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第一回『不穏婦人会』ネプリ

はじめてのグループ企画、はじめてのネプリの『不穏婦人会』とても楽しかったです。婦人会というだけあって、色々なタイプの女性のほのかな怖さが集まってよかったなーと思っています。それぞれの婦人のわたしの推し歌をここに記録しておきます。

ネプリ配信は終了していますが、こちらからPDFで読めるので、まだの方はぜひ。

ひとごととじぶんごととの境界をいつしか超えて苦い蜂蜜/青糸りよ

『不穏婦人会』連作【不穏 × おんなともだち】

親しくなって、うっかりボーダーを踏み越えてしまった後悔を「苦い蜂蜜」としたのがとても好きです。これはリアルに身に覚えがありすぎるので、戒めの歌として胸に刻みたいと思います…

ほんとうによごれをおとすということがどういうことかわかりそうです
                                                                                                      /岩瀬百

『不穏婦人会』連作【不穏 × 洗濯】

全部ひらがなだからこそひしひし伝わってくる狂気がすばらしい。人間は基本汚いものですが、それを徹底的に排除するために何をやろうとしているのでしょうか百さん。

白波に足を取られて同調はいつもすこしの退化と思う/北谷雪

『不穏婦人会』連作【不穏 × 泡(あぶく)】

同調は退化!賢い子はそんな風に思うこともあるでしょう。白波は女たちのpeer pressureですね。ユキチャンの短歌はいつもみずみずしく、かつ洗練されていて、この連作も自力で進化していく人魚姫の物語として本当に好きです。

気に入りの窒息のひとつカンパーニュのみこんでいくとき甘いのど/小藤舟

『不穏婦人会』連作【不穏 × ライフ】

「気に入りの窒息」いきなり恐ろしすぎます。しかも窒息方法複数あるらしい。硬い食べ物をぐいぐい呑みこんでいく快感とても分かります。わたしはおこわが好きですが、やはりここはカンパーニュとおしゃれに行きたいし、「甘いのど」という官能的な表現がとても好きです。

最後には歪なできの腸詰を。わたしは柵を越えれぬ羊/重田わたこ

『不穏婦人会』不穏なプレゼント交換会

プレゼント交換でこれがまわってきた時は小躍りしました。羊が自分を腸詰にしているんです(たぶん)。最後の方は肉を押し込む力がなくなって、歪になっている。柵の中に飼われている羊が外へ出る方法は、腸詰になるしかないのです。もう大好き。

ネプリを出力してくださったみなさま、感想をお寄せ下さったみなさま、ありがとうございました。第2回、クリスマス会でもやりたいですね。

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