパッケージを使うことでRstu

          radian+httpgdでVScodeをRstudioっぽくする

          VScodeのRコンソールradianを使って文字化けする時の対処法

          radian導入の経緯 使うプログラミング言語はPythonばっかりでしたがRに色々と便利パッケージがあるのでRも使い始めました。 パッケージお試しだけならRstudioが便利なので使ってましたが、いろんな理由でだんだんRstudio不満になってきてVScode導入しました。 ただVScodeのR拡張機能で初期設定のコンソールがあんまりいけてなかったので様々な方がおすすめされているradianを入れました。 ※ この記事をお読みの方ならご存じの通りradianはpyth

          VScodeのRコンソールradianを使って文字化けする時の対処法

          難読地名の読み方を調べる方法がやっとわかった。

          日本語文献の思わぬ落とし穴「読み方わからねえ」分野的に、昔の地質調査報告書を読み漁る必要があるときがあります。時によっては、それを英訳しないといけなかったり。 専門用語は調べればわかるんですが、地名の読み方がかなりの確率でわからなくて四苦八苦してたんですよね。 調べるサイトもなかなか見つからなかったのですがついに見つけました。 国土地理院の地理院地図です。 使い方(ちょっとコツがある)国土地理院が整備する地名情報のうち、居住地名と自然地名には、地名の読み方の情報も含ま

          難読地名の読み方を調べる方法がやっとわかった。

          論文のrevise、Wordの管理こうすれば良かったのか。

          比較するだけじゃない、比較結果を保存する論文のreviseの時、変更箇所がわかるようにハイライトするというのは割と普通だと思いますが、このたび、ありがたいことに査読者の方から「校閲業者さんか?」と思うレベルの、全体におよぶ単語レベルの修正を頂きまして(しかもmajor revision)、査読返ってきた時点で「こんなもん全部ハイライトできるかボケ」という感じになっていました。今から自分たちでも修正するというのにね。 でも論文誌の規定で「reviseするときはtrack ch

          論文のrevise、Wordの管理こうすれば良かったのか。

          火成岩のHigh-K, Medium-K, Low-K

          よくグラフで線が出てきますがその線の式が調べてもなかなかでてこなかったので書いておきます。 High-Kの上限:K2O = 0.145 (SiO2) - 5.135 High-KとMedium-Kの間:K2O = 0.0818 (SiO2) - 2.745 Medium-KとLow-Kの間:K2O = 0.0454 (SiO2) - 1.864 単位はwt%です。 SiO2 = 53 - 63wt%の範囲で議論されています。 出典は Gill, J. B. (2

          火成岩のHigh-K, Medium-K, Low-K

          結局脳筋でcitationしてしまう方に贈る「EndnoteこれさえやればOK」手順書

          論文書くときにcitationで時間取られたくないですよね。だけど論文何本も書いてるような世代の人たちって意外と文献管理ソフト使ってなかったりして、色々なTipsを教えてもらえなかったりしますよね。この度珍しく「文献管理ソフトを買ってすぐに論文書きまでする」をやったので手順をまとめておきます。当方Windows 10なのでMacの方は少し違うかもです、すみません。 背景:なんでEndnoteにしたのか投稿しようとしたジャーナルはcitationが著者年ではなくて番号順だった

          結局脳筋でcitationしてしまう方に贈る「EndnoteこれさえやればOK」手順書